財津和夫、ビートルズを想う時は観客席からではなく舞台袖から見ている感覚になってしまう
TULIP・財津和夫が、時にはポールとジョンの違いを評論するRKBラジオ『財津和夫 虹の向こう側』。5月31日の放送では、「歳を重ねてきた」世代の呼び方や過ごし方についての新提案や、ポール・マッカートニーとジョン・レノンの相違点について持論を展開します。
もうろうランド? いえ、トゥモローランドです
以前の放送で話題にした、歳を重ねてきた方の呼び名についてご提案のお便りを頂戴しました。
財津「『60歳・70歳はシルバー世代。80歳・90歳以上は、ゴールド世代』。いかがですか」
下田「いいと思います」
財津「簡単に答えましたね」
下田「で、100歳をプラチナとしたり。プラチナいいんじゃない?」
財津「ほう、シルバーの上にプラチナを」
下田「シルバーからゴールドからプラチナ」
財津「あ、ゴールドの上にプラチナ。その上は?」
下田「もう天上、天国」
財津「天国はまずいでしょう。生きている人への呼称ですから」
下田「あぁそうですね、天使」
財津「天使? 天使も、地上の人じゃないですから」
下田「そうですね。うん」
財津「まあ『これ以上はいらないか』、みたいな」
下田「そう、100歳以上プラチナ世代ですかね。まあゴールドの価格も上がってますけど」
財津「なんでその話になるの?」
下田「いやいや、高いなと思って」
財津「『シルバー世代』って、もう結構長く使われましたでしょう。だから、シルバーもやめましょう。全く新しい言葉がいい…ちょっと今、思いつきませんけど」
財津「もう一つ言いたいことは、ディズニーランドって、若者が多いじゃないですか。老人が行くと疲れるんですよ」
下田「あー、疲れますね」
財津「だから、音(言葉の響き)はあんまり良くないですけど、『アダルトランド』。健全な意味での、大人のためのっていうか、老人のための」
下田「シニアが楽しめる夢の国」
財津「(そこに)行って、『ああー、なんか楽しいなぁ』。こんな広い明るい感じの健康的なところに来て、子供たちが走ったり、若者がイエーイとか言ったりしないで」
下田「うんうん」
財津「静かに、ええ。『トゥモローランド』」
下田「トゥモローランド(笑)」
財津「作ってもらって、『明日へ行こう』、みたいな」
下田「そうね、じゃあ天国に近いランド」
財津「だって、団塊の世代ってこんなに老人がいるのに、手当てしてもらってないもん。商売のために、団塊の世代はいっぱい人がいるから儲けようっていう、そういう根性しかみんな持たないじゃない。じゃなくて、老人を助けよう。本当に作りましょう、みんなで」
下田「作りましょう」
財津「ええ、あの、どこが作ってくれるかな?」
下田「いや、財津さん作ってください、《財津最後の、全部の私財》を投じて」
財津「無理に決まっているじゃない」
下田「『財津ランド』を」
財津「国がやっぱり作んなきゃ」
アバンギャルドとコンサバティブ
「ポール・マッカートニーの1日限定上映のドキュメンタリー映画、『マン・オン・ザ・ラン』を見ました」というお便りを頂戴しました。
財津「2月の19日だったんですね…『財津さんは観ましたか』ってことなんですけど、僕、見てないんですよ。ファン心理はもの凄くあるんですけど」
下田「うん」
財津「僕、自分で、ポールとかビートルズがやってきたことを、模倣しながらやってきたじゃないですか。だから、《客席にいる自分》じゃないんですよね。どうしても、ビートルズが演奏していた舞台袖から観ている感じなんですよ。なので、真っ直ぐ受け止められない。だんだん老いていくポールを見るのもちょっと辛い感じがするし、舞台裏もなんとなく私なりに分かるような気もするし」
下田「ああー」
財津「だからこの『マン・オン・ザ・ラン』を見なくても、分かっちゃってる気になってます」
下田「うーん、そうでしょうね」
財津「なので『あ、やっぱりそうか』みたいな感じになりたくないんですよ。なんか変な言い方しましたけど、見てないっていうことを言いたかったんです」
下田「うん」
お便りの続きにもあるのですが、映画にはポールの曲『マーサ・マイ・ディア』の映像が出てくるとの事です。
財津「この、僕も大好きな、『マーサ・マイ・ディア』。これ、今回のツアーでもやろうとしたんです。リハーサルギリギリまで、やるつもりだったんですけど、『はー、やっぱりやめよう』って思っちゃったのは何故かな…」
下田「何故かな?」
財津「いや、もう本当に歌いたいぐらい好きなんです。いい曲なんですよ。このマーサっていうのがね、『ポールと戯れる光景』って(お便りに)書いてありますけど、これワンちゃんなんです…実際に自分(ポール・マッカートニー)が飼っていた犬の歌なんです」
財津「いいですねー。ポールってこういう歌を作る事が多いですね。自分が歳をとったらどうなるだろう、と64歳の『When I'm Sixty-Four(ホエン・アイム・シックスティ・フォー)』を作ったりしました。ジョン・レノンとは本当に対極的な感じでね。ジョン・レノンは、ポールのそういう《普通の人》みたいな感じのところを、あんまり良しとしなかったんですよ。もっと前衛的なアートを作っていくことが自分の使命だと思っていたし、社会に向かってぶつかっていく事に、どこか使命感を持っているようなところがあります」
下田「うーん」
財津「でも、まあ40歳ぐらいで死んでしまったんで。その後(もしも生きていたとしたら)どうなったか分かんないんですけど」
下田「そうですね」
財津「やっぱりジョン・レノンのあの死は、ジョン・レノンらしいところで寿命を終えて…まあ、死を悼む気持ちを横に置いて言わせてもらうと、アーティストとしてそれで良かったのかな、と思いますね」
下田「そうですね、ええ」
財津「ポールはやっぱり予想した通り、長生きしています」
下田「ええ、ええ」
財津「そして、普通の人の気持ちの中から、優しさとか、人間として生まれてきて良かったね、みたいなところを救い上げながら歌にして作っているんで、それはそれでポールらしくていいなと思いますね」
今日の一曲は、ビートルズ『マーサ・マイ・ディア』。
ふたりの会話でも取り上げたとおり、ポール・マッカートニーの愛犬マーサの歌です。ポールがマーサと出会ってから2年後の1968年に発表されています。
次回6月7日の放送は、通常通り18時15分(午後6時15分)からの予定です。
「2度ある事は3度ある」についてお話します。
- 財津和夫 虹の向こう側
- 放送局:RKBラジオ
- 放送日時:毎週日曜 18時15分~18時30分
- 出演者:財津和夫、下田文代
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番組ホームページ
※放送情報は変更となる場合があります。
