新たなランドマークが誕生した福岡市姪浜エリアで“最古の商店”はどこ?
2024.05.20 up
スナッピー小島可奈子(右)
©RKBラジオ
今年4月、複合商業施設「MEINOHAMA STEPS」(メイノハマ ステップス)がオープンし注目を集めている街、福岡市西区姪浜エリアを、RKBラジオのキャスタードライバー「スナッピー」が訪問。5月13日~16日の『Toi toi toi』で新・旧の商店や企業を口コミだけで探し中継放送した。(報告・スナッピー小島可奈子)
姪浜の新ランドマーク「MEINOHAMA STEPS」
かつて唐津街道や魚町通りを中心に宿場町として、また炭鉱の町として栄えた時代の面影を残す、福岡市西区姪浜。取材のルールは①インターネット上の情報に頼らないこと、②取材で紹介したところよりも歴史の長い商店や企業を訪ねること。月曜日にスタートして、最終日の木曜日に向かって、創業年数の長いところにたどり着こうという企画です。
①創業1か月「MEINOHAMA STEPS」(メイノハマ・ステップス)
今年4月19日にオープンした姪浜エリアの新たなランドマーク。「ライフスタイルの提案」をコンセプトにしています。5階建てで、1階に飲食店、2・3階は北欧家具とインテリアのショップ、4階はコミュニティスタジオ、5階にヘアサロンがあります。
MEINOHAMA STEPS
運営する株式会社サワライズは福岡市西区(姪浜・小戸・愛宕)で不動産や医療事業をはじめ、小戸ゴルフセンター、姪浜ドライビングスクール、テラシス桜花、あたごはま幼稚園・保育園の運営を手がけています。
サワライズの牛島雅さんに「MEINOHAMA STEPS」を詳しく紹介してもらいました。
1階のレストラン「kubelto(クベルト)」は、姪浜漁港で水揚げされた活きのよい魚介と糸島の肉・野菜などを使った、本格的な薪火料理を楽しめます。店舗中央には「薪グリル」があり、熾火で時間をかけて焼き上げることで、素材の旨味を最大限引き出しています。
4階のコミュニティスタジオは、五感(見る・聞く・嗅ぐ・食べる・触る)+αひらめきを体験・体感でき場所になってほしいという思いを込めて「gokant」という名称がつけられています。習いごとや個展・イベントなどに利用できますが、オープン1か月ですでに70以上のスクールがあるそうです。取材で訪れた日「gokant」では「はじめての消しゴムハンコイベント」が開かれていました。
姪浜の歴史をさかのぼっていく取材
②創業11か月「惣菜屋&素のまま」
姪浜で保育園を経営する吉野さんが「こどもたちの食育のために」と、素材の味を生かした惣菜を提供するお店。姪浜は福岡市内でも子どもの数の多い地域なのだそうです。
③創業15年「ハマのフレンチ」
佐賀県唐津市出身のシェフが「地元に似ている」と感じオープンしたフレンチレストラン。姪浜は漁港が近いことから新鮮な魚が入るのが気に入っているのだそう。姪浜住吉神社の前にあることから、七五三のお祝いで利用する家族もいるそうです。
④創業59年「barbarひろた」
87歳の初代オーナーが28歳のときに創業した理髪店。現在の店舗に至るまで2度移転していて、経営も息子さんが2代目として引き継いでいます。店内には親子共通の趣味である釣り竿やギターが飾られていました。
創業70年超えを発見…どこまでいく?
⑤創業70年「タケオ薬局」
姪浜の歴史に詳しい、2代目の竹尾真一さん(66)によると、かつて薬局の前には、西鉄路面電車の終点から延びた引き込み線があったそうです。博多どんたくの花電車を見ようと、たくさんの人がお店の前に集まり、賑わっていたそうです。
⑥創業77年「中西商店」
鰹節を削り販売する中西商店の店先からは、鰹節のいい香りと削る音が響いています。削る機械は創業当初と同じものを使用。
⑦創業78年「エルライト」
店内には78年前、当時小学4年生だった2代目の近藤さんが撮った、店の外観の白黒写真が飾られていました。現在はガス器具を扱っていますが、炭鉱の町だった姪浜では創業当時、木炭などをリヤカーで売り歩いていました。
(次ページ)ついに“100年企業”を発見!最後は驚きの…
勅使川原真衣が懸念を抱く!「大手商社の『自分史採用』は吉報なのか!?」
2025.11.12 up
フリーライターの武田砂鉄が生放送でお送りする朝の生ワイド「武田砂鉄ラジオマガジン」(文化放送)。11月12日(水)8時台のコーナー「ラジマガコラム」では、水曜前半レギュラーの組織開発コンサルタント・勅使川原真衣が大手商社の人事の採用基準についての記事に懸念を示した。
勅使川原真衣 「今日はちょっと就活の話をしたいと思ってます。『志望動機はもう古い? 自分史採用は吉報なのか?』と題したいんですけども、これ元ネタがありまして、先月末に日経新聞を見ていましたらこんな記事が目に飛び込んできました。三井物産の渡辺徹(てつ)執行役員が語る『学生時代に好奇心深める経験を』と書かれた記事ですけども、三井物産、大丈夫ですか?」
武田砂鉄 「全然大丈夫ですよ。把握してます」
勅使川原 「知ってますね。一応言っといてもいいですか? 日本の五大商社のひとつと言われています。いきなり下世話な話をしますけども、平均年収は1996万円」
武田 「え? もう一回言ってもらっていいですか?(笑)」
勅使川原 「1996万円が平均年収ということで、『ザ・エリート街道』と言ってもいいのかな? と思いますが、この人事管掌役員である渡辺さんが取材に応じていて、記者にこう聞かれていました。『選考で重視するのは何ですか?』と。これに対してちょっと途中省略しながら読みますと、『コミュニケーション能力などの人柄と、それを支える意味で学生時代の経験です。エントリーシートでは志望動機は聞かず、自分史を書いてもらっています』」
武田 「自分史?」
勅使川原 「自分の歴史ですね。学生の時にしかできないことを色々経験して、好奇心をどんどん深めていってほしい』。ここちょっとポイントなんですけども『1年生の時から就活のことを考えてアルバイトなどを選ぶ人は嫌ですね』と。『嫌ですね』と言われちゃったんですけども、どうなんですかね、これ地味な記事だと思いますよ。就活業界研究の記事なので。ですが、結構話題になりました。
色々SNSでも反応がありまして、例えばあの西村ひろゆきさんもXでこの記事をリプライする形でこの取り組みをXで肯定していました。『従来型のテストマシーンみたいな人はもういらないですよね』と」
武田 「テストマシーン……」
勅使川原 「『テストだけが出来るような人はいらない、テストだけに強い人はいらないよね』みたいなコメントです。あと、あるベンチャー経営者の方はこう言ってました。『表面的な就活スキルではなく、本物の好奇心と粘り強さ。それが何十億円のディールを生み出す源泉だと彼らは知っているんです』と、豪語していたんですね」
武田 「スケールでかいですね!」
勅使川原 「なんかそんな感じしますけども『どうなのかな?』と私は思っています。やっぱり当たり前を一応疑う教育社会学っていうのをやってきて、さらに仕事としても『仕事ってこんなもんだよね』っていうのを疑う仕事をしてきているので、ちょっとこれも疑ってみようかなと思うわけですけども、これ多くの人が『なるほど、新しい潮流だ!』って思ってるかも知れないんですけども、『ほとんどの人にはあんまり吉報にはならないんじゃないかな、なりにくいんじゃないかな』と考えてます。
3つほど懸念があります。1つはですね、これ生まれの影響を多分に受ける選抜方法じゃないかなと思うんですよ。就活対策なんかしてね、『嫌ですね』と言われようがなんだろうが、人生のある時期につけ焼き刃をしてでも評価機関に合わせて自分の将来を切り開くって、普通のことじゃないですか。『そんな悪いことだったのかな?』と思うわけです。
なんか最近やたらと個人が事前に対策できることを『表面的』とか、もっと言うと『実力がこれじゃわからない』みたいな言い方をすることがあるんですけども、いやいや、実力って何なんですか? 何が問われるのかを事前にちゃんと把握した上で、問われたものに対して自分なりの答えを用意していくって、これ機会の平等に近いと思います」
武田 「そうね」
勅使川原 「なので、ある意味でフェアだったはずなんですけども、果たして自分史採用ってどうなのかな? 評価機関で言うとこれ人生全体ですよね? これまでの生き様みたいな」
武田 「全部出さなきゃいけない」
勅使川原 「全部出さなきゃいけなくなる。『これで本当に実力が見えるんですか?』っていう問題があると思います。自分史でわかるとされている実力と呼ばれているものも、これ案外『育ち』。『育ち』の話になっていくんじゃないかと懸念してます。ちなみに育ちを決めているのは能力ですか?」
西村志野 「違いますよね?」
勅使川原 「100万%偶然じゃないですか。どの家庭に生まれ落ちるか、自分じゃどうにもできないです。選んだことある人、いません。この偶然の生まれのことを起点にして、その後の人生っていうのは教育社会学で『水路づけられる』っていう言い方をするんですよ」
武田 「水路づけられる?」
勅使川原 「完全に決定はしないけども、この学校に行くとこれぐらいの職業について、こういう人と結婚して……みたいなのがある程度あるでしょ、というのは実証研究で示されているので、この選抜対策不能にしようっていう意図はあると思いますけども、そもそも偶然性を引きずってますので、初期値、最初の生まれの影響がかなり大きいんじゃないかなと思うんです。生まれの影響が大きいと何が困るかって、結局番狂わせみたいなのが起きにくいんじゃないかと思うんですよ」
武田 「そうかそうか」
勅使川原 「『階層再生産』って言うんですけども、言い方あれですけど、お金持ちの家に生まれると、子供も三井物産のようなところに入ったりとかお金持ちになっていく、みたいなのが起きないかなと。老婆心ながら心配しております」
この後も、勅使川原さんによる熱い問題提議が続きました。気になる方は、Radikoのタイムフリーでご確認ください。