新千歳空港でのハサミ紛失に松尾潔「申し出たスタッフの勇気称えたい」
Uターンラッシュのピークを迎えた8月17日、新千歳空港の搭乗待合室の店舗で、ハサミを紛失が原因で、安全確認のため乗客の保安検査をやり直す事態が発生した。音楽プロデューサーの松尾潔さんは8月19日に出演したRKBラジオ『田畑竜介Grooooow Up』で、同日北海道で開催されていた音楽イベントへの影響にも触れながら「申し出たスタッフの勇気を称えたい」とコメントした。
Uターンラッシュを直撃した空港でのトラブル
北海道の空の玄関口である新千歳空港で8月17日に、搭乗待合室内の店舗に備え付けてあるハサミが無くなったという申し出があり、これを重くみた運営会社の北海道エアポートが、搭乗を待っている旅客だけでなく、既に機内の座席で離陸を待つばかりという乗客も含めて、保安検査をやり直す事態となりました。結局3時間ぐらいの遅れが発生し、時期的なこともありロビーがごった返すという状態になりました。
時系列の話をすると、午前9時半ごろに搭乗待合室内の店舗から「ハサミを紛失した」という連絡があり、新千歳空港を運営している北海道エアポートが保安検査をやり直すことになりました。「Uターンラッシュ直撃」という、想定外もいいところの事態で、まだハサミは見つかっていないそうです。
紛失を申し出たスタッフの勇気を称えたい
飛行機に乗るときは必ず保安検査を受けますよね。そこから機内に入るまでの間には基本的にチェックはありません。でも、検査場を過ぎた後にも店はあり、そこには機内持ち込み不可とされているようなハサミや刃物を使っています。普段は厳重にチェックされているそうです。
そういったものは店外には出せないよう、鎖などを付けているそうで、それを引きちぎるという表現が正しいのかどうか、無理やり外して無くなったという報告がなされたそうです。どこの店かは明らかにされていませんが、この店のスタッフの方の勇気を称えたいと思います。
というのは「やばい、無いぞ!」と思っても、僕の場合は弱いところがあるので、気づかないフリをすることも一瞬頭の中によぎるかもしれませんから。この数年、ビッグモーターをはじめとして、いろんな会社の隠蔽事件を見てきました。だから、こういうニュースを聞くと「ちゃんと勇気を持った方いるんだな」と僕はまず思いました。自分だった、こんなふうにできただろうかと。
補償をした前例が悪用されないことを願う
では、再発防止はどうするんだろう? と専門家ではないので迂闊なことは言えませんが、まず思い浮かぶのは、二重チェックをするということです。搭乗の直前のところでもう一度チェックするシステムを作るというのが考えられるかと思います。この先、いろんな新しいセキュリティシステムが今回のことを奇貨として作られていくと思います。もう検討が始まっているかもしれませんが。
当然反発も考えられますよね。乗り込むまでにそれだけ時間がかかってしまいますから。今でも「○○便の方お急ぎください」という、分単位・秒単位で運航しているわけですから。
今回、事故やけが人などが発生しなかったことを喜ぶとともに、こういうことが起こらないように、犯人捜しをしても詮無いですが、公共性を考えれば「くれぐれも空港で人の迷惑になるような行動はやめましょう」とまずは言いたいですね。
ANAは新千歳空港で夜を過ごすことになった乗客に、お詫びとして1万5000円を補償したそうで、他の会社の対応が比較されています。僕は補償されたことに対し「それは良かったね」と思ったんですが、これが一つの前例になって「悪いことに利用されなきゃいいな」とも同時に考えてしまいました。
音楽業界にも影響が
僕が属している音楽業界の話題になりますが、このタイミングに北海道で「RISING SUN ROCK FESTIVAL」という音楽イベントが開かれていて、今回の影響で9mm Parabellum Bulletが出演できなくなってしまいました。
一方、ギリギリ間に合ったのがスガシカオさん。出番の5分前に現場に着いたと聞いています。「持っている人だな」ということなんですが、大変だったと思います。僕の身近でもこんなことが起きていますから、いろんなビジネスの現場でこの影響はもしかしたらまだ今も続いているのかもしれません。
空港という場所は、こういうことが起こりかねないということで、時間には余裕(allowance)を持って行動するに越したことないな、と痛感する出来事でした。
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