「バカの壁」でお馴染み、解剖学者の養老孟司さん。10月24日の「くにまる食堂(文化放送)」では、今、一番気になっていることとして虫の減少を語ってくれた。
養老「ニュースにならないんですけど、今、虫が減っているんです。車に乗っている方はお気付きかもしれませんけど、フロントガラスが高速道路を走った後、あまり汚れないんです。フロントガラスには虫がぶつかって、つぶれて汚れるんですけど、それが最近汚れなくなっているっていうことにお気付きじゃないですかね?」
邦丸「そういえば、そうですね。そんなに車に乗らないけど汚れないですね」
養老「それは世界中なんですよ」
邦丸「世界中?」
養老「はい、しばらくすると影響が出てくると思いますけどね。例えば鳥のエサがないとか、ツバメなんかは困ってると思うんですね」
邦丸「養老先生の対談集【老い方死に方】にもツバメの巣の数が減ったというところが出てきます」
養老「そういうことはゆっくり起こるんで、すぐには分からないんですね。車の汚れ方の違いなんかは、しょっちゅう掃除してる人じゃないと気付かない。それから明かりに虫が来なくなったのは最近LEDに変わってきたからなんです」
邦丸「LEDの明かりというのは虫たちにとって、あまり寄りたくない明かりなんですか?」
養老「明るくないんですよ。極端に言うと見えない。波長がちょっとズレているんです。昆虫は大体紫外線に寄り付きますから人間の目では見えないブラックライトの明かりでも結構集まってきます。でもLEDは紫外線からは外れてますし、波長が限定されるから虫の目では黒くて見えないんでしょうね」
邦丸「はぁ~」
番組では、この他にも養老孟司さんが目からうろこの話をたっぷり聞かせてくれました。