「テスラは高級車ではなく大衆車」米シリコンバレーのクルマ事情

電気自動車(EV)の普及が遅れ、「ハイブリッド車止まり」の日本からは想像がつかないかもしれないが、アメリカ・シリコンバレーでは、EVの代表的ブランド「テスラ」がそこら中に走っている――。昨夏渡米し、スタンフォード大学でSDGsについて研究している、尾川真一・客員研究員が5月22日、RKBラジオ『田畑竜介 Grooooow Up』で、アメリカのクルマ事情について解説した。

「ボロボロのテスラ」が走るシリンコンバレー

アメリカで暮らし始めて8か月ほどになります。こちらに来て最初に驚いたことはテスラのEVが走っている数が桁違いに多いということです。日本でも一時期、トヨタ「プリウス」が流行った時期がありましたが、あれぐらいです。信号待ちをしていたら、その交差点のどこかに1台は必ず停まっています。公園やスーパーに買い物に行ったり遊びに行ったりすると、駐車場にテスラが3台連続で並んでいる、なんてこともあります。まさに、街に溢れているというような状況ですね。

シリコンバレー(カリフォルニア州)はテスラの本社があった場所でもあるので、お膝元という事情もあるのでしょう。でも、私が一番驚いたのが、テスラって日本だと高級車とか、かっこいいとかというイメージがあると思うんですが、こちらでは、大衆化してきていること。例えばホイール周りに泥がついたままだとか、バンパーがへこんでいるとか、そんなボロボロのテスラも走っています。かなり使い込んでいて、それほど大切にはしていない。そんな印象を受けます。

充電設備も至る所に

これだけEVが普及しているということもあって、スーパーチャージャーと呼ばれる急速充電設備が、スーパーやレストランにはたくさんあります。おそらく、テスラが発売を始めた頃は、テスラ側からスーパー等に「置かせてください」とお願いに行っていたはずなんですが、これぐらい普及してくると、テスラに乗っているお客さんは、スーパーやレストランを選ぶときに、チャージャーのある店とない店、どちらに行くか、みたいなことを考えるようになりますよね。

そうなると、お店側からテスラに「うちにチャージャーを設置しませんか?」という話が出てくる可能性もあると感じています。ビジネスの力関係が変わる、そんなことを想像してしまいますね。

「もはやこれはクルマじゃない」

テスラに乗っている友人も何人かいるんですが、話を聞くと「もはやこれはクルマじゃない」と言います。「動力源がガソリンから電気に変わっただけじゃないんだよ」と。スマートフォンのように、新しいサービスが出るとソフトウェアがアップデートするので、違う機能が新たに追加される。あとは車内にすごく大きな、テレビぐらいの画面があって、一緒に乗っている子供たちがそれでゲームをしたがるのだそうです。待ち時間にゲームができるからという理由で子供が「充電をしに行こう」とか、「買い物に行こう」と言い出すらしいです。

アメリカなので、長距離移動も頻繁にあります。行き先をナビゲーションに入れると、充電が必要なタイミングで寄れるチャージスポットをあらかじめナビが提案してくれます。例えばコーヒーが飲みたければ、「スターバックスがこの充電設備の近くにあります」「スーパーが併設されている充電スポットです」みたいな案内を、ナビがしてくれるそうです。

法律もテスラの普及を後押し

バイデン政権はEVの普及を推進していて、EV購入に対する補助金がテスラの拡大を後押ししたというふうに聞いています。また、カリフォルニア州は2035年にガソリン車の新車販売を禁止するという法律を最近制定しました。カリフォルニア州は環境先進地域といわれていて、環境に関する規制を他の州に先んじて決めてきた歴史的な背景もあります。

しかも、カリフォルニア州の州法を他の州が追随するというようなことが、アメリカでは可能です。カリフォルニア州の定めた法律を、ニューヨークでも採用します。オレゴン州でも採用します。ワシントン州でも採用します。そんなことがどんどん起きて、アメリカ全土に広がってきて、政府が最終的にそれを支援するような形になるというパターンもあります。

ですから今後、EVの普及はアメリカ全土に広がっていくんじゃないかなと私は思っています。今回のカリフォルニア州の法律は、ハイブリッド車さえも規制の対象に入れています。ハイブリッドは日本が技術を持っていて、ドイツ車も真似をしようとしたけどもできなかったというような、日本の牙城です。一方、EVはテスラに代表されるようにアメリカが持つ技術ですから、自国の産業を法律によって支援している構図にもなっています。

スタンフォード大学客員研究員・尾川真一さん

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田畑竜介 Grooooow Up
放送局:RKBラジオ
放送日時:毎週月曜~木曜 6時30分~9時00分
出演者:田畑竜介、武田伊央、尾川真一
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※放送情報は変更となる場合があります。

「中小規模の病院」の力になるために…株式会社ヘンリーが開発したクラウド型電子カルテ「Henry」とは?

笹川友里がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「DIGITAL VORN Future Pix」(毎週土曜 20:00~20:30)。この番組では、デジタルシーンのフロントランナーをゲストに迎え、私たちを待ち受ける未来の社会について話を伺っていきます。2月24日(土)の放送は、株式会社ヘンリー 共同CEOの林太郎(はやし・たろう)さんをゲストに迎えて、お届けしました。


(左から)笹川友里、林太郎さん


林さんは、一橋大学卒業後、ロンドン大学東洋アフリカ研究学院(SOAS)に留学。学生時代は、アフリカで日本の中古重機をレンタルする新鋭スタートアップで現地リーダーとして活躍。楽天株式会社入社後、楽天カード全体のSEOマーケティング業務や、楽天市場・楽天カードのビッグデータの分析などを担当、2018年に株式会社ヘンリーを起業しました。

◆“医療現場のデジタル化”を目指す

はじめに、ヘンリーが提供している病院向けのクラウド一体型電子カルテ「Henry」について、「『電子カルテ』『オーダリングシステム(医師の指示を各部署にコンピューターで伝達するシステム)』『レセプトコンピューター(診療報酬明細書を作成するコンピューターシステム)』の3つが一体となったクラウド型のシステムで、病院向けに販売しているのは、日本で弊社だけです。クラウドで使えることによって、他にはない大きなメリットが提供できます」と林さん。

これまでの医療システムは、それぞれ別のシステムでそれらを“つなぐ”前提で作られているものが多いのですが、「我々は最後発で作ったこともあり、それらをすべて同じシステムで管理できるように作ってあるところが特徴です。また、紙を使わなくても情報共有ができるシステムを構築しているところもメリットかなと思います」と強調します。

林さんによると、医療業界では長らく“セキュリティ上、医療情報システムはインターネットにつないではいけない”といった制限があったため、「例えば、お医者さんが自宅でカルテを確認するとか、何か緊急の事態があったときに“患者さんの情報を伝える術がない”というようなことがありました。それをクラウドシステムで共有化することにより、自宅で“患者さんが急変した”という情報を具体的に確認した状態で病院に向かえる、というメリットもあります」と話します。

続けて「医療の現場は、すごく情報が多い世界なので、実際にはもっと共有したい情報がたくさんあると思うんですけど、我々の目標としては、この先3~5年のあいだにクラウドのシステムを通して、お薬の情報だけではなく、患者さんの情報の細かいところまで、医療機関や自治体と共有し合える世界を構築できればと思っています」と力を込めます。

◆中小規模の病院向けに特化している理由

「Henry」は中小規模の病院に向けたサービスとして特化していますが、その理由について、「大きな病院では電子カルテの普及率がかなり高くて、おそらく9割以上の病院が導入していますが、中小規模の病院の普及率はまだ50%ぐらいで、残り約半分の病院は紙のカルテを使っています。その大きな理由として、例えば、病院内にサーバーがあって、インターネットとつながない従来型のシステム『オンプレミス』(自社でサーバーを所有・管理)を導入したくても、“価格が高額なために買えない”という病院が今でも多く存在しています」と林さん。

そうした中小規模の病院が抱えている課題を解決するべく、「“クラウドで安価かつスムーズに導入できるシステムを作りたい”という思いで、我々は初めから中小規模の病院に特化して作ったという背景があります」と話します。

そして、「Henry」の今後の展望については、「電子カルテ、オーダリングシステム、レセプトコンピューターはそれぞれ難しいシステムなので、(サービスを導入していただく)病院がより使いやすくなるように、機能を改善していくことが必要になってくると思います」と課題点を挙げます。

そうした部分を一つひとつ解決していき、「より使いやすく、しかも安価で情報共有しやすい電子カルテができれば、今まで電子カルテに踏み切れなかった病院に対しても、自信を持って提供できると思いますので、まずは我々のシステムを使って“業務が改善した”“情報共有ができるようになった”といった事例をどんどん作っていきたい」と力を込めていました。

次回3月2日(土)の放送も、引き続き、林さんをゲストに迎えてお届けします。林さんが思い描く“近未来の医療現場の風景”についてなど、貴重な話が聴けるかも!?

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2月24日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2024年3月3日(日) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。

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<番組概要>
番組名:DIGITAL VORN Future Pix
放送日時:毎週土曜 20:00~20:30
パーソナリティ:笹川友里

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