リスナーから熱いメールが!「職業」がテーマにした映画に選ばれたのは、あの名作!

RKBラジオ『田畑竜介GrooooowUp』に出演しているクリエイティブプロデューサーの三好剛平さんによる、月に一度の「リスナー名作劇場」。5月のテーマは「明日への活力!『職業』がテーマの映画といえば?」でリスナーの皆さんからたくさんのメッセージをいただいた。熱いメッセージの中から選ばれたのは幅広い世代に愛される、あの名作だった。
熱いリスナーからのメッセージを紹介
毎月恒例の『リスナー名作劇場』。今月のテーマは「明日への活力!『職業』がテーマの映画といえば?」。今月も常連さんからご新規のリスナーさんからもメッセージをいただいています。まずはそのメッセージからご紹介していきたいと思います。
まずはご新規さんから。【kikuchimitsuru】さんからは2006年の日本映画『燃ゆるとき』。高杉良のベストセラー小説を、中井貴一主演で映画化した社会派ドラマで、日本のカップ麺のアメリカ進出を描いた「お仕事映画」でした。
続いて【mako.g4onelove】さんからは『踊る大捜査線』をご推薦。たしかに!昨年はスピンオフ映画も公開され、来年にはいよいよ“青島”が帰ってくる『踊る大捜査線N.E.W.』も公開が決定していて、楽しみですよね。
常連さんからもたくさんいただいております。【na_kanana】さんからは『謝罪の王様』と『南極料理人』をご推薦。『南極料理人』はまさしくこの「リスナー名作劇場」第2回でも「食欲を刺激される映画は?」で三好さんがピックアップしてご紹介くださいましたよね。
【古賀市のひなたぼっこさん】は『劇場版 TOKYO MER 走る緊急救命室』。「自分自身も前向きに進まなければという気持ちにさせられた作品。劇場で2回鑑賞しました」とコメントも添えてご推薦いただきました。そして【ビタミンK】さんは昨年劇場公開されたばかりの日本映画から『本心』と『Cloud クラウド』という2本をご推薦。さすがリアルタイムで映画を見続けていらっしゃるのが伝わってくるセレクトでした。
【黒井のやたっちさん】は洋邦織り交ぜて『風に立つライオン』『おくりびと』そして2016年のアメリカ映画『ドリーム』の3本をご推薦。『ドリーム』は1960年代、黒人や女性への差別が強かった当時のアメリカを舞台に、NASAで活躍した3人の黒人女性数学者たちの実話を映画化した作品です。「悲喜こもごものストーリーと爽やかな感動のラストが、今でもとても心に残っています」とコメントもお寄せいただきましたが、三好さんもこれは大好きな作品なんですって?
【南のしんちゃんさん】からは『メリーポピンズ』!1964年に公開されたミュージカル映画の大傑作ですが、しんちゃんさんは初めてご覧になった際には「子供のしつけを職業とするメリー・ポピンズの存在は、独りっ子だった私には憧れでした」と感じられた、という素敵なエピソードも。たとえ映画越しでも、メリー・ポピンズの存在が幼少期のしんちゃんさんの寂しさを少しでも埋めてくれたのなら、それだけでもこの映画には価値がありますね。
【算数ノートさん】はいま話題の『教皇選挙』をご推薦いただき、「最近見た中で、特に『仕事のしかた』を感じる映画でした」とコメント。三好さんが先日紹介した『けものがいる』もご覧になったとメッセージも添えてくださっています。
【Giオレンジさん】は2009年のジョージ・クルーニー主演映画『マイレージ・マイライフ』をご推薦。こちらはその選定理由が秀逸で「最近は新入社員が代理業者を使って退職をしていますが、この作品は代理業者が会社に代わって社員を解雇する話です。」と現代の世相と絡めて今回の「お仕事映画」というテーマを膨らませた作品紹介をくださいました。
今月も皆さんたくさんのメッセージ本当にありがとうございました!
今月の映画は『マイ・インターン』
さて今月のお仕事映画をテーマに皆さんの推薦作品のなかから三好がピックアップさせてもらったのは【老婆の休日さん】がご推薦くださった2015年のアメリカ映画『マイ・インターン』です。公開当時から今も多くの人に愛される定番映画のひとつですが、【老婆の休日さん】からは「人生100年時代、生涯現役を目指し私自身も職探しをしていますが、年齢を理由に気落ちした時の私の特効薬がこの映画。定期的にこの映画を見て、人生のモチベーションを維持し続けている、大好きな作品です」とコメントいただきました。
ということでまずはあらすじから。
ファッション通販サイトを立ち上げるやたちまち急成長してしまい、そのスピードに戸惑いながらも日々、情熱的に仕事に取り組む女性社長のジュールズ(アン・ハサウェイ)。自分の夢を支えてくれる小さな娘と夫に日々感謝を覚えながらも、目の前の仕事に手を抜けない性格もあって、仕事もプライベートも毎日が奮闘の連続です。そんな彼女にある日、部下としてつけられたのはシニア・インターンのベン(ロバート・デ・ニーロ)。40歳も年上、70歳の新人インターンであるベンの存在をはじめは遠ざけようとするジュールズでしたが、彼の豊かな人生経験に基づくアドバイスとサポートが、徐々に彼女のとっ散らかった毎日を変えていきます。そんな折、ジュールズは会社と彼女の人生を左右する、ある大きな選択を迫られることとなり——、というお話。
本作を今月の一本に選んだのは、私たちにとって「良い仕事」とはどういうものであるか?を教えてくれることにあると思います。例えばジュールズは社長というポジションにありながらもなお、自社の負担や損失を顧みずユーザーの困りごとに誠実に応えるべく日々奮闘している。また、雇用前まで生きがいを失っていたうえにITのこともチンプンカンプンだったベンも、雇われて以降は自ら社内のお困りごとを見つけては「自分に出来るやり方で」解決に近づけるよう努力していくうちに周囲からの信頼を獲得していきます。ここに示される「良い仕事」の正体は、「目の前で困っている誰かに心を寄せて、その力になろうとすること」だと思います。
よく新しい環境や業務に飛び込むときに、「自分は◯◯の経験が無いから…」と怖じ気付いたり、二の足を踏んでしまう人は少なくないと思いますが、実はあなたの上司も、苦手と思っていたクライアントも、実際は誰もがなにかしらの初挑戦をしていたり、日々不安や迷いを感じながら「なんとかやっている」ものです。だからこそ、自分の困っていることを誠実に見つけて、荒削りでも何か力になろうとしてくれる人がいれば救われるし、そういう人とは一緒に仕事を続けたいと思うもの。今この瞬間にも、私たちには何か出来ることは必ずあります。
人によっては、ベンがあまりに理想的な存在過ぎるとか、この映画に描かれるのがあまりに「やさしい世界」過ぎる!と批判する人もいるようですが、僕は厳しい現実を描き出すことだけが映画のリアリティでもないと思います。私たちの現実にはこの映画に登場するような善良な部分も確かに存在するし、映画を通じて「誰かのために行ったことはきっとその人に喜んでもらえる」という理想を信じられることが、ときに私たちの現実に同じような場面を実際に呼び込むための力にもなる。それもまた映画の立派な「仕事」だと思うのです。
僕は鑑賞後には随分風通しの良い爽やかな気持ちになりましたし、日々の仕事に不安を抱える人の悩みを少しだけ軽くして、前向きに背中を押してくれる一本だと思いました。ということで今月のリスナー名作劇場は、『マイ・インターン』をご紹介いたしました。ぜひご覧ください。
※放送情報は変更となる場合があります。