内閣支持率が急落!神戸解説委員「杉田水脈議員の政務官登用も悪印象」

神戸金史・RKB解説委員

内閣支持率の低下を各メディアが報じている。新型コロナ第7波への対応の遅れや、旧統一教会との根深い関係。内閣改造も、この状況を打開することはできなかった。RKBラジオ『田畑竜介 Grooooow Up』でコメンテーターを務める神戸金史解説委員は、今回の内閣改造で問題発言を繰り返している議員が重要ポストに就いたことも問題視した。

世論調査で見るべきは「トレンド」

きょう8月23日の産経新聞朝刊に、岸田内閣の支持率が出ていました。支持率は54.3%。過半数が支持という形でしょうか。1か月前より8.1ポイント下落しました。不支持率は9.4ポイント増えて40.3%。「54.3%」という数字を見て「多い」と思う方もいらっしゃるかもしれません。一方、きのうの毎日新聞。衝撃の「16ポイント急落 36%」という見出しが出ていました。けさの朝刊では詳しく解説していますが、自民党のベテランは、3割台に突入した支持率に「すごい下がり方だ、心臓が止まりそうだ」と語り、「これだけ旧統一教会問題で叩かれれば下がるのは当然だ」と報道に不満を漏らした、とも書かれていました。

産経と毎日で内閣支持率のパーセンテージが違うことで、よく「内閣を悪く見せたい」「よく見せたい」としているんじゃないかと言う人がいらっしゃるんです。確かに、産経が与党支持の傾向が強くて「54%」、毎日はちょっと批判的な要素が強い中での「36%」と、意図的に印象操作をしているんじゃないかとおっしゃる方がいらっしゃるんですが、パーセンテージが違うこと自体はほとんど意味がなくて、問題は「トレンド」なんです。

例えば「産経新聞の世論調査です」という電話がかかってきて、「受ける」という人もいれば「受けたくない」という人もいるかもしれません。毎日新聞も当然あるでしょう。若干、母数に全国民の平均から偏りが出る可能性があるわけです。「国民の54%が支持している」というのは正確ではありません。「36%しかいないじゃないか」というのも正確ではないんです。

問題は、産経の調査で8ポイント、毎日の調査で16ポイント下落した、このトレンドこそが問題です。新聞社の大調査というのは全国でやるため、かなりお金もかけている。知りたいのは、「世の中がどっちを向こうとしているのか」というトレンドなんです。だから、印象操作して数字を変えるということは、自分たちの首を絞めるだけなので、しません。

問題は、変化です。下落幅は違いますが、両方とも変化して下落しているのは間違いありません。新聞社の調査は非常にしっかりしています。「数が少ない」「1000人程度しかしてないじゃないか」と言う人もいますが、統計学上、ほぼ実際の数値との差は誤差の範囲にとどまっていて、有意な数字だと思っています。

たまたま「月刊Hanada」さんが、「【安倍晋三元総理国葬緊急アンケート!】あなたは安倍元総理の国葬についてどう思いますか?」とツイッターで展開しています。今、59万2650票が投票されています。1000人の調査からしたら「膨大な数字だ」と言っている方がいらっしゃるんですが、どちらが信用できるでしょうか。

この59万が信用できるわけがないんです。1人で何回も投票している人がいますし、勝ちたいと思ってやっている人もいます。現段階で国葬賛成が51%、反対が43.2%です。こういった調査と、新聞のような科学的な調査を一緒には全くできない。どちらの陣営も「負けたらいかん」と投票を呼びかけていますけど、どっちでもいい話ですね。ただの話題にすぎません。

実際の新聞の調査では、毎日新聞は国葬反対が53%、賛成30%。産経は反対が51%、賛成が40%。つまり、「過半数が反対」というのはほぼ間違いないなというのが、現実です。「ネット上の調査」と、科学的な統計調査を一緒にしてはいけない。

杉田水脈「大臣政務官」への批判

なぜ支持率が落ちているのか。新型コロナ対策のこと、旧統一教会のこと、それから今回の内閣改造のこと…いろいろ理由は上がっているかと思うんですが、極めて珍しいケースが起きています。朝日新聞の社説(8月10日)は、杉田水脈さんを総務大臣政務官に抜擢したことについて触れ「首相は差別を許すのか」という内容。杉田さんと言えば、子供を作らないLGBTの同性カップルは「生産性がない」と発言したり、「女性はいくらでも嘘をつけるんです」と発言したり………。そのたびにきちんとした説明もせずにいる、かなり変わった方です。

杉田さんが就いた「政務官」は、各省庁に置かれた国の正式な役職です。省庁に大臣がいて、副大臣がいて、大臣政務官がいる。副大臣は大臣のサポートをするんですけど、政務官は特定の分野を担当して大臣を助ける役割。杉田さんは、統計や行政評価を担当する「総務大臣政務官」です。

毎日新聞でも「差別を認める内閣なのか」という社説が出ています(8月18日)。28人いる政務官の中でたった1人について、2つの新聞が「差別を認めるのか」と社説を書いているのは、すごいなあと思います。けさの毎日新聞のコラム(「火論」大治朋子専門記者)でも、「がっかりしている」と書いていました。

衆議院本会議で杉田さんは「女性が輝けなくなったのは、冷戦後、男女共同参画の名のもと、伝統や慣習を破壊するナンセンスな男女平等を目指してきたことに起因します。男女平等は、絶対に実現し得ない、反道徳の妄想です」と発言しています。国民の半分を敵に回す、という感じもしますけど。

「がっかりしている」というこのコラム、「差別を認めるのか」と連発して出される社説……これ、なかなかすごいですね。「統一教会が関係している人が多いんじゃないか」という疑念もあって、今回の内閣改造は失敗ではと言われていますが、私はこの方が入っていることが非常に内閣の印象を悪くしていると思っています。

田畑竜介 Grooooow Up
放送局:RKBラジオ
放送日時:毎週月曜~木曜 6時30分~9時00分
出演者:田畑竜介、武田伊央、神戸金史
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※放送情報は変更となる場合があります。

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