ブルース・ウィリス引退は“米国の病理”音楽プロデューサー松尾潔が指摘

音楽プロデューサー・松尾潔氏

『ダイ・ハード』シリーズで知られるハリウッドスターのブルース・ウィリスが先日、失語症のために俳優業を引退すると発表した。「その根底にはゴールデンラズベリー賞の“高齢者いじり体質”というアメリカの病理がある」と、RKBラジオ『田畑竜介 Grooooow Up』に出演した音楽プロデューサーの松尾潔氏が指摘した。

引退のきっかけはゴールデンラズベリー賞

ハリウッドスターのブルース・ウィリスが、67歳という若さで俳優業を引退というニュースは、僕みたいな50代や60代のファンにはショックが大きいのではないでしょうか。しかも、引退の理由が失語症というのも大きな衝撃です。

いわゆる高次脳機能障害のことで、言語の機能っていうのは、脳にあるとされていますが、、読み書きとか、話をすることに著しい障害が出てしまうことがあって、それを失語症と呼んでいるわけです。

ブルース・ウィリスは日本のテレビCMでは今でも現役のスターなので、まさかこういう状況にあったとは、っていう驚きがあったと思います。『ダイ・ハード』の印象が長く続いてタフガイ、とにかく腕っぷしが強くて頼りになるみたいなイメージで、長らく人気を博してきた方なんですが、実はこういう病状が進行していたと。

なぜこのタイミングでの発表になったかというと、先月末のアカデミー賞発表前日に、毎年アメリカで開かれる「ゴールデンラズベリー賞」なんですね。アカデミー賞が“最高の映画”を選ぶのに対し、ゴールデンラズベリー賞(ラジー賞)っていうのは“最低の映画”を選ぶものです。

例えば、メリル・ストリープがアカデミー賞の常連であるように、ラジー賞の常連みたいな人もいて、要するに「オスカーには無縁だけど、有名な人」を思い浮かべていただければいいと思うんですが、娯楽作品に特化して出演しているような俳優たちが割とそこでいじられるんです。ブルース・ウィリスもまさにその1人で、今年のラジー賞で、ブルース・ウィリス部門っていうのができたぐらいなんです。つまり、不名誉極まりない。

アメリカのショウビズは光も強いが影も濃い

これが「アメリカのショウビズって光も強いけど、影もめちゃくちゃ濃いな」っていうところです。ブルース・ウィリスは去年だけで映画に8本出ているんです。それ1つ1つを「ラジー賞の表彰をします」ということをやったわけですよ。そうしたら授賞式から数日経って、ブルース・ウィリスと、元妻のデミ・ムーアとの間に生まれた、歌手で女優のルーマー・ウィリスが公式声明として「父はセリフがうまく言えない失語症なんです」という衝撃の告白をしたんです。「父は俳優を引退します」って言ったんですね。

これはラジー賞という悪ふざけをしていた人たちにとっては、冷たい水をぱっとかけられたようなものです。ラジー賞側は、普段は辛辣なことを言ったりやったりしている団体なんですけども、慌てて「すいませんでした。ブルース・ウィリス部門撤回します」と。

存在感を放ったスターの引退が意味するもの

緊張感の中で生まれる恍惚と落胆っていうのがあって、そのはざまで、たとえばアカデミー賞の授賞式のウィル・スミスとクリス・ロックの事件も起きました。あのとき、ウィル・スミスのお連れ合いであるジェイダ・ピンケット・スミスのことを、プレゼンターのクリス・ロックが、「『G.I.ジェーン2』ができるなら、ジェイダ決まりだ」なみたいなこと言いましたけど、その『G.I.ジェーン』に主演していたのが、まさにブルース・ウィリスのかつての奥様であったデミ・ムーアってことを考えると、結局はああいうところでも、いじられるデミ・ムーア、その夫だったブルース・ウィリスは、アカデミー賞の前日に、ラジー賞でいじられていたと。

改めて、逆説的にブルース・ウィリスとデミ・ムーアっていう、かつてのこのスター夫婦が、アメリカの大衆、とりわけ肩のこらない娯楽を好む人たちにどれだけ存在感があるかっていう話ですよね。その人たちが一つの時代の節目を、そして人生の節目を迎えているっていうのが、50代の1人であり、映画ファンの1人である僕としては、たまらんなあという感情を今抱いています。

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田畑竜介 Grooooow Up
放送局:RKBラジオ
放送日時:毎週月曜~木曜 6時30分~9時00分
出演者:佐藤巧、辻満里奈
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菅井友香、振付家TAKAHIROと当時の思い出を語る!

サントリー生ビールpresents『菅井友香の#今日も推しとがんばりき』のゲストにダンサー・振付家のTAKAHIROが登場し、菅井と出会った時の印象からグループ最後の楽曲「その日まで」についてまで菅井との思い出を語った。

-TAKAHIRO「菅井さんは不器用なんです」-

菅井とTAKAHIROの出会いは2016年。欅坂46のデビュー曲「サイレントマジョリティー」の振り付けの時だったという。TAKAHIROは当時の菅井について、「菅井さんはいっぱい練習する子でした。いっぱい練習しましたね。『不協和音』の立ち方だけでとか、手の引っ張り方だけで、一時間ぐらいずっとやっていた」と当時のことを振り返った。

また、リスナーからの質問で菅井のグループ時代の最後の楽曲「その日まで」の振り付けにどんな意味を込めたのかについて問われたTAKAHIROは、「あの楽曲は全部が逆再生されるように作ってあったんですが、でも、過去のことだけではなく今の菅井さんが表現できることを大切に、前に進んでいけるように。菅井さんはいっぱい背負ってきましたので。だからそのリュックを一回置いて、ただただ走って風を感じられるように。そういう思いを込めて、振り付けをさせていただきました」と語った。

そんな「その日まで」はミュージックビデオの撮影中に釣りをしている人を待つために一時撮影が中断されることもあったという裏話も語ってくれた。

さらに、リスナーから菅井のパフォーマンスに関する裏話を聞かれたTAKAHIROは、「菅井さんは不器用なんです」と断言。しかし、その不器用さ故の長所があると語った。「不器用だけど、努力するという力を持っていた。感覚でみんながやれるところを努力で全部補おうとする。だから本当にその瞬間を任せたときに、ある程度までは要領のいい人が勝つんだけれども、そこから先の努力でもっと深めることができるから、ステージに立った時に誰よりも輝く瞬間がある」

菅井は、その様にやり遂げられたのはTAKAHIROの存在が大きかったと語り、「少年のような大人でずっと誰より近くにいてくださった」と当時TAKAHIROに感じていたことについて振り返った。

その他、「キミガイナイ」の振り付けについての話やTAKAHIROが櫻坂46の振り付けを考えるうえで一番大切にしていることなど、様々な話が語られた。そちらについては是非タイムフリーで

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