ミミズはなんで雨の日に出てくるの?

2024年5月8日放送

TBSラジオで長年親しまれた名物企画「全国こども電話相談室」(1964年~2008年)のコンセプトを受け継いだコーナーです。パンサーの向井慧が「電話のおにいさん」となって、毎回、様々な質問に合わせた頼もしい先生をお呼びしています。今回の質問は・・・

Q. ミミズはなんで雨の日に地面の上に出てくるんですか?(東京都 つくしくん 5歳 保育園)

(回答した先生)南谷幸雄さん/栃木県立博物館・主任研究員

向井おにいさん:南谷さんはミミズなどを研究しているということなんですが。

南谷先生:はい。ミミズって、たぶん日本人みんなが見たことはある。だけど、じゃあ実際どんな生き物なのかって聞かれたら、ミミズって卵を産むの?とか、全然知らない。

向井おにいさん:確かに。

南谷先生:こんな身近にいるのに知られてないっていうのは、すごく面白い生き物だなというふうに思ってます。

向井おにいさん:つくしくん、この質問はどういうときに思いついたの?

― 雨の日にミミズをいっぱい見たからです。

向井おにいさん:雨の日以外では、ミミズは見てない?

― ちょっとだけ見た。カラカラって、死んでるけど。

向井おにいさん:そうだよね。たまに死んでしまってるのも見るよね。

南谷先生:つくしくん、こんにちは。雨の日にミミズをたくさん見たって、何匹ぐらいいた?

― えーっとぉ、10匹かな。なんか、動いてたかな。

南谷先生:苦しそうだった? それとも、のーんびり動いてる感じだった?

― うん、のんびり動いてる感じだった。

南谷先生:そう。実はね、雨の日にミミズがたくさん出てくるってよく言うんですよ。だけど、なんでミミズが出てきているのか、まだよくわからないっていうのが本当のところなんです。だけど、いくつか考えられることがあるので、それを紹介したいと思います。まずはね、雨が降ると地面は水浸しになっちゃうよね。その水ってどこに行くのかな?

― えーっと・・・、地下?

南谷先生:そう。土の中に入ってくるんだよ。もしつくしくんだったら、水がたくさん入ってきちゃったら、どうする?

― なんかさ、気持ち悪くなっちゃうよ(笑)。

向井おにいさん:ははは、そうだよね(笑)。

南谷先生:ミミズだってあんまり気持ちいいものじゃないのかもしれないんだ。だから地面に出てくるんだよっていう考え方がひとつあります。

― ふーん、うんうん。

南谷先生:ほかにも別の考え方としてね、土の中にはたくさんの目に見えないような小さな小さな生き物がいるんだ。それを微生物っていうんだけど、つくしくん、聞いたことあるかな? 土の中にたくさん生き物がいるんだけど、雨が降ってくるとその生き物たちが動き出す。動くと土の中の空気をたくさん吸ってしまうので、ミミズは息苦しくなってしまうんだって。だから空気がたくさんある地面の上に出てくるんじゃないかなっていうふうにも考えられています。

― ふうーん、うん。

南谷先生:もうひとつミミズにとって困ることがあって、ミミズにとっていちばん怖い敵ってどんな生き物だかわかるかな? ミミズが「食べられちゃう」って思っちゃう敵。

― 鳥?

南谷先生:実はね、鳥ではなく、土の中にいるモグラって知ってるかな?

― モグラ?!

南谷先生:うん。実は、モグラのごちそうはミミズなんです。そして、雨が降ると地面に雨がポツポツ、ポツポツ当たる音がするじゃん。あの音がミミズにしてみると、モグラが近づいてきているんじゃないかっていう音に聞こえるんだそうですよ。だから雨が降ると土の上にミミズが出てくるんじゃないかというふうにも言われている。

― ふーん、ふんふん。

南谷先生:だけど逆にね、ミミズが「ラッキー!」と思って出てきてるんじゃないかなっていう考え方もあるんです。ミミズが地面の上に出ても大丈夫な日が雨の日なんじゃないかって考えられるんですよ。さっき「鳥がミミズを食べるよ」って言ってくれたけど、鳥がミミズを食べてるところ、見たことある?

― 図鑑では見たことあるけど。テレビでも見てた。

南谷先生:ほーう。図鑑の写真とかテレビの映像って、雨の日だった? 晴れてる日だった?

― 晴れてる日だった。

南谷先生:晴れてる日だと鳥とかいろんな敵が地面の上を動いてるんですよ。だけど雨が降ると鳥ってあんまり動かなくなるんです。雨宿りしてるんです。そうすると、ミミズにとっては雨の日だったら体が乾くこともないし、暑すぎることもないし、そして敵もいない。これはラッキーな日だよね。もしミミズが「ここはちょっと住みにくいから、ほかのところへ行きたいんだけどな」って思っているときに雨が降ってきたら、「やった! これはチャンスだ」って考えて外に出ているのかもしれない。そんな考え方もあるんです。

向井おにいさん:なるほど。ひとつは、雨のときに土の中にどんどん水が染み込んできて、苦しくなっちゃうから出てくる・・・。

― それかなあ。

向井おにいさん:あははは。これかなあ、もしかしたら(笑)。

― うん。

向井おにいさん:つくしくん、また雨が降ったときにミミズをよく観察してみてください。

― はーい!

(回答者プロフィール)南谷幸雄(みなみや・ゆきお)さん。栃木県立博物館の主任研究員。ミミズの研究の専門家で、日本各地にミミズを求めて出かけています。ほかにもダンゴムシやカタツムリ、クモやムカデなど、私たちがちょっと苦手な生き物も研究しています。

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イラン問題から探る、シーア派とスンニ派の違い

ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時~17時、火~金曜日15時~17時35分)、3月11日の放送に毎日新聞論説委員でノンフィクション作家の小倉孝保が出演した。イランの新最高指導者モジタバ・ハメネイ師がイスラム教シーア派の聖地・マシャドで生まれであることに関連し、イラン問題、シーア派とスンニ派の違いを語った。

鈴木敏夫(文化放送解説委員)「イランの最高指導者を選出する権限を持つ『専門家会議』は、殺害されたハメネイ氏の後継に、その次男であるモジタバ師を選出した、と発表しました。イラン革命防衛隊もモジタバ師への忠誠を表明しています。そのモジタバ師、シーア派の聖地であるマシャドという街で生まれた、という情報も伝わっています」

長野智子「シーア派について改めて教えてください」

小倉孝保「僕は2000年から2005年までカイロを拠点に、モロッコからイランまでカバーして。イランは大きな国で、およそ5年弱の間に10回ぐらいは取材し、長期滞在していました。エジプトはスンニ派の国なんです。イスラム教徒が多いけど、シーア派の人はほぼいないと思います。でもイランに出張すると8割がたシーア派の人たちです。スンニ派とシーア派の人たちって、同じイスラム教なのにこんなに違うのか、と感じさせられます」

鈴木「どういう点で?」

小倉「なぜシーア派とスンニ派がいるのか、ということから言うと、預言者ムハンマドがイスラムをつくって、亡くなったあとに後継者争いになる。ムハンマドの教義をよく理解した人間で、あとを継いでいこう、と考えたのがスンニ派。これがいまの世界の多数派です。シーア派はどういう人かというと、ムハンマドの家族、血を重視して、その血を継いでいく考え方を重視した人たち」

長野「はい」

小倉「ムハンマドの娘婿でいとこでもあるアリという人が中心となって、その人の子どもたちや子供のきょうだいなどで継いでいったものがシーア派なんです。一方でスンニ派が血は関係ない、ムハンマドの考えをいかに理解しているか、ということを重視して。自分たちが後継者だ、と。いまスンニ派、シーア派と呼ばれている人たちの跡目争いが対立を生んだ」

長野「はい」

小倉「そこで7世紀初めぐらいからだと思うけど、かなりの戦争状態になる。イランを見るとき『あれ、イラン人ってこういうマインドがあるんだ』と思わされた出来事がいくつかあって。カルバラ、というシーア派の聖地がイラクにある。カルバラで、ムハンマドの後継者とされていたアリの息子、フサインの軍がウマイヤ朝、いまのスンニ派につながる朝の軍とぶつかって虐殺されるんです」

長野「フサインさんがね」

小倉「フサインのぶつかった場所、遺体の埋められている場所がカルバラで。シーア派の人にとっては非常に思い入れのある、聖地になっているんです。簡単に虐殺というけど、フサインは(軍に)70人ぐらいしかいなかった。それで4000人の軍に挑んで、女性と子供以外は全員、殺されたといわれています。フサインは体をいったんダマスカスに送られて。殺された、というのを確認してカルバラに戻されて、埋葬されたといわれます」

長野「うん……」

小倉「カルバラの悲劇、カルバラの戦いといわれます。西暦680年のことですが、いまもいろいろなところでイラン人がこの話をするんです。するというのは、雑談ではなく、モスクに行ったときのモスクのイスラムの聖職者(法学者)たちが、この話をもう日本人でいえば『平家物語』ってこうだったのかな、というぐらい滔々と上手に物語にしていく。そこで聴いている人が、ものすごく真剣なわけです」

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