デジタル庁で私たちの暮らしはどう変わる?

9月1日、菅首相肝いりの政策である「デジタル庁」が新設された。縦割り行政の打破と国民の利便性を高めるという狙いだ。そのデジタル庁発足で、行政サービスはどう変わるのか?RKBラジオ『櫻井浩二インサイト』で毎日新聞論説委員の元村有希子さんが解説した。

毎日新聞論説委員・元村有希子さん

櫻井浩二アナウンサー(以下、櫻井):デジタル庁新設で私たちの暮らしは便利になるんでしょうか?

元村有希子さん(以下、元村):どうせ作ったんだから、便利にしてほしいですよね。日本は「失われた20年」と言われています。実は約20年前に森喜朗さんが首相だった時代、一応「IT革命」を立ち上げました。ところが、うまくいっていない。それは、省庁がバラバラにやってきたことが原因とされています。実は新型コロナ感染拡大によってわかってきたこともあるんです。

櫻井:というと?

元村:たとえば、感染者が発生したときに、病院と保健所を結ぶ連絡手段がFAXだったことには驚かされました。また、感染者と自分が接触したかどうかが分かるアプリ「COCOA」も利用者から使いづらいという声が上がり、挙句の果てには4か月も5か月も故障しているのに放置されていました。さらに、昨年夏に受け取った10万円の特別定額給付金は、デジタル化が進んでいないため手続きに時間がかかりました。あと、新型コロナワクチンに関しても、今どの種類のワクチンがどれくらいどこの自治体に流通しているのか、誰がどれだけ打ったかという情報も全部バラバラなんです。ほかにも、複数の省庁がオンライン会議をしなければならないのに、使用するアプリケーションの違いで会議ができないなどの問題も発生しています。こういった理由もあり、司令塔となるデジタル庁が新設されました。

櫻井:具体的に変わることは何ですか?

元村:大きく2つあります。まず省庁に関しては、統一する規格にすることでいろんなことが便利になるのではないかと思います。次に費用です。今まではシステムの導入について各省庁がバラバラに民間の会社に発注していたものを、デジタル庁が一括してやるとスケールメリットが出て値引き交渉もできるようになります。これにより、私たちが納めている税金の無駄が省けます。地方に関しては、デジタル化が進んでいる・進んでいないの差があります。たとえば、私が福岡から東京に引っ越すとき、様々な手続きを踏むことになります。まず、福岡市に転出届を出し、東京に転入届を出します。さらにガスや水道などへの届け出もあります。運転免許書も変更を提出し…とにかくやることが多いんです。行政の手続きに関しては、1回届け出を出したら全部済むようにしようということなんです。住民票や戸籍の証明なども自分の住んでいるところでできるようになります。それらが実現すればかなり便利になるはずです。

櫻井:課題はどんな点ですか?

元村:まずは私たちが割り当てられた「マイナンバー」が活用できるか、これは大きなカギです。今、マイナンバーカードの普及率は35%程ですが、これを100%にしないとメリットは実現しません。まだ私たちはこのマイナンバーが不正に使われたり、個人情報が流出したりするのではないかといった不安があります。

櫻井:個人情報の流出が怖いと思っている人は確かに多いと思います。

元村:行政が信頼されないことには始まりません。自分の情報がどこでどんなふうに使われているのか、自分で調べられる仕組みを行政が用意すべきです。それに加えて情報提供に関しても自分が選べる仕組みも必要です。それがあるだけで心配は減ると思います。実際にヨーロッパなどはこのようなやり方を取り入れてデジタル化を進めており、透明性を高めています。日本にも政府に独立して、情報が適切に管理されているかを監視する「個人情報保護委員会」という組織がありますが、とても弱くて、人でも足りなければ予算もない状況です。この組織を増強して、私たち国民がちゃんと自分の情報を管理できる環境が整えられているかを監視してほしいと思います。もう一つは、デジタル庁に200人ほど民間企業出身のプロを雇っていますが、給料や環境が悪いと、せっかく集めたプロが辞めてしまいます。彼らがしっかりモチベーションと使命感を持って仕事できる環境を整えるかが大変重要です。

「誰一人取り残さない、人にやさしいデジタル化」の実現なるか。私たちもしっかり監視する必要があるようだ。

櫻井浩二インサイト
放送局:RKBラジオ
放送日時:毎週月曜~木曜 6時30分~9時00分
出演者:櫻井浩二、田中みずき、元村有希子
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※放送情報は変更となる場合があります。

INI髙塚大夢「ゆっくりでいい」環境の変化が不安な10代に贈るぴったりな曲

11人組グローバルボーイズグループ・INIの髙塚大夢がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「SCHOOL OF LOCK! INI LOCKS!」。4月18日(木)の放送では新しい環境に悩むリスナーのメッセージを紹介し、アドバイスと背中を押す1曲を届けました。



髙塚:今夜は、生徒(リスナー)の悩みを聞いて、僕が曲を届ける『夢の応援プレイリスト』の授業をやっていきたいと思います!

◆リスナーのメッセージ

大夢先生、こんばんは。初めてメッセージを送ります。私が通っている学校は、少し特殊で中1から高1までクラス替えがありません。4年間全く同じメンバーで過ごします。

私は今までのクラスメイトが大好きなのですが、4月で高2になるのでついにクラス替えがあります。環境の変化が苦手なので、4年も過ごした仲間と離れて突然新しいクラスになることが不安で仕方がありません。大夢先生は、大きな環境の変化があったとき、どんなふうに乗りきっていますか?(16歳)

――大きな環境の変化があったときは……?

髙塚:こういう学校あるよね、何回か話を聞いたことあるけど……。僕の学校は1年で変わったけど、どっちにも良いところはあるし、悩みもあるし……だよね。

大きな環境の変化があったときは……でも僕自身は、そこまで嫌ではないですね。常に、変化を求めている人間なので(笑)。そういう刺激になるというか、新しい環境に自分の身を置くのはすごい好きだとは思いますね。ただ、めちゃくちゃ悩む人間ではありますね。好きだけど、悩みながらもっていう感じですかね。

(環境の変化が)苦手ではあるかもしれないけど、きっと友達と仲良く楽しいことするのは好きだと思うから。ゆっくりでいいから、その環境で少しずつ気の合う友達を作って、仲良くなれたらいいね。きっとそのクラスも長く続くと思うから、めちゃくちゃいい思い出が残ると思うよ。新しいスタートを楽しんでください!

――このリスナーへの応援曲は、大橋卓弥「はじまりの歌」

髙塚:では、僕から1曲届けたいと思います! 新しい生活に慣れないながらも、気を張りすぎずにリラックスして今日も1日頑張ろう! っていう曲ですね。すごくぴったりだと思って選びました!

『いつも通る道を少し胸を張って 歩くだけ それだけで 景色が違って見えたんだ』っていう歌詞があるんだけど、これがすごくいいなって思って。初めはいろいろ不安なことはあるかもしれないけど、「今日はあの子にちょっと一言話しかけてみよう」みたいな、ちょっとプラスな気持ちを持って学校に行くだけでも、すごく気分が変わるのかなって思います。ぜひ、少しチャレンジをしてみてください!



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4月18日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2024年4月26日(金)AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。

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<番組概要>
番組名:SCHOOL OF LOCK!
パーソナリティ:こもり校長(小森隼・GENERATIONS from EXILE TRIBE)、COCO教頭(CRAZY COCO)
放送日時:月曜~木曜 22:00~23:55/金曜 22:00~22:55
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/lock/

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