テックネイティブは「パソコンが使いこなせる」という誤解

きょうから12月、そろそろ来年の手帳が会社で配られたり、自分で用意したりする頃だ。一方、スケジュールは手帳ではなく、スマホなどで管理している人も増えてきている。世代によって、テクノロジーとの向き合い方はさまざま。元サンデー毎日編集長・潟永秀一郎さんは、企業広報向けに発行している「PR手帳」(市販品の商品名は「広報マスコミハンドブック」)の編集に携わっていたときに知った「テックネイティブ」と呼ばれる世代論について、レギュラー出演しているRKBラジオ『櫻井浩二インサイト』で解説した。

元サンデー毎日編集長・潟永秀一郎

「テックネイティブ」に対する中高年世代の“誤解”

「PR手帳」の中で、博報堂DYメディアパートナーズの森永真弓さんが解説している世代論に「テックネイティブ」というワードが出てきます。あまり聞きなじみがないかもしれませんが、「スマホネイティブ」とか「デジタルネイティブ」とほぼ同義。物心ついた時から身近にスマホとネット環境があって、それが当たり前で育った世代で、だいたい25歳以下を指します。「SNSネイティブ」とも言われていて、LINEやインスタグラム、ツイッターなどのコミュニケーションツールが当たり前の世代でもあります。

この「PR手帳」には、テック世代と非テック世代、つまり若者と中高年世代の対照表があります。たとえばデジタル端末として、テック世代はメインがスマホで、パソコンは授業や仕事などで使わなければならないときの“専用用途”です。対して非テック世代、特に男性のメインはパソコンで、スマホやタブレットは、持ち運びできる“サブ端末”です。そこで、中高年はテック世代に対するある誤解が生じています。何かというと、中高年でスマホを自在に使いこなせる人は、大抵パソコンにも詳しいので、若者もそうだと思うこと、つまり、若者はパソコンも使いこなせるはずだというものです。実は「就職して初めてパソコンを持った」という人は少なくなく、10代だと「スマホは使えるけど、パソコンはさっぱり」という人が結構います。ネットにつなぐだけならスマホで事足りるので、こういう人はこれからどんどん増えていきます。ここから中高年は何を学ぶかというと、既にインターネットの入り口はスマホが前提だということです。実際、毎日新聞のニュースサイトに接続する人も、数年前にパソコンとスマホが逆転してから、その差は開く一方です。ですから企業のホームページや通販サイトなども、スマホでどう見えるか=これをスマホ適性と言いますが、これが大事になっています。「そんなの当たり前だろう」と言われそうですが、企業の経営層の多くはパソコン世代なので、若手社員がそう言っても、なかなか変わらないケースも多いのです。

環境のある・なしで考えや行動も変わる

そして、森永さんの解説で私が何より「目からウロコ」だったのが、「テック世代は、スマホやネット環境が『ある』という前提で、考えたり行動したりする」ということでした。スマホを電卓に置き換えて考えると分かりやすいです。数学の試験が「手計算」か「電卓持ち込み可」で、勉強の仕方は変わりますよね。それと一緒で、連絡方法やコミュニケーション、情報収集や記録の仕方など、スマホやネット環境が有る前提で考えるのが、テックネイティブ世代です。例えば、待ち合わせで場所や時間をきっちり決めないなんて、私たち世代ではありえませんが、彼らは当日スマホで連絡を取る前提だから、結構アバウトです。「5時ごろ渋谷ね」で、後は駅に着いてから「どこにいる?」「まだ新宿だから、どっか店に入っといて」といった具合だそうです。

世代によって違う“強い”、“知っている”の意味

ちなみに、ツイッターやインスタグラムなどのSNSに“強い”という意味も世代によって違います。私たち世代は「使いこなせる」ことを“強い”と言いますが、テック世代では「コミュニケーションの輪の中心にいる」、つまり発信力が“強い”という意味で使うそうです。もっと驚いたのは“知っている”という概念です。私たち世代は「理解して記憶している」というのが“知っている”ですが、彼らは「検索可能である」ことも含むそうです。つまり、自分の頭の中に入っていなくても、「スマホでいつでも調べられることは、知っているのと同じ」という考え方です。ことほど左様に、「テックネイティブ」というのは、「テクノロジーがある前提で物事を考える世代」なんですね。それを「おかしい」とか「分からない」とか言っていても、これから社会の中心になっていくのは彼らですから、私たちメディアも含めて、少なくとも企業は、そこに対応できるかできないかが、未来を左右すると言っても過言ではありません。

テックネイティブに任せていても「絶対大丈夫」

でも、心配しなくて大丈夫です。どうすればいいか分からないなら、そこは彼ら世代に任せればいいし、少なくとも聞く耳を持って邪魔しなければ、対応できます。流行語にもなっている「ジャマおじ」「ジャマおば」にならなければいいだけです。だって、私たち中高年は、ウインドウズ95が出てからの激変の四半世紀を乗りきってきたじゃないですか。ワープロがパソコンになり、ポケベルが携帯になりスマホになり、20年前に誰が今みたいな、それこそ家からZOOMで会社の会議に出たり、外からスマホで会社に資料を贈ったりって想像しましたか?でも今は、それを当然の事として仕事をしていますよね。若いころは「新人類」と呼ばれ、それが今や旧人類になっても生き残っていますから(笑)。ヤクルトスワローズの高津臣吾監督じゃありませんが、「絶対大丈夫」です。

櫻井浩二インサイト
放送局:RKBラジオ
放送日時:毎週月曜~木曜 6時30分~9時00分
出演者:櫻井浩二、高橋早紀、潟永秀一郎
番組ホームページ
公式Twitter
公式Instagram

※放送情報は変更となる場合があります。

西川あやのがSPパーソナリティを担当! 「感謝を込めて…アーティスティックにお届けします」『ARTIST FCスペシャル いってきます!西川あやの』 4月24日(水)27時00分~放送


文化放送では、アナウンサー・西川あやのがSPパーソナリティを務めるラジオ番組『ARTIST FCスペシャル いってきます!西川あやの』を4月24日(水)27時00分から生放送することが決定した。
西川あやのが深夜の音楽番組で単独パーソナリティを務めるのは今回が初めてとなる。

このたび西川あやのが出演する『ARTIST FC』は、番組選りすぐりのアーティストにスポットライトを当て、その名曲をフルコーラスで送る深夜の音楽番組。

今回の放送では、EP『はなまる』をCDリリースするなど、ソロアーティストとしても活躍中の西川自らがセレクトした楽曲をお届けするほか、メッセージテーマ『ラジオで聴いて刺さったソング』と題して、リスナーから楽曲のリクエストを募集。

「自分の心情と歌詞が共鳴して胸に響いた」「たまたまつけたラジオで知らない名曲と出会えた」「パーソナリティのトークによって楽曲の魅力を再発見できた」など、リクエスト楽曲とともに寄せられたエピソードを紹介する。

番組出演を前に、西川あやのは以下のようにコメント。
「入社当時から憧れていた深夜帯のリクエストありの音楽生番組!
全ての夢を叶えてくれるリスナーの皆さまとこの放送局に感謝を込めて…アーティスティックにお届けします。あなたからのメッセージお待ちしています」

【番組概要】
■番組名: 『ARTIST FCスペシャル いってきます!西川あやの』
■放送時間: 4月24日(水)27時00分~28時44分 〔4月25日(木) 午前3時00分~4時44分〕 生放送
■出 演: 西川あやの
■メールアドレス: afc@joqr.net
■番組X: @artistfc_joqr  ※推奨ハッシュタグ: #ARTISTFC
■番組URL: https://www.joqr.co.jp/qr/program/artistfc/
■ネット局: ラジオ大阪

【西川あやの プロフィール】
学習院大学文学部を卒業。卒業論文を太宰治の『人間失格』をテーマに執筆し、以降も文学へ高い関心を寄せる。2015年から文化放送アナウンサーとして活躍。今年3月まで『西川あやのおいでよ!クリエイティ部』のパーソナリティとして出演。5月からはサンミュージックプロダクションに所属予定。

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