全国で相次ぐ音楽ホールの休館「ホール難民」問題と芸術格差の危機

全国的に音楽ホールが足りていないという問題が深刻になっています。特に、オペラやバレエ、大規模なオーケストラによるコンサートなどを上演できる2000人規模のホールが大規模な改修工事によって使えなくなり、「ホール難民」という言葉が音楽団体や音楽家、ファンの間で交わされているそうです。このホール不足の問題について、6月12日放送のRKBラジオ『立川生志 金サイト』に出演した、ジャーナリストで毎日新聞出版の山本修司社長がコメントしました。

一斉に訪れた老朽化と「ホールの2026年問題」

いきなり私ごとで恐縮ですが、私は大学時代にグリークラブに入っており、今も上智大学グリークラブOB合唱団の一員として男声合唱を続けています。今年4月には、西南学院大学グリークラブ、関西学院大学グリークラブ、そして我が上智大学グリークラブとキリスト教系3団体のOBでジョイントコンサートを開きました。東京の杉並公会堂というホールだったのですが、いま、首都圏ではホール不足が深刻になっていて、ホールを取るのが大変だったのです。

これは全国的な問題で、主な原因は、高度経済成長期に建てられた施設が老朽化して、一斉に休館や建て替えが行われていることです。演奏しようにもホールがない「ホール難民」とか、今年が特に深刻だということで「ホールの2026年問題」などという言葉もあるほどです。

福岡では昨年3月に、福岡市民会館の後継として福岡市民ホールがオープンしましたが、これは、オペラやバレエなど幅広い演目に対応可能な設備を備えた、約2000人を収容できる大ホールなどがあり、素晴らしい施設のようですね。私は行ったことがないのですが、先日一緒に歌った西南のOBが「東京の施設にも負けんよ」とか言って威張っていました。大ホールはどの席からも舞台が見えやすいような構造になっているなど、工夫もなされているとのことで、一度行ってみたいと思っています。

それでもいいことばかりではなく、約2000席あった北九州ソレイユホール(旧・九州厚生年金会館)が昨年4月から大規模改修に向けて長期休館に入っていますし、ちょっと先で音楽ホールではありませんが、九州最大の劇場である博多座が2029年から1年4カ月にわたって休館することになっています。

首都圏の大型ホール休館と地方ホールの現実

日本で開かれる公演の3割~4割が集中するとされている首都圏では、クラシック音楽の殿堂といわれる上野の東京文化会館が、大規模改修のため5月から何と3年間にわたって休館します。オペラやバレエも上演可能な神奈川県民ホールも昨年3月から既に休館しており、渋谷のオーチャードホールは来年1月4日から、首都圏以外でも滋賀県立芸術劇場が7月から休館に入ります。

オペラやバレエの上演には、オーケストラピットという、舞台と客席の間にある一段低くなったオーケストラの演奏スペースや、ステージの大規模な転換をするための広い舞台裏が必要で、背景を吊り下げるために天井も高くなくてはなりません。首都圏にこうした大がかりな舞台装置を持つホールが東京文化会館など二つで、これが完全になくなっている状況です。

こうした大規模なホールに限らず、地方で市民会館とか文化会館などと名付けられているホールが同じような状況になっています。これらは1960~80年代に集中的に整備されたもので、一斉に耐震性不足や老朽化が進んでいます。2年前に文部科学省が調査をしているのですが、その時点で国内には劇場・ホールは1800施設あって、その前の21年に実施した調査と比べて32施設減少して、施設の約15%は築50年以上、53%は築30~50年でした。それから時が経過していますので、事態はより深刻になっていると思われます。

こうしたホールは自治体が運営していることがほとんどですが、多くの自治体は老朽化する上下水道や道路の改修、少子高齢化による税収の落ち込みなどで財政難に悩んでいます。地方のホールは一般的に収益力が弱く、自治体にしてみれば、市民の命や生活にかかわる問題を優先させ、ホールの改修どころか閉館してしまうことも少なくありません。人口が増加し財政が安定した福岡のようなケースがまれともいえます。

マスタープランの不在と広がる「芸術格差」

私は、例えば首都圏では、東京文化会館と神奈川県民ホールが同時に休館になっていることが大きな問題だと思っています。欧米を中心とした文化都市では、公共のホールと民間の楽団や財団が施設の長期的な目標や全体像(マスタープランと呼ばれます)を共有して、改修時期を分散したり、代替施設を確保したりするような文化が根付いています。

あるホールが改修する場合、別のホールは改修時期が重ならないようにし、またホールを改修する際には、その代替となるホールを準備するということです。ですから、日本のこの事態は劇場文化の貧しさを表しているという厳しい指摘もあります。

首都圏以外では何が起こっているかといいますと、先ほど紹介した福岡市民ホールのような主要都市の最先端のホール、改修で長期的に使えなくなるようなホール、閉館していくホールという、三極化が進んでいると私は分析しています。

こうした問題を放置すると大きな事態に発展します。一つは海外の有名なオペラやバレエの団体が日本に来てくれなくなるという問題。それから、芸術に触れる機会の格差が広がってしまうという問題です。九州では、福岡ではオペラが観られるのに、他の地方都市では観られない、国際的にはドイツやイタリアでは観られるのに、東京では観られないということになりかねません。これは特に、これからさまざまなことを学び、成長していく子供たちにとって、ゆゆしきことです。

これからもまだまだ、ホールの改修や建て替えが進んでいきます。今日お話ししたような問題に発展しないように、海外のようにホールや自治体、民間がマスタープランを共有して、芸術に接する格差を生まないようにしてほしいと思います。最終的には資金が問題になりますので、国や大企業が関わっていく問題ではないかと私は考えています。

◎山本修司(やまもと・しゅうじ)
1962年大分県別府市出身。86年に毎日新聞入社。東京本社社会部長・西部本社編集局長を経て、19年にはオリンピック・パラリンピック室長に就任。22年から西部本社代表、24年から毎日新聞出版・代表取締役社長。

立川生志 金サイト
放送局:RKBラジオ
放送日時:毎週金曜 6時30分~10時00分
出演者:立川生志、田中みずき、山本修司
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※放送情報は変更となる場合があります。

政府はあくまで「ナフサは足りている」と主張

6月11日の「大竹まこと ゴールデンラジオ」(文化放送)では、中東情勢によるナフサ不足の現状について取り上げた。

番組ではまず東京新聞の記事を中心に、ナフサにまつわる最新状況を解説。

砂山アナ「9日にも赤澤経済産業大臣は、全体で必要な量は確保できてると言ってるんですが、現場ではちょっと違う声が出てるんですね」
大竹まこと「いずれにしても、目詰まりとかそんなんじゃなくて『元が足りないんだからこうなってるんだ』と、理論的にはそうだよね」

そもそも「目詰まり」とは、流通経路の途中で流れが止まり、必要な現場に届かない状態のこと。
番組で紹介した記事には、政府関係者の「総理がナフサはあると言う以上、不足を前提とした議論はできない」という声も掲載されている。

大竹「政府があるって言ったらそうなるよね……だけど企業物価は直撃して、5月は6.3%上がっちゃってると。作るのに余分にこれだけお金がかかるってことになったら、無いものは高くなるさって普通は思うんだけどね」
青木理「物価も上がっていきますよね」

それでも赤澤経済産業大臣は、あくまでナフサの全体量は足りていると主張。不足とは認識の間違いだと言う。

青木「それなら高市さんがきちんと記者会見をして、耳の痛いことを色々聞かれるかもしれないけど、ちゃんとデータを示しながら一問一答で『足りてるんです』ってメッセージを発信するべきなんじゃないですかね」

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