財津和夫、初期チューリップの臨時マネージャー役まで務めた姫野達也に感動する

TULIP・財津和夫が、ウィットに富んだトークをお届けしているRKBラジオ『財津和夫 虹の向こう側』。10月の放送では、TULIPのメンバー・姫野達也を番組にお招きして、財津&姫野の腐れ縁(?) の尽きない話を4週連続でお送りします。今回10月13日の放送はその第2話。バンド結成前後のこぼれ話などをお送りします。
東京までついて行った姫野
先週に引き続き、姫野達也のゲスト予告に対して番組に届いたメッセージに、二人から答えて貰いましょう。
○『こんなに長い間TULIPを続けてこられたのはどんなにか苦労があったかと思います。バンドが長続きする秘訣はありますか?』
財津「いや、質問が難しいな…」
引き気味に解答を考えようとした財津に代わり、姫野が即答。
姫野「僕らの音楽のモットーていうのかな、10年経っても色褪せないメロディーでハーモニーがあって、というのをすごく意識したてやってきたんですね。それがファンの皆さんが飽きることなくついてきてくれた理由なのかなと思うんです」
初心、忘れていません。流石です。
○『財津さんへ質問です。チューリップを結成する際、福岡にいたたくさんのミュージシャンの中から、なぜ姫野さんを選んだのですか』
財津「お、いい質問ですね。姫野クンは本当に音楽能力がすごく高いんです。僕はビートルズが好きだったから、アコースティックピアノの音がないとビートルズっぽくない。それで、鍵盤を弾く男を探していたら、この男がなぜか弾いてたんです。最初に出会ったのがまだ(姫野が)18歳ぐらいの時。もう、彼しかいないと思って」
当時、姫野はライラックという2人組のバンドをやっていた。
姫野「もう1人は、海援隊にいる千葉一臣。それが同級生で、一緒に2人で何かやろうかって言って。ビートルズやりたいけど、人数が集まらないから、これいいんじゃないと選んだのがサイモンとガーファンクルでした」
当時は、実際に有名アーティストのコピー演奏をしようとしても、まず楽譜がない。
姫野「週刊誌についている歌本ぐらいしかなくて、結局耳コピするしかなかったんですね。結構没頭してやりました。今になって思うとすごくためになったな、と思います」
財津が、その耳コピの方法を、回転を落としたレコードの音の声帯模写を交えて面白おかしく説明する。
下田「財津さんに声を掛けられてどうでした」
姫野「まさかとは思ったんですけど、嬉しかったですね。元々僕はビートルズがやりたい男ですから」
ライラックは毎月の定例のコンサートとかで、既に(財津と)顔を合わせるたり、話したりする関係ではあったというが、だからこそ意外だったのだろう。
その他のメンバーについても、財津が振り返る。
財津「福岡でドラム叩いている人は、キャバレーなどの大人の社交場で4ビートを叩いている人だけ。上田っていうのが唯一下手な8ビートを叩いていたんですよ。彼しかいない」
下田「そういう選択肢がない中で、主力のメンバーが集ったという事ですね」
財津「当時としては、おそらく本当にレベルは低いんですけど、ベストメンバーですよ」
下田「その時から『東京を目指そう』という話はしていたんですか」
姫野「僕は、ただ『楽しいな』だったんです。4歳違いですから、財津和夫はもう大学の4年生になって、プロになるかそれともサラリーマンになるかの選択を思い悩んだんじゃないかなと。僕はまだ全然そんなことも考えずに楽しくやってました」。
下田「財津さんは『このメンバーと東京行くぞ』と、もう考えてたんですか」
財津「その頃は(その後メジャーデビューした時とは違う)チューリップのメンバー4人で『わたしの小さな人生』っていう曲を、東京に初めてレコーディングしに行ったんですよ。その時、バンドメンバーでもないのに姫野クンはついてきて、レコーディングの時もずっと一緒にいたんです」
その時のディレクターは、メジャーデビューした後のTULIPやオフコース、赤い鳥など数多くのアーティストを手掛けた新田和長氏。初めてのレコーディングで緊張して硬くなっていた4人のチューリップの様子を見て、お邪魔虫のはずの姫野が、新田氏やレコーディングスタッフに向かって、アクションを起こしたのだという。
姫野「僕、みんなが言えないことをどんどん言って…『いや、これ違うな』と思ったらなんかどうしても言わないと気が済まなくて」
財津「周りは迷惑ですよね。メンバーから何か言われるならわかるんだけど、この人誰なのって感じで」
姫野「いや、僕の知ってるチューリップと違う方向に行ってたから、これはいけない、とか思って」
財津「その時、彼のこと本当にいいやつだなっていうか、音楽が本当に好きなんだなって感心しましたよ」
来週も続いて懐かしいお話が聞けそうです。
次回10月20日の放送でも、TULIPの結成52年を振り返ってのよもやま話をお送りいたします。なお、当日にパ・リーグクライマックスシリーズファイナルステージの試合がある場合は13時15分(午後1時15分)からに放送時間が変わります。前日までに日本シリーズ出場チームが決定している場合は、通常通り18時15分(午後6時15分)からの放送です。
- 財津和夫 虹の向こう側
- 放送局:RKBラジオ
- 放送日時:毎週日曜 18時15分~18時30分
- 出演者:財津和夫、下田文代
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※該当回の聴取期間は終了しました。