「大澤誉志幸の曲で再びロックシンガーの王道に」山下久美子の"転換点"に着眼

山下久美子(左)と鈴木雅之のアルバムを手に ©STVラジオ

シンガーソングライターで"選曲家"の松崎真人が、日本の曲・日本語の曲を中心に"厳選かけ流し"(イントロからアウトロまでノーカット)でお届けするSTVラジオ『MUSIC☆J』。シリーズ企画「日本語ロックの8人・補講」の3回目は「松本隆の好敵手だち」。20時台に康珍化や秋元康、売野雅勇ら、80年代を彩った作詞家たちの作品をお届けました。その前段として、19時台の冒頭でお届けした3曲について、松崎真人が深掘りしました。(文中敬称略)

松崎:たくさんリクエスト頂いてましたが、掛けるタイミングがなかなかなかった曲です。1986年で、作曲は大澤誉志幸。アレンジがホッピー神山、PINKというバンドにいた方です。鈴木雅之のファーストソロシングル。

M10「ガラス越しに消えた夏/鈴木雅之」

松崎:鈴木雅之はもちろんブラックミュージック、いまで言うR&Bにすごく造詣が深い方です。作曲の大澤誉志幸も元々は「クラウディ・スカイ」というR&Bのバンドのボーカリストでした。1986年に、そういう音楽的な趣味を前面に出してヒットするというのは、今とは違って、難しかったんです。そういう"もどかしさ"を共有していた鈴木雅之と大澤誉志幸が「どうやったら自分たちが好きな音楽の成分を、一見、カムフラージュしながら世の中にガッと浸透させるか」と企んだことの大成功例だと思います。そこにホッピー神山という、非常に個性的な音を作るシンセサイザー奏者がハマった、ということだと思いますね。

松崎:理屈抜きに良い曲なんですが、この曲が無かったら、この後の大澤誉志幸も鈴木雅之のソロキャリアも変わって行っていただろうなと思います。1986年。そう言う意味では、時代の変わり目だったのかも知れません。もう1曲、大澤誉志幸の提供の曲です。

M11「こっちをお向きよソフィア/山下久美子」

松崎:イントロからアウトロまで完璧ですね。(この部分、文字おこし困難)。もう素晴らしいと思います。いまYouTubeで色んな動画が上がっていて、この曲の名演も数々あるんですが、元々のこのレコードのアレンジがしっかりしているからだと思います。

松崎:これも大澤誉志幸の作曲なんですが、作詞が康珍化です。(山下久美子は)「赤道小町ドキッ」がドーンと売れて、でもあれは、とてもキャラクターソングというのかノベルティソングというか、あの曲の存在感があまりに強過ぎると、ボーカリストしての幅が狭まってしまうので、本人もスタッフも悩んだと思います。あのテクノに少し寄せた細野(晴臣)の「赤道小町ドキッ」の後でこの曲、どちらかというとロックの王道ですよね、この「こっちをお向きよソフィア」をシングルカット出来たことで、山下久美子は女性ロックシンガーの草分けとしての王道を再び、歩み始めることができたんじゃないかと僕は思っています。そう言う意味では「日本語のロック」の歴史の中で重要な曲なんじゃないかと思っています。

松崎:山下久美子と言えば、渡辺美里と同じように、数多くの才能ある作家の方が曲を提供していますが、(山下)久美子と言えば、大澤誉志幸か、彼か、とう感じですね。

M12「マンハッタンブリッヂにたたずんで/佐野元春」
 
<松崎真人の編集後記>
「こっちをお向きよソフィア/山下久美子」。この曲は山下久美子のアイデンティティーを形成することになった1曲。身もふたもない言い方をすれば「自立した女性」がテーマなのだが、康珍化の詞、大澤誉志幸の曲のクオリティーの高さゆえ、時代のアンセムとなった。この歌のバッキングで共演したミュージシャンたちは「次の時代」を創っていくことになるのだが、それはまた別の話。(松崎真人)

<9月11日のプレイリスト>
M01「Woman“wの悲劇”より/薬師丸ひろ子」
M02「1グラムの幸福/飯島真理」
M03「REAL/大江千里」
M04「私鉄沿線/野口五郎」
M05「ねぇ/国安修二」
M06「ねぇ/Perfume」
M07「すみれSeptemberLove/一風堂」
M08「QUIET LIFE/JAPAN」
M09「風立ちぬ/松田聖子」

M10「ガラス越しに消えた夏/鈴木雅之」
M11「こっちをお向きよソフィア/山下久美子」
M12「マンハッタンブリッヂにたたずんで/佐野元春」
M13「『いちご白書』をもう一度/バン・バン」
M14「エブリバディ・ニーズ・サムバディ/ザ・テンプターズ」
M15「土曜日はいちばん/ピンキーとキラーズ」
M16「ときめきアンコール/富田靖子」
M17「長いのぼり坂/長渕剛」
M18「長い間/Kiroro」
M19「安物の時計/矢沢永吉」

M20「魅せられて/ジュディ・オング」
M21「セカンド・ラブ/中森明菜」
M22「君のハートはマリンブルー/杉山清貴&オメガトライブ」
M23「ヤマトナデシコ七変化/小泉今日子」
M24「時の流れに身をまかせ/テレサ・テン」
M25「ポイズン/布袋寅泰」
M26「SayYes!/菊池桃子」
M27「もう一度夜を止めて/崎谷健次郎」
M28「船を出すのなら九月/中島みゆき」

STVラジオ『MUSIC☆J』(毎週土曜日 18:00~21:00)

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MUSIC☆J
放送局:STVラジオ
放送日時:毎週土曜 18時00分~21時00分
出演者:松崎真人(まつざき・まこと):シンガーソングライター・選曲家(北海道出身)
番組ホームページ

70年代~90年代の日本のポップス・日本語のポップスを中心に"厳選かけ流し"でお届け。パーソナリティは、北海道出身のシンガーソングライター・松崎真人。音楽への深い造詣と知識に裏打ちされた含蓄あるトーク、選曲の幅広さでリスナーの支持を全国に広げている。松崎の"微妙な滑舌"も病みつきになるかも。(ナイターオフ期は、火~金19:00からで、広島・RCCラジオでも同時ネット)。

※該当回の聴取期間は終了しました。

今まで乗って来た車は50台以上! 内藤剛志、オドロキの車遍歴

4月25日(木)、「くにまる食堂」(文化放送)の最初のコーナー「ニュース一番出汁」では、俳優の内藤剛志さんが、これまでの人生で乗って来た数々の車について語った。

野村邦丸アナ「今朝ピックアップするニュースはこちら。
『苦境テスラ、低価格に活路。生産前倒し、中国車に対抗』
日本経済新聞によると電気自動車市場をけん引してきたアメリカのテスラが成長戦略の見直しを迫られている。2024年1~3月期は低価格の中国EVにおされ、4年ぶりの減収減益。イーロン・マスク最高経営責任者は、撤退観測もでていた次世代の低価格EVについて、逆に投入を前倒しすることを表明した。ただ当初の仕様とは大きく異なる可能性もでており、挽回の道筋はまだ見えていないということです」

内藤剛志「テスラって、やっぱり未来の車っていうイメージでスタートして、そっちへ変わっていくことが新しいこと、オシャレなことであるようなことだったんだけど、低迷している原因は、価格が高すぎるってことですか?」

邦丸「まったくその通りですね。テスラは販売価格そのものが高い。当初はそれでも価格を抑えて、バーッと広まってったわけですね。アメリカの自動車を運転される方でも収入差はありますから、今ではどうしても、ある程度の収入が無いとテスラは買えない。そこにこの中国のBYD(比亜迪)、ここはですね、日本円で200万から300万円以内で買えるってことで、アメリカのドライバーさんて、どこの国の車ってまったく関係ないそうです」

内藤「僕で言えば、オール電化だとなかなか日本では乗りにくいのかなって気が、ちょっとします」

邦丸「充電という問題がありますもんね」

内藤「そうそうそう。実はですね、僕、めっちゃ車が好きで。18で免許取ってから約50年ぐらい? 今年69になりますから、そんなもんですね。BS日テレの『おぎやはぎの車遍歴』という番組に出た時に、全部思い出していくわけですよ。ずーっと思い出してたら、気が付いたら50何台で。そんなに乗ってたんです、僕」

邦丸「その内藤さんが乗って来られた車、一部抜粋しますと、いすゞ自動車……今一般的な自動車の販売はしていませんが、いすゞジェミニ、いすゞ117クーペ、トヨタランドクルーザー、三菱ジープ、ホンダCR-X、ユーノスロードスター、ジープラングラー、GMCユーコン、アルファロメオ、ポルシェ、メルセデス・ベンツ……色々乗ってらっしゃいますが」

内藤「まず、申し上げたいことがあるんですけど、別にお金があるからじゃないんですよ? 父、母……母はですね、昭和30年代から乗ってるんです。それから家内、子どもも乗ってる。で、一時期二世帯住宅に住んでましたんで、全員が免許を持っているから車の台数が増えたというのもある。基本的には俺が代表で買ってたっていうのもありますが、全部に乗ってたわけじゃないんです」

邦丸「あ、これは内藤家の車ということで!」

内藤「後半になると僕、なぜだか外車が多いじゃんって感じですが、CMの関係があってですね、あんまり日本車が好きだって言ってるとCMが来なくなるんですよ」

邦丸「これは役者としては、悩ましいところですね?」

内藤「そうなんですよ。日産のルネッサっていう車のCMをやらせていただいたんですけど、その時痛感したんです。やっぱり、他の日本車で撮影現場に行っちゃいけないんですよ、日産の車に乗ってますから。なので、前の事務所の方が、なるべくなら日本の車じゃないものに乗れと」

邦丸「そういうこともあるんですか!」

内藤「まだ僕、狙ってるんですよ、CMを(笑)」

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