格調の低さでは歴代ナンバーワンとはいえ、トランプ2.0の幕開けの危ういサプライズとは?『町田徹のふかぼり!』
経済ジャーナリスト・町田徹が毎週注目すべき国内外のニュースを徹底解剖。日本経済が抱える問題の本質、激動の国際情勢の行方について、時に冷徹に、時に熱く、語ります。
経済ジャーナリスト町田徹が選んだ今週のニュース
第5位 1月23日、遅ればせながら、子会社のフジテレビに日弁連基準の第3者委員会を設置させたと、フジ・メディア・ホールディングスが発表。
第4位 日銀が24日まで開いた金融政策決定会合で0.25%の追加利上げを決定。
第3位 24日朝、石破内閣の存続の正念場になる通常国会が召集に。
第2位 21日、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸の北部ジェニンで、イスラエル軍が新たな軍事作戦を開始。
第1位 日本時間の21日未明、アメリカの第47代大統領に共和党のドナルド・トランプ氏が就任。
今週のふかぼり「格調の低さでは歴代ナンバーワンとはいえ、トランプ2.0の幕開けの危ういサプライズとは?」
トランプ大統領の就任演説は、歴代大統領の演説と比べて、ダントツの格調の低さだったのではないでしょうか。バイデン前政権に対する恨みつらみや、トランプさん自身への自画自賛のオンパレードという印象が強かったです。とはいえ、下品だから内容を無視して良いということにならないのが、このトランプさんという人物の厄介な点ですよね。就任式の後に26本も署名した大統領令も含めてそれらの内容を見ると、アメリカと世界をいったいどこに連れて行くつもりなのか、アメリカ第一主義の名の下で民主主義や世界経済にとって重要な協調体制をズタズタにしかねない危ういものだらけだと、警鐘を鳴らさざるを得ない事態です。支離滅裂のトランプ劇場第2幕の幕開けの危うさを検証しました。
※放送情報は変更となる場合があります。
野党はハーゲンダッツで通常国会の大幅延長を勝ち取ったことがある!?
1月24日(金)、ニュースキャスター・長野智子がパーソナリティを務めるラジオ番組「長野智子アップデート」(文化放送・15時30分~17時)が放送。午後4時台「ニュースアップデート」のコーナーでは国対(国会対策委員会)について、ノンフィクション作家・常井健一氏に話を伺った。
常井健一「国対って、まさに“昭和の権化”でありまして……」
長野智子「昭和(笑)。なるほど」
常井「55年体制下では、与野党の国対で飲み会をやったりとか賭け麻雀をやったりとか、まさに料亭政治そのものだったんですね。一緒に飲み会をすることで与党と野党が水面下で手を握って、野党の見せ場を作る代わりに与党の予算案を通してもらうっていうような慣習があったわけですけども」
鈴木敏夫(文化放送解説委員)「お金も飛び交った?」
常井「そうですね。まぁ今の時代はスマホで密談もできますし、近代化は進んできたんですけれども、それでもやっぱり与野党どっちも国対の担当になったら、やっぱり『雑談でも会食でもいいから、とにかく他党の人間と一緒にいる時間を増やすんだ』っていうふうに言われるんですよ。そこでよく話題になるのが、お菓子の差し入れです。与野党間だけじゃなくて野党同士も送り合うんですね。シュークリームとかドーナツとか。これは『我々の要求を甘く見てね』というふうなシャレもきかせてるそうなんですよ」
長野「えっ、そうなんですか?」
常井「はい(笑)。日常会話が生まれるわけなんですよ。もっとお菓子にまつわるエピソードを話すと、自民党の国対委員長の部屋に冷蔵庫があるんですけども、その中にハーゲンダッツのアイスクリームがいっぱいストックされているんですよ。手のひらサイズの小ちゃいやつ。野党はこれを利用して通常国会の大幅延長を勝ち取ったことがあるんですよ」
長野「どういう意味ですか?」
常井「これね、辻元清美さんが国対委員長をやっていた時に直接聞いた漫画みたいな話なんですけど。予算委員会の質問時間って慣例では2対8、与党が2、野党が8の割合で配分されるんですけれども。たとえば1日7時間の審議だったら、与党が1時間半、野党が5時間半という感じで分けるんですけども、2018年の安倍政権っていうのは強気で『5対5でいこう』っていうふうに迫ってきたんです。そこで野党としては『大変なことになった』って言って、辻元さんが電卓を持って自民党の国対室に乗り込んだんですね。当時は森山裕さんが自民党の国対委員長だったので、電卓をバチバチ叩いて時間の計算をして『これでどうだ!これでどうだ!』っていうふうにお互い数字を見せ合うと。そのうちに『5対5』と言い張っていた自民党が最終的には慣例通りの2対8に落ち着いたそうなんですが」
鈴木「すごい押し戻し方ですね」
常井「その間、二人でハーゲンダッツのアイスクリームを食べながらやっていたらしいんですよね」
長野「一体いくつ食べたんですかね(笑)」