犬山紙子さんも注目の「ミレーナ」とは? ”基本のき”から解説

認知度が低い「ミレーナ」を知ってもらいたい!


コラムニストの犬山紙子さんが、今注目していることをお話しする「あのことニュース」では、「ミレーナ」について取り上げました。

「ミレーナ」…初耳という方も多いかもしれませんね。
ミレーナとは、「子宮内避妊システム=IUS(Intra UterineSystem)」のこと。

ホルモンの作用で子宮内膜を薄くすることで、最長5年間の避妊効果が続く、医療器具の商品名です。
このミレーナ、避妊対策のイメージが強いですが、実は、辛い生理痛対策などにもとっても効果的なんです!
犬山さんは、数年前にミレーナを取り入れてみたことで、生活の質が格段に良くなったそうです!

番組では、ご自身もミレーナ愛用者、「丸の内の森 レディースクリニック」院長・宋美玄(ソン・ミヒョン)先生にお電話を繋いで詳しく聞いてみました。


宋さんは、二人目のお子さんを産んだ後にミレーナを装着し、途中で入れ替えて8年半くらいになるそうですが、感想はズバリ「クオリティオブライフ爆上がり!」とのこと!

そもそもミレーナとはどんなもの?

井上: ”基本のき”から教えていただけますか?

宋さん:ミレーナは2cmくらいの棒状で、T字型にアームが付いてるんですけれども、その軸のところから「徐放剤」と言って黄体ホルモンの「レボノルゲストレル」という薬がおよそ5年にわたって染み出てくるんですね。それを細い棒を使って下から子宮の中に装着します。そうすると、その部分だけが子宮の中にとどまって、じわじわとホルモンが出てきて、「子宮内膜」という生理を起こすところ、妊娠するために毎月体が準備している部分が薄い状態になって、結果的に生理の血が減ったり、そこが剥がれ落ちる時に出る物質「プロスタグランジン」が出て痛くなりますが、それも軽減することができます。また、赤ちゃんが着床するための子宮内膜っていうところを薄くするので、ピルよりも高い避妊効果が得られるという、 ”デバイス”になります。

日常生活での違和感は「無」!

井上:かみさんは、実際に装着して5年経って、日常生活を送っている中で、違和感を感じることは?

犬山 :「無」ですね。入っていることも全く分からなくて。これ個人差あると思いますが、私は装着の時にちょっとした鈍痛はあって、その後1週間くらい不正出血は続いたんですが、その後、徐々に生理が楽になって。今は、入っていることも、基本忘れます!

井上:へー! 宋さん、料金やデメリットなども教えていただけますか?

宋さん:料金は、生理痛と過多月経の方は、保険適用になりますのでだいたい診察料等入れて、1万1000円~1万3000円位ですね。後は、1ヶ月後と3ヶ月後と半年後、その後、半年ごとにミレーナがずれたり、抜け落ちたりしていないか、チェックに通っていただく必要があります。これが日本の場合、純粋に避妊目的だと保険が効かなくて、制度上自費診療になるんですけれども、だいたい5万円前後。

犬山:ピルを5年間飲むって考えると、割安ではあるんですよね。

宋さん:そうですね、飲み忘れもないですし。デメリットとしては、さっき犬山さんがおっしゃっていた装着の時に、個人差あるんですけれども、ちょっと痛みが生じることがあって。うちだと、入れた方の3%ぐらいの方が、一時的に気持ちが悪くなったり、痛みのためちょっと横になってお休みいただいてからお帰りいただいてるっていうことがあります。

犬山さんがミレーナを知ったきっかけは?

井上:かみさんは、どういうきっかけで知って、入れようと思ったんですか?

犬山:よくぞ聞いてくれました!宋先生のX(旧Twitter)でのつぶやきを見て、且つ、信頼できる方のおすすめもあって。「じゃあ!」と思って、戸を叩いたんですね。

あと、私42歳なんですけど、40代になると新しくピルを始めるのが、血栓症のリスクなどもあって。40代からでも始められる種類のものも、先生、あるとは思うんですけど、基本的に40代からはなかなかピルを始められないということで。

宋さん:そうですね、はい。いわゆる避妊用に承認されている低用量ピルは、基本ガイドライン上40代で始めるのは慎重にということになっています。続けている分にはね、40になったらすぐにやめる必要はないんですけれども。

やっぱり定期的に処方を受けないといけなかったり、毎日飲まないといけなくて。飲み忘れがあるとすり抜けて排卵が起こってしまうリスクもあるので、ミレーナの方がそういうリスクもないので。もちろん稀に脱出することとかはあるんですけれども、より確実な避妊だと言えます。

ミレーナは、なぜこんなにも知られていない?

井上:なぜミレーナの認知度が低いんでしょう?

宋さん:そうですね。私からすると、ピルも認知度が低かったし、日本は避妊というとコンドーム1択みたいな時代が長くて。ミレーナも、発売されてもう10何年なんですけど、最初は、本当にたま~にしか入れる人がいなくて。でも、最近は紙子さんのようにツイッターを見て入れに来られる方がすごい多くて。1日に何個も入れて、在庫がなくなりそうみたいなくらい入れてるんですけど。

でも病院によっては、「うちやってないんですよ」とか、「お産したことない人は無理なんですよ」とか、「麻酔はありません」みたいなところもあるみたいで、医療機関によるんですけど、たくさんミレーナを入れてるところは、めちゃめちゃスムーズに対応してるところが多いみたいです。

生理を止めるのは、体にとってどうなの?!

犬山:先生、これ、いのさんとも話してたんですけれども、やっぱり「生理を止めちゃう」っていうことって、体的にどうなの?!っていう疑問があると思うんですね。その辺りを教えてください。

宋さん:はい。まず、生理が毎月来て、35年から40年ぐらい閉経までずっとあるっていうのが、ホモサピエンスの体にとって自然かっていうと、それ自体が実はそうではないんですね。

人類1万年ぐらいの歴史があって、こんなに子どもを 産まなくなったっていうのは、この100年ぐらいの先進国だけなんですよね。子どもを産む回数も減ったし。今は栄養状態が良くなって、半分以上の子が小学生のうちに生理が来るんですね。昔は15、6歳ぐらいまで来なかったし生理がきたらすぐお嫁に行って、子どもを産んでいたので。

現代の女性みたいに、人生で何百回も生理があるっていう方が、実はホモサピエンス的には、本来の環境ではないんですね。実際に、子宮内膜症、子宮体がん、卵巣がんなど、生理の回数が多くなることで、リスクが高まる病気っていうのも全部増えているんですよ。

井上:はー。なんでこんな大事なことを教えていただけないんですか。

犬山:ねえ、知りたいですよね。性教育でね、ピルもミレーナも教えてもらいたいです。

宋さん:いや、本当に生理っていうのは、起こさないと体に悪いと思ってる人も多くて。「生理がなくなります」と言うと「そんなことしていいんですか?!」って言われたりするんですけど、実際に、子宮体がんのリスクとかもね、ミレーナを入れてると減るんですよ。「がんの予防」っていう側面もあるんですよね。

パートナーとは、ミレーナについて話した?

井上:かみさんは、ミレーナに触れた時に、パートナーともそういう話をしたんですかね?

犬山:はい、しましたね。やっぱりあの、この先子どもが欲しいかどうかで、避妊の役割もあるのでっていう話をしながら。でも、パートナーも「それであなたの体が楽になるんだったら応援するよ」っていう形で応援してくれて。

子宮を休ませることは、妊娠しやすくなる?

犬山:先生、これ、これちゃんとした話なのかな?ミレーナを入れてたりとか、ピルを飲んでいたりして子宮を休ませるってことをしていると、妊娠しやすくなるっていう話も聞いたことがあるんですけどこれって、どうなんでしょう?

宋さん:はい、これはもう、他の先進国でも国家的な問題になっているんですけど。結局、少子化と子どもを産む年齢が遅くなることで、生理がそれまでに何百回も来ちゃって、そのせいで子宮内膜症になり、それが不妊症の原因になるっていうのが、どこの国でも社会問題になっているんですよ。

例えばですよ、「セックスはするけど子どもは欲しくない」という世代の子からミレーナを入れておいて、そうすると生理が軽くなって、子宮内膜症を予防できるっていう効果もあるんです。

犬山:ミレーナを取れば、出産も可能っていうことですよね?

宋さん:そうなんですよ。一応ミレーナは5年は効きますけどご自身のタイミングで「もう抜こう」って感じで抜いても良いし、入れている間は子宮内膜症の予防になります。例えば、同じ30歳で子どもを作ろうって人がいてそれまでずっと重い生理に耐えてた人と、ミレーナで軽くしてた人だったら、やっぱり子宮内膜症の発生率が違いますので、その結果、不妊症も少ないということになるんです。

井上:はあ…。もっと発信していかなきゃ駄目ですね。今まで常識だと思っていたことも変わったし。 宋さん、本当に貴重なお話ありがとうございました!

井上:かみさんあれですね、先ほどおっしゃってたけど、パートナーの理解があるからこそ、その土台があるからこそやっぱり踏み出しやすいし。

犬山:そうなんですよ。だから今日いのさんが普通にこうやって話に入ってきてくれたのが、すごい嬉しくて。やっぱり男性にも知ってて欲しいし。

井上:いやあ、男性がむしろね、積極的にと思うんです。だからまたこういう類のニュース、お願いします。

犬山:是非是非!やりましょう!

今回は「ミレーナ」について取り上げました。
必ずしも全ての女性に向いているものではありませんが、生理に悩む多くの女性を救う選択肢の1つになることは確かです。そして、女性の生活の質が向上すれば、結果として周りの男性も幸せになれますから、男性は「女性の問題だから」とせずに、耳を傾けてもらえると嬉しいですね。

宋美玄先生
・社団法人 ウィメンズヘルスリテラシー協会 代表理事
・一般社団法人 日本ガスケアプローチ協会 代表理事
・丸の内の森レディースクリニック 院長
・産婦人科女医 医学博士・性科学者
・日本周産期・新生児学会会員
・日本性科学会会員

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