財津和夫、自分のコンサート会場で来たことが無いはずのポール・マッカートニーのサインを探してみたりする

TULIP・財津和夫が、時には新年の過ごし方を顧みるRKBラジオ『財津和夫 虹の向こう側』。1月4日の放送では、お正月の定番・雑煮に関する思い出や、コンサート時の「楽屋」話、そして新年らしく番組の今後の目標について語ります。

博多の雑煮はおでんみたい?!

2人はどのようなファッションスタイルが好きですか、という質問のメッセージを頂戴しました。
下田「お正月ですけど、財津さんは和装、着物などは着たりはされませんの?」
財津「着たいですね」
下田「似合いそうだわ」
財津「いやまあ、似合えばいいんですけど…着たことないんですけど、着たいなぁって思ってます」
下田「お正月ってどんなスタイルで過ごされますか」

提供:福岡市

財津「何もしないかな…最近、雑煮が好きになったんです。(以前は)ずっと嫌いだったんです、なんでこんなもの食べなきゃいけないのかって。やっぱり若い頃とは肉とか食べたいじゃないですか…何て言うんですか、福岡はいりこ出汁とか」
下田「あご出汁?」
財津「あご出汁。あの出汁があまり好きじゃなかったのかな、子供の頃は。最近は好きですね」
下田「そうですか。やっぱり九州、博多雑煮ですか? 東京にいらっしゃっても博多雑煮?」
財津「まあ、そうでしょうね。うちの嫁も福岡ですから、やっぱり自然とそうなって。でもどう違うかわかんない」

下田「例えば、お餅は九州だと丸、関東だと四角じゃないですか」
財津「なんかそんなこと聞いたこともあるな、福岡は丸なんだ。そのままボンと入ってる感じですかね」
下田「そう、焼かないかな…焼いてるケースもあると思います。1回焼いて入れたりとか、1回湯がいて火を通してお雑煮の中に入れたりとか…博多雑煮はね、豪華でしょう。ぶり入れて、かまぼこ入れて、かつお菜入れて、しいたけ入れてカシワ(鶏肉)も入ります」
財津「人参も入れます、大根も。おでんじゃないの、もう」
下田「おでんみたい。すまし汁でね」

財津「美味しいですよね。すまし(汁)で思い出しましたけど、日本料理屋さん行っても、若い頃はすまし飲んでも、なんにも美味しいと思わなかった。『何でこれにお金払わなきゃいけないの、これお湯じゃん』って思ってました。でも最近は、それが一番好きなんです。美味しいですよね、箸休めにちょっと、おすましの感じ。あれこそ日本の味ですね」
下田「そうですよね」
財津「くう…空即是色(くうそくぜしき)。何もないものを、味わうような感じがして、凄い日本的な感じがする」
下田「禅の世界に入りましたね」
お正月最初は、お尋ねのファッションではなく食べ物の話に飛んで行ってしまいました、どうぞお許しの程。

楽屋についての「楽屋話」

2025年3月に閉館した福岡市民会館の楽屋

番組で「財津の初舞台は福岡市民会館での高校の予選会だった」と聞いて、自分も高校2年生の予選会で北九州市の八幡市民会館で初舞台を体験した事を思い出した、というお便りを紹介します。
下田「『一番嬉しかったことは楽屋に入れたことです』。確かに、楽屋に入る経験っていうのは出演者しかありませんからね」
財津「僕も思い出した、生まれて初めて楽屋に入ったちょっとした興奮を。今なんて、もう楽屋って何、みたいな感じですけど、初めてのときは興奮しましたよ」
下田「そうですよね、やっぱり出演者の一員って感じですもん」

財津「表舞台と楽屋っていうのは両極端に違いますよね。表舞台は照明もあるし、音がある時は綺麗な音で聞こえたりするんで、なんか天国を見てるような感じじゃないですか、天国見たことないからわかんないけど。でも楽屋は一言で言うと、割と汚いです」
下田「簡素といいましょうか、簡素…財津さんは楽屋をどんなふうにします? 例えば、(物を持ち込んだりして)居心地よくするタイプですか?」
財津「そんなにたっぷり楽屋にいないんで…持ち込み、あんまりないですね…ストレッチ用のマットとか、自分のコーヒーを持ち込んだりとか」
下田「コーヒー豆、じゃあコーヒーマシンを持ち込む?」
財津「マシーンは(持ち込まない)…もう引いてある豆を持ち込んでドリップして飲んで」

福岡市民会館 閉館時の記念展示から

財津「あとはほとんど持ち込みません。これ、自己満足なんですけども、出るときは『立つ鳥跡を濁さず』。 綺麗にして帰るようにしております、時間がないときはごめんなさい、ですけど。いろんなアーティストが来て、そこを使ってるわけじゃないですか。いろんな念が染み込んでるんでしょうね」
下田「確かに、きっとねぇ」
財津「ホールを訪問したアーティストが、サインしてるじゃないですか。(ホールの記帳が、場合によっては)束になって何百枚も。それを見ることもあるんです。『こんな人も来たんだ。僕のいる楽屋に入ったかどうかわかんないですけどこんな人も来てたんだ。ポール・マッカートニーは来てなかったかな?来るはずねえじゃん』とか思いながら。楽屋話をするといろんな話が出来ますので、また時間あるときにゆっくりさせていただきます」
はい、是非。期待しましょう。

今日の一曲は、TULIP『悲しみに挨拶を』。アルバム『Someday Somewhere』(1979年発売)に収録されています。2022年からの50周年記念ツアーでも冒頭で演奏されました。

「爆弾発言」の予告

下田「年の初めにあたりまして、何か心に変化ありますか。それとも目標などはございますか」
財津「具体的に(心の変化)はないんだけど、番組に新しい風を吹き込みたい。せっかく年も改まったんですから、これを契機にですね、この番組がこんなことやったんだ、みたいな刺激的な事をちょっとやってみたい。去年(※12月7日の放送)ちらっと言いましたけども、私、大胆な事を言いますよ。それ以外にも、ちょっとこんな企画とか、あんな企画とかを…あの、顎の長い姫野をゲストに…もう来なくていいと思ってらっしゃる方もいらっしゃるかもしれませんけども、もう1回呼ぼうかな」

2024年10月の放送にて

下田「そうですね、楽しかったですね、3人でのお話も」
財津「僕は楽しくなかったんですけど」
本当は一番楽しんでいたのに、またもやのひねくれジョークです。
下田「(笑)」
財津「福岡にいる姫野って面白いじゃないですか。すっかり福岡人になってますもん。そういう意味では面白い」
下田「いいですね。そして、(この番組は)ポッドキャストでも聞くことができるようになりましたので、この番組で流せなかった部分、時間の制約がある部分はポッドキャストでもお楽しみいただけますので、『財津和夫 虹の向こう側』と検索して、お楽しみください」
ポッドキャストでの公開は、2025年10月放送分からです。

次回1月11日の放送は、通常通り18時15分(午後6時15分)からの予定です。
コーヒーについてお話しします。

財津和夫 虹の向こう側
放送局:RKBラジオ
放送日時:毎週日曜 18時15分~18時30分
出演者:財津和夫、下田文代
番組ホームページ

出演番組をラジコで聴く

※放送情報は変更となる場合があります。

ヨーロッパ企画、新作舞台は「傑作を見せられる」 『インターネ島エクスプローラー』金丸慎太郎、金子大地、上田誠インタビュー

ヨーロッパ企画第44回公演『インターネ島エクスプローラー』が現在、東京・下北沢の本多劇場にて上演中。

上田誠、金子大地、金丸慎太郎

今作のテーマは“冒険”。未踏のジャングル、天をつく絶峰、到達不能な極地。かつては冒険家たちをたぎらせたこれらの舞台も、今はすっかりシステムの中。地表はGPSに覆われ、ネットワークがゆきわたり、地理的空白は埋められ、指先ふたつで世界のどこへでも分け入れるようになっていた。そんなある日、屋根裏から見つかった祖父の日記に「絶対に× 印のところへ行くなよ」という警告と、手描きの海図が残されており——。

このたび、システムでさえ到達できなかった未踏の地へと足を踏み入れる冒険家役を演じる金丸慎太郎、同じく冒険家役でゲスト出演する金子大地、そして脚本・演出を手掛ける上田誠にインタビュー。ヨーロッパ企画に欠かせないエチュード稽古の様子のほか、上演への意気込みなどを聞いた。

――今回の舞台となるのは、まさかのジャングル。この物語を思いついたきっかけは何だったのでしょうか?

上田:昔からずっと「いつか南太平洋あたりを舞台とした話をやってみたいな」と思っていました。そして今作は、金丸くんがヨーロッパ企画に正式に入団しての初舞台。記念舞台ということで座長をやってもらおうと思った時に、物語に彼のパーソナルな部分を加えたいと考えたんです。金丸くんは世界一周旅行をしたり、海外でヒッチハイクもできちゃう人なので、「冒険」というテーマが合うと思ったのがきっかけになっていますね。

――ヨーロッパ企画にとって「入団公演」となるのも珍しいです。入団前からの関係値があったからこその舞台になりそうですね。

上田:以前からヨーロッパ企画の舞台に出ていたからこそ、むしろ「入団公演」と謳わないと誰も気づいてくれないんじゃないかと思って。たまには大々的にアピールしてみてもいいんじゃないかと思いました(笑)。

――金丸さんは「入団公演」「座長」と聞いた時にどう思いましたか?

金丸:本当にありがたいことだと思います。とんでもないギフトをもらったような気持ちですね。以前より参加してはいますが、改めて「賑やかなやつが入ったな!」と思ってもらえるように、いろいろな表情・芝居を見せていかなければならないなと気合が入りました。

――今作のプロットを読んで、どんな感想を持ったかも聞かせていただけますか?

金丸:冒険がテーマとは聞いていましたが、まさかジャングルが舞台になるとは(笑)。

上田:28年も脚本を書いていると、そういうバカバカしいことに抵抗もなくなってきて(笑)。少し前までは「ジャングルを舞台にする」とか「ヘビと戦う」なんて、バカにされると思って書けなかったと思います。ですが、今はもう何の恥も外聞もありません。ヘビと戦うのは主に2人(金丸&金子)なのですが、めちゃめちゃ面白く演じてくれていて。書いて良かった(笑)!

金子:しかも、そのヘビに関しては“とある伏線”になっているんですよね。

上田:そうなんです。後半に回収するシーンがあるので、ぜひ楽しみにしていただけたら。

――金子さんは、ヨーロッパ企画の舞台に初出演となります。上田さんの描くスケールの大きい物語の印象はいかがでしょうか?

金子:スケールが大きすぎて、最初はまったく頭が追い付きませんでした(笑)。それから資料を読んだり、モアイ像について勉強をしたりして、少しずつイメージが湧いてきたところです。ただ、上田さんの書く物語って、スケールは大きいけれど会話はとても日常的なんですよね。そのギャップが面白さの1つだと思っていて、演じている僕自身も毎回楽しんでいます。

――ヨーロッパ企画の舞台ならではとなっている、エチュード稽古はいかがでしょうか?

金子:とても面白いです! 緊張しないような空気感を劇団員の皆さんが作ってくれて、さらに僕が何をしても拾ってくれるんです。その安心感があるからこそ自由に挑戦できるし、その結果、僕自身が知らなかった表現も見つけることができました。その新たな発見が楽しすぎて、毎回キャラが変わっちゃうんですよね(笑)。

上田:毎回いろいろなパターンを見せてくれて、こちらこそアイディアが膨らんでいます。

金丸:すごく嫌なやつの時もあれば、めちゃめちゃ弱弱しい時もあったりしてね(笑)。

――金丸さんと金子さんは、ライバル冒険家役。2人で掛け合うことが多いそうですが、金丸さんは金子さんの毎回変わる芝居に応えるのは大変ではないですか?

金丸:まったく大変ではありません。それがヨーロッパ企画のエチュードの醍醐味ですからね。金子さんはエチュードの経験が少ないと言っていましたが、そうとは思えません。めちゃめちゃ面白い! エチュード慣れしているメンバーが毎回笑っているので、自分も負けてられないなと思わされます。

上田:毎回同じパターンだと、メンバーが笑わなくなるんだよね(笑)。

金丸:そうなんですよ! 誰も笑わないとやっぱりショックなので、笑いがほしくて頑張っています(笑)。

金子:僕としては、金丸さんが困れば困るほど面白くなるというのがわかってきたので(笑)。金丸さんをもっと困らせられるように頑張ります!

金丸:僕が困っていると楽しそうな表情をするなと思っていました(笑)。

――エチュードの様子を聞いているだけでも、2人の関係性が役にマッチしていると感じます。上田さんは、なぜ金子さんを金丸さんのライバル役にキャスティングしたのでしょうか?

上田:金丸さんを基準に物語を考えていくと、この主人公に強力なライバルが必要だと思いました。それまで金子さんとお会いしたことはなかったですが、以前に僕が脚本を書いたドラマ『魔法のリノベ』に出てくださっていたことを思い出し、そこで演じてもらった役が、僕の思い描いていたものを「凌駕した」と言っていいくらいのレベルで面白く仕上げてくれいたんです。それで今回、出演オファーをさせてもらいました。

金子:うわ、うれしすぎる……!

上田:ヨーロッパ企画のコメディには、だいたいシチュエーションに翻弄されるキャラクターが登場します。今回は金子くんの役がそうなるかと思っていたら、エチュードを膨らませた結果、そうならなくて。またまた僕の構想を凌駕する芝居を見せてくれて、お呼びして本当に良かった! ただそのせいで、金丸さんの役をもっと勇ましくさせるはずが、そうじゃない方向に(笑)。しかし、それが面白いバランスを生んでいて、物語としても当初のイメージ以上のものになっています。

――呉城久美さんもゲストとして出演しますが、キャスティングの理由は?

上田:呉城さんはヨーロッパ企画の別ユニット「イエティ」の劇に2回ほど出てくださっていますが、存在感がすごくて。僕の勝手なイメージなのですが、金丸さんは普段の延長の姿で舞台に立つ一方、呉城さんは普段の様子からは想像できない姿で舞台に立たれる印象があります。その対象的な2人がステージに揃い立つのが面白そうだと思いました。

――音楽を担当される王舟さんも、ヨーロッパ企画の舞台に参加するのは初めてですが、ドラマでは何度かご一緒されていますね。

上田:王舟さんは、音楽におけるファッションコードのようなものを自在に操ることができる方です。どれを聞いてもまったく違った印象を受ける音楽を作られていて、今回の舞台に求めているエキゾチックな世界観も表現してもらえるのではないかと思いました。「今作のCM用にデモをいただけませんか?」とお願いしてみたところ、なんとパターンの違う楽曲が7曲も送られてきて……! 王舟さんも僕のイメージを凌駕して、作品世界を広げてくださる方でしたね。

――“冒険”をテーマにしているということで、3人が今後やってみたいこと/行ってみたい場所などをうかがえますか?

金丸:僕はもう、地理的な冒険はお腹いっぱいです。向こう10~20年は旅行も行かなくていいくらい(笑)。挑戦という意味では、もう10年以上も関わっているヨーロッパ企画の皆さんに「こいつにまだこんな引き出しがあったとは!?」と驚いてほしいですね。せっかく入団させてもらえたので、ヨーロッパ企画の新たな可能性になれるように頑張ります!

上田:最初の人から抽象的な話が出ちゃったな~(笑)。

金子:ごめんなさい、僕も抽象的なことになっちゃいます(笑)。僕は、アウェイな現場を冒険したいですね。この仕事をしていると、よく「アウェイって面白いな」と思うんです。もちろん悲しいし切ない気持ちにもなるのですが、それが踏み台になって、良い芝居になったりするんですよね。いつか、言葉の通じない国でエチュードをやらされてみたい(笑)。自ら進んで挑戦するのではなく、“やらされる”というのが大事。そのアウェイ感を常に感じて、成長していきたいです。

上田:僕はもともと地理的な冒険はしないのですが、“読書の冒険”はよくします。自分ではない人の書いた言葉を辿って歩く作業って、かなり負荷がかかりますよね。ただ、自分の中にはない“その人の世界”に連れて行ってもらえているようで、大いなる旅に出ている気分になります。

――本作は過去最多の全14都市を回ります。公演を楽しみにしている全国の方々へ、メッセージをお願いします。

金子:歴史あるヨーロッパ企画の舞台に参加できること、劇団の皆さんと一緒に芝居ができることは、大変光栄なことだと思っています。こんな長い期間に上演される舞台に出演するのは初めてで、僕にとってターニングポイントとなる作品になるのではないでしょうか。思い残すことがないくらいの芝居をぶつけて、発散しようと思っています。そんな僕の全力を、来てくださる皆さんにぜひ楽しんでほしいです。

金丸:まったく守りに入っていない、オルタナティブで攻めの姿勢の新作公演をお届けできると思っています。脳をガツンと殴られたような感覚になりたい人、大笑いしてスカッとしたい人はぜひ観に来てください!

上田:日々脚本を書いていると「これはもうダメだ」という気持ちと「最高傑作だ!」という気持ちが交互に訪れます。「超面白いネタを思いついた!」と思ってメモしても、次の日には「なんだこれ」となることが多いのですが(笑)……今作は、その「もうダメだ」や「なんだこれ」の気持ちになっていないんですよね。観に来てくださる方には、おそらく傑作を見せられるのではないかと思っています。期待していてください。

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