山下達郎が絶賛を惜しまない「1枚の絵の歌風景」を詞で紡いだ吉田美奈子

吉田美奈子の名盤「MINAKO」 ©STVラジオ

シンガーソングライターで"選曲家"の松崎真人が、'70~'90年代の日本の曲・日本語の曲を中心に"厳選かけ流し"(イントロからアウトロまでノーカット)でお届けするSTVラジオ・真夏の特別プログラム『ナイタースペシャルMUSIC☆J~日本語ロックの8人』。3日(火)は、山下達郎&吉田美奈子を特集しました。「描く風景からフォーク的情緒を切り離した」という視点で松崎真人がセレクトしました。(文中敬称略)

松崎:私が初めて自分のお金で買った山下達郎のアルバム「MOON GLOW」の中から…

M20「永遠のFULL MOON/山下達郎」

松崎:後ろに吉田美奈子の声が聞こえる山下達郎を聴くと、やはりその時の気持ちに戻りますね。時代背景から言うと、いま良い詞をたくさん書いている山下達郎からすると意外なんですが、歌詞に苦手意識があったとご自分で何度もおっしゃってます。それと、当時の流行りの主流の歌詞は好きではなかったということもあるらしんです、例えばフォークとかニューミュージックといわれるものですね。情緒的すぎる歌詞は好きではない、自分の心情を吐露するような歌詞は好きじゃないと言うことを公言していらっしゃいます。

松崎:と言うと、イメージの世界を広げるような歌詞というのが大事になるんですけど、なかなか職業作詞家の中にも、それが出来る人がいなかったんだと思われます。そんな時に吉田美奈子さんは、細野晴臣とか松本隆の周辺から見いだされた方ですけど、山下達郎との縁が出来て、一緒に仕事をするようになるわけです。次の曲は、吉田美奈子のアルバム「FLAPPER」の冒頭を飾っている曲です。

M21「愛は彼方/吉田美奈子」

松崎:山下達郎が当時から今に至るまで、吉田美奈子の作詞の中で何度も絶賛している作品(曲)があります。アルバム「Ride on Time」に収められている曲ですが、今とは違って当時は、一枚の絵のような歌詞を歌いたかったんだと思います、ストーリーとかじゃなくて。

松崎:例えば「RAINY WALK」という曲では「タブロオの中へ降り続く」(編注:タブロオ=仏語で「絵画」)という歌詞が入ってるんですけど、なんか1枚の絵を見ているような歌風景というのかな、そういうのを求めていて、そこに吉田美奈子が見事に応えたということで、山下達郎が大絶賛を惜しまない曲です。

M22「DAYDREAM/山下達郎」

松崎:100色くらいある色鉛筆や色見本とかを見ながら、音楽に乗る色を拾っていったような歌詞です。山下達郎が当時、指向していたファンクとかソウルミュージックのリズムを、自分が集めたミュージシャンで再構築して、その上にメロディを載せていくという手法だと、そんなに日本語の言葉数は乗らないんです。だから、誰が何してなんとやらというストーリーを描いていくのは難しいので、こういう、言葉を置いていって1枚のイメージを鮮烈に見せるという手法が、この時期の山下達郎には合っていたんだろうなって、改めて思います。

松崎:吉田美奈子が、(山下達郎ではなく)他の方とのタッグも聴いてみたいと思います。角松敏生の作曲・アレンジで、西城秀樹に提供された曲です。角松は「吉田美奈子と組むことが出来るなら、僕は何ひとつ文句は言いません」と言ったということです。

M23「BEAT STREET/西城秀樹」

松崎:このコンビは、もっとやっても良かったんじゃないですかね。スゴく合ってますね。けっこうアレンジも攻めてるというか、途中でサウンド・コラージュみたいな部分のブレイクがあったり、後半にいくに従ってベースドラムのパターンが複雑になったりとか、なかなかに「よ~し、やってやる」と腕によりをかけてる角松敏生が目に浮かぶようです。

そして、山下達郎&吉田美奈子の特集も"サビ"です。

松崎:すでに「RIDE ON TIME」で十分に度肝を抜かれていたんです。なのに、「FOR YOU」というアルバムが出て、レコードの針を落として、この曲が聞こえてきた時の衝撃は、一生忘れないですね。そう言う人は、多いと思います。

M25「SPARKLE/山下達郎」

<松崎真人の編集後記>
「Sparkle/山下達郎」。当時の音楽誌に、「悲しいうたを悲しく歌って涙を誘う歌手は多い。が、楽しいうたを楽しく歌って人を泣かせるアーティストがどれだけいるだろうか」との一文があった。Sparkleで幕を開ける達郎のライブはまさに多幸感で大の大人を泣かせるライブ。吉田美奈子の詞はここでも「物語」を語ってはいない。少ない言葉で心象風景を描写する。このシンプルさが海外のファンにも受け入れられている秘訣なのかも知れない。(松崎真人)

<8月3日のプレイリスト>
M01「裸足の女神/B’z」
M02「目覚めたヴィーナス/森川美穂」
M03「Crawl(クロール)/大沢誉志幸」
M04「サヨナラは八月のララバイ/吉川晃司」
M05「君たちキウイ・パパイヤ・マンゴーだね/中原めいこ」
M06「お料理行進曲/YUKA」
M07「色以下/パール兄弟」
M08「完全無欠のロックンローラー/アラジン」
M09「顔/コンセントピックス」

M10「Everything/嵐」
M11「夏になって歌え/LITTLE GLEE MONSTER」
M12「新・東京/朝倉さや」
M13「Better Be Home Soon/Crowded House」
M14「夏の日のオーガズム/ムーンライダース」
M15「好きさ 好きさ 好きさ/ザ・カーナビーツ」
M16「I LOVE YOU(好きさ 好きさ 好きさ)/THE ZOMBIES」
M17「この空を飛べたら/加藤登紀子」
M18「難破船/中森明菜」
M19「はぐれそうな天使/岡村孝子」

M20「永遠のFULL MOON/山下達郎」
M21「愛は彼方/吉田美奈子」
M22「DAYDREAM/山下達郎」
M23「BEAT STREET/西城秀樹」
M24「恋のブギ・ウギ・トレイン/ANN LEWIS」
M25「SPARKLE/山下達郎」
M26「Last Step/山下達郎」

4日の特集は、桑田佳祐「"たかが歌詞じゃねえかこんなもん"は反語である」

4日の『ナイタースペシャル MUSIC☆J  ~日本語ロックの8人~』は、特集・桑田佳祐。視点は「"たかが歌詞じゃねえかこんなもん"は反語である」。日本語的にどうなの?とも言われることも少なくない桑田佳祐の作詞。そこには、歌詞にこだわり、言葉を選びに選び抜いたからこそ紡ぎ出される桑田佳祐の世界観があります。その世界観を、松崎真人が渾身の選曲と着眼点で語ります。

STVラジオ『ナイタースペシャル MUSIC☆J  ~日本語ロックの8人~』(7月27・28・29・30日、8月3・4・5・6日 各17:55~20:50)※RCCラジオ同時ネット

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ナイタースペシャル MUSIC☆J
放送局:STVラジオ 他1局ネット
放送日時:毎週火曜~金曜 17時55分~20時50分
※放送局によって日時が異なる場合があります。
出演者:松崎真人(まつざき・まこと):シンガーソングライター・選曲家(北海道出身)
番組ホームページ

70年代~90年代の日本のポップス・日本語のポップスを中心に"厳選かけ流し"でお届け。パーソナリティは、北海道出身のシンガーソングライター・松崎真人。音楽への深い造詣と知識に裏打ちされた含蓄あるトーク、選曲の幅広さでリスナーの支持を全国に広げている。松崎の"微妙な滑舌"も病みつきになるかも。(ナイターオフ期は、火~金19:00からで、広島・RCCラジオでも同時ネット)。

※該当回の聴取期間は終了しました。

乃木坂46 与田祐希が真っ直ぐな目で言った“一言”を久保史緒里&佐藤璃果が称賛「カッケーな!」

4月17日(水)深夜、乃木坂46で3期生の久保史緒里がパーソナリティを務めるラジオ番組「乃木坂46のオールナイトニッポン」(ニッポン放送・毎週水曜25時~27時)に、ゲストとして3期生の与田祐希、4期生の佐藤璃果が生出演。3人で、それぞれの“ぐうたら”ぶりを確認しあった。

乃木坂46 久保史緒里、佐藤璃果、与田祐希

今回の放送内では、「だらしないな」と自覚していることをカミングアウトする番組コーナー『堕落の懺悔室!人間失格!!』を展開。2022年12月7日の同コーナーで久保と与田が、同期の梅澤美波からその“ぐうたら”ぶりを𠮟り飛ばされていたことを振り返ったが、与田は「私たちが堕落してるんじゃなくて、梅ちゃんがすごいんだよ」と言うと、久保がすかさず、与田が残したという名言を明かした。

久保:さっき打ち合わせのときに、「私は人間らしいだけです」って真っ直ぐな目で言ってた。

与田:(笑)

久保:私、カッケーな!と思って。

佐藤:マジで輝いてました。カッコいいです。

与田:恥ずっ(笑)

久保:顔真っ赤じゃないか(笑)

与田:やめて、恥ずかしい(笑)

佐藤:与田さん、一生ついていきます。

久保:あのとき、真っ直ぐな目をしてたよ。

与田:想像すると、めっちゃ恥ずかしいじゃん。

久保:本当に、撮っとけばよかった(笑)

与田:自分の言動には気をつけよう……。

久保:与田(の堕落っぷり)については分かってたんだけど、璃果は? 几帳面? だらしない?

佐藤:几帳面……と言いたいです。

久保:そっちのイメージだったけどね。

与田:きれい好きとか。

佐藤:いや、本当にダメです……。

意外と“堕落”サイドなのではないかという佐藤の一面について触れた久保は、早速チェックタイムに突入。「仕事が忙しい時期に部屋が荒れる?」「ベッドの上で飲み物は飲む?」などの質問には、3人とも「YES」という結果に。コーナーが進むにつれて、実は佐藤が一番“堕落”レベルが高いのではないかといった疑惑が浮上し、久保や与田から詰められてタジタジになる場面もあった。

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