財津和夫、全体責任を押し付けられない時代にこそ個人主義を自分でがっちり固めて欲しい、と
TULIP・財津和夫が、時には曲を作った経緯や周辺事情を明かすRKBラジオ『財津和夫 虹の向こう側』。8月18日の放送では、高校野球の聖地「甲子園」と同タイトルの長編組曲を作成したきっかけや、「和夫」と名付けられた理由などをお話します。
五郎のはずが和夫と名付けられ
「和夫」の名前の由来について、「『和(かず)』はおだやか、なごむ。『夫(お)』はおだやかな優しい夫」。たしかそのようなに聞いたことがある」という、お便りを紹介。
財津「すみませんが、ハッキリ言って違います。僕が親から聞いた命名の理由は、三男が三郎、四男は四郎で、僕は五郎になるはずだったんですけど、ちょっと色気を出そうという事で…自分が生まれた貝塚(福岡市東区)にあった『昭和鉄工所』の和の文字を取って付けたそうです」
年号が大正から昭和に変わった100年近く前は、「昭」や「和」の文字を名前に使う事が流行ったようですが、財津は昭和23年生まれにして、このような経緯で「和夫」という名前を授かったらしい。
下田「じゃあ、財津さんは和夫さんか、五郎さんか、昭和鉄工所の昭の方に焦点がいっていたら、昭夫さんになっていたのかも…」
ところが、「昭」の文字に関しては、財津家のとある経緯・秘密が隠されていたらしい。
詳しくは、番組本編の、財津のハイテンション(?) な説明をどうぞお聞きください。
世の中が変わるからこそ、意識すべきこと
連日熱戦が続いている「夏の甲子園」。今年は、甲子園が開場100周年を迎えている。
TULIPが39年前の1975年(昭和50年)に発売したアルバム「日本」のB面最後には10分近い長編の組曲「甲子園」が収録されている。この曲を作ったきっかけについて、話をする事に。
財津「甲子園の高校野球を見るのが好きなんですけども、いつも辛そうな感じがする、と思ってたんです。日本人なんで、『一生懸命根性出して、暑さに負けずにやるぞ!』っていうのはいいと思うんですけど、負けたチームってどうしてんのかな、地元にどういう顔して帰るのだろう。特に、勝っている試合だったのに、一つのミスで敗れた場合とか。『1人の失敗はみんなの失敗だ』とかって美しい言葉で言いますけど、みんな心の中では、『あいつが失敗しなければ』って思ってんじゃないかなとかね」
下田「ミスした当人は、責任を感じますよね」
財津「この『甲子園』って曲の内容、全てこの通りじゃないとは思うけど、そのままのところもあるんじゃないか。その皮肉な一面をあぶり出してみよう、と」
先週の放送でも財津が語った、「アルバム『日本』は、『日本ってのは一体何だろう、日本人ってなんだろうみたいなことを生意気に考えて、ちょっと皮肉ったアルバム』を作った」という話と同じく、ロック的な社会風刺を目指したのだろう。
財津「(郷土を代表した)嬉しい気持ちは出してもいいけど、全部責任を背負って、『地元のイメージは君達だよ』みたいな感じを出されると大変じゃないですか10代ですよ、まだ。トラウマになったら可哀想だな、と思ってこの曲を作ってみました」
下田「10代で故障して野球が2度とできないとか、負けて気落ちして燃え尽き症候群になったりとか」
財津「心の問題も色々ありますよね…どんどん変わってきて、良かったなって思うのは、ベンチの笑顔。昔だったら深刻な表情だったけど、今は楽しんでやろうよ、っていう監督さんもいっぱいいるみたいで、それは素晴らしいなっていう気がします」
財津が高校時代はどうだったのだろう。
財津「バスケット部にいましたけど。昔は練習中に水飲んじゃいけなかったんで、部活が終わってからもう死ぬほど水飲んだ記憶がありますよ。当時はもう我慢して我慢して、気が付かなかったけど不健康だったんでしょうね…今は、本当に世の中がどんどん新しくなっていて、よかったなと思いますよ。ただ、そうですね、根性がなくなりすぎてる感じもありますけどね…なんか『何でもOK』みたいな。個人で、自分で倫理を作らなきゃいけない時代になってきたんでしょうが、それって難しいよね。かといって倫理を押し付けられるのは嫌でしょう。だからその兼ね合いを、個人個人が意識しないと。個人主義になろうとしてる日本はすごくいいと思うんですけど、個人主義っていうものをもうちょっと自分でがっちり固めてほしいなと思います。難しいですけど」
下田「球児たち、熱中症と怪我だけはしないでくださいね」
次回8月25日の放送は、通常通り18時15分(午後6時15分)からの予定です。
「失敗談・ドジ」について、オモシロおかしく告白します。
【番組からのお知らせとメッセージ緊急大募集】
再来月10月の放送は、TULIPのメンバーの一人・姫野達也を初めてゲストに迎えてのスペシャルバージョンをお送りする事になりました。
そこで、番組では財津和夫と姫野達也 両人へのメッセージを緊急大募集します!
◇7月19日に千秋楽を迎えたTULIP50周年記念ツアー
◇10月12日から始まる「財津和夫コンサート2024 with 姫野達也 ~忘れられない歌を~」
◇TULIPとしてのステージは、もう今後は本当にないのか
など、昨今のコンサート活動に関しての質問等は勿論のこと、50年以上前の学生時代に出会ったTULIPのメンバーであるお二人に対してのメッセージであればなんでも結構です。
宛先は
メール:niji@rkbr.jp
FAX:092-844-8844
郵送 :〒814-8585 RKBラジオ「財津和夫 虹の向こう側」(住所不要)
諸般の都合上、締め切りは8月27日(火)必着とさせていただきます。
締め切りまで期間がございませんので、なるべくメールまたはFAXでメッセージをお寄せいただければ幸いです。
- 財津和夫 虹の向こう側
- 放送局:RKBラジオ
- 放送日時:毎週日曜 18時15分~18時30分
- 出演者:財津和夫、下田文代
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※該当回の聴取期間は終了しました。