松重豊演じる「謎の声」の正体は?博多が舞台の朗読劇、後半へ

RKB創立70周年記念として、月~金の午後2時25分から放送している連続ラジオ朗読劇『博多さっぱそうらん記』。福岡在住の作家・三崎亜記の新作SF小説を、加隈亜衣、松重豊ほか福岡出身の声優・俳優、RKBアナウンサーたちが博多弁を駆使しながら演じている。

生粋の博多っ子・福町かなめ(加隈亜衣)は、高校の同級生だった綱木博(佐藤巧)と8年ぶりに再会する。2人は博多の裏の「羽片世界(はかたせかい)」に迷い込む。そこでは、市の名前を「博多市」にしたかった勢力=カタハネと、博多市の怨念を正のエネルギーに昇華して町を守っている勢力=ハンの者とが争っていた。この争いは現実世界にも影響を及ぼし、2016年には博多駅前で大規模な陥没事故を引き起こしていた---。

加隈亜衣

櫛田神社や東長寺、川端通り商店街、博多リバレインなどのスポット、博多祇園山笠、博多どんたく、玉せせりといった祭りやイベント、また深夜のごみ収集や三社参りという、博多ならではの文化や風習という「博多あるある」が物語の随所に織り込まれている。さらに、現在放送中の第三話では「博多市実現運動」のシンボルである黄色いマスクを着用した人々が街にあふれ、混乱を避けるために市長が緊急事態宣言を出して、公園での花見を禁止する、という新型コロナ禍を想起させるような場面が登場する。

物語の重要な要素である旧博多驛の公園

半年間の放送は7月から後半に突入。これまで、重要な場面でかなめたちの耳だけに聞こえていた「謎の声」の主(松重豊)が、ついに目の前に姿を現す。博多市の怨念によって、さっぱそうらん=大騒乱に陥った博多どんたくのパレードを収束させることはできるのか?さらに、第四話では誰もが知っている、博多を代表する芸能人も重要な役どころで登場する。

松重豊
博多さっぱそうらん記
放送局:RKBラジオ
放送日時:毎週月曜~金曜 14時25分~14時32分
出演者:加隈亜衣、松重豊、坂田周大、佐藤巧、下田文代
番組ホームページ

※放送情報は変更となる場合があります。

気づかれにくい「ロービジョン」。「お困りですか?」より答えやすい聞き方がある?

3月29日「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」(文化放送)、新体制3日目は哲学研究者の永井玲衣、ノンフィクションライターの石戸諭、西川あやのの3人でお届け。特集コーナーのテーマは「ロービジョン」だった。

西川あやの「視界にモヤがかかったような状態、見える範囲が狭い……。まったく見えないわけではないけど日常生活に不自由な視覚障害があるロービジョン。現在日本では140万人ほどの人がロービジョン者と言われています。しかし外見からはわかりづらく、会社に報告すると職を失うかもしれない、と声を上げられない人も少なくないそうなんです」

永井玲衣「うん」

西川「きょうは自身もロービジョンである、文化放送の白石仁司プロデューサーにお話を聞きながら、私たちにできることを考えてまいります。白石さんは1991年、私と永井さんが生まれた年の入社で、大先輩なんです。私もすごくお世話になっています! ロービジョンであることを会社に伝えたのは最近なんですか?」

白石仁司「自分でロービジョンに入ったと思ったのが去年、ちょうど1年ぐらい前なんです。ただ、もともとすごく目は悪かったので、かなり前から会社には、目の病気であることは明かしていました。去年から日常生活、勤務にも支障が出てくるようになったので、そのタイミングで会社にも伝えました」

西川「ロービジョンについて伺いたいんですが、昔は『弱視』と呼ばれていた人たちのことなんですか?」

白石「まったくイコールではないと思うんですね。いろいろと定義があるので僕の口からハッキリとはお伝えしづらいんですが……。弱視という言葉があまり使われなくなって、それも含めてロービジョンという言い方がされているようです」

白石さんは自身の症状や、ロービジョンに伴うエピソードも詳しく語った。階段は端が黄色くマークされ、手すりがあることも手伝って「意外とわかりやすい」という。その一方、飲食店でQRコードを読み込む注文がしづらいなど、日常で苦労は多い。人から気づかれにくいことも悩みの要因であるようだ。

西川「周りが気づけないというのが怖いですね。周りの人ができることってあるんですか?」

白石「難しいと思うので、こちらから言っていくしかない。きょう(3月29日)特番もやるんですけど、そういう人がいるとわかってもらえれば。困っていそうな人を見て『もしかしてそうなんじゃないか』とよぎってもらえると、少しずつ変わるのかなって」

永井「人それぞれなんだ、というのが大事だと思っていて。こちら側も少し知識をつけたとき、こういう人はこうなんだ、みたいに気をつけて、変にマニュアル化してしまうとニーズとズレてしまうんだな、と」

白石「まさにそれで。『わかるよ』『俺もそうだ』となるんじゃなくて、『わかりたい』と思っていただくことがいちばんです。これは目に限らずですが」

永井「『お困りですか?』という声かけが、お話をしやすいですか?」

白石「人それぞれだと思いますけど……。よく障害者の方が言われるのが、人間、『お困りですか?』と聞かれると『大丈夫です』と答えてしまう。だからもっと具体的に、外れてもいいので『道どっちですか?』と。それなら『道じゃなくてランチするところを探しているんです』と言える。より具体的に聞いてもらえると答えやすい、というのは、取材する中でいろんな方が言っています」

石戸諭「それはいいヒントですね!」

白石さんがプロデューサーを務める特番「知っていますか?ロービジョン~0と1の間 Vol.2」は3月29日、午後7時から放送。そちらもぜひチェックしてほしい。

Facebook

ページトップへ