先日、怒りを鎮めるためのある手法を客観的に実証した、という論文がイギリスの
科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載されました。
どうすれば怒りが収まるのか?どんな実験なのか?この論文を発表した、名古屋大学情報学研究科の川合伸幸教授に聞きました。
名古屋大学情報学研究科 川合伸幸教授
「怒った時にその感情を紙に書いてゴミ箱に捨てるか、シュレッダーで裁断すると、怒った気持ちが消えてしまうという風な研究です。
50人の大学生に来てもらって、路上での喫煙とか学費の値上げについてどう思うかということを書いてもらって、大学院生が評価しましょう、と。で、この時に、こんな文章を書くなんて大学生として信じられない!もっとしっかり勉強して欲しいです、とひと言ちょっと侮辱した文章を書いたものを渡します。
こうしますとみなさん、しっかり怒りますので、その後に、今どういう風に感じてますか?ということを、「むっちゃムカつく」とか「アイツ、腹立つ」とかではなくて、やや客観的に書いてもらうということをします。
で、その紙を30秒ほどしっかり見つめてもらってから、半分の人はくしゃくしゃくしゃと丸めて後ろ向いてゴミ箱に捨てる。残りの25人の人はそれを裏返して机に置いておく。そうすると、捨てた方が怒りが収まったというふうなことになります。」
書いて捨てると怒りが収まる、と科学的に実証できたんです。
怒りを数値化して測る方法で、文章を書いた後辛辣な評価を見た時、丸めてゴミ箱に捨てた後、と測定したところ、裏返して机に置いておくだけの人とは怒りの数値が、まったく違いました。
ちなみに、紙に怒りを書くときに、めっちゃムカつく!といった感情的な文章ではなく、客観的に「わざわざ来て書いたのに、こんなひどいことを言われてとても傷ついた」という具合に書かせたのは、他の研究で、客観的に気持ちを書いた方が、怒りが収まりやすいと言われているので、捨てることの効果をより際立たせるために、そうしたそうです。
客観的に気持ちを書いても、捨てた人と机に置いたままの人では大きく差が出ましたから、書いて捨てる、というのは、効果があるということなのですが、まだ、なんとなく、「ほんと~?」という気持ちですか?
そこで、川合先生は、もう一つ似たような実験をしています。
名古屋大学情報学研究科 川合伸幸教授
「実験1では、くしゃくしゃっとして、後ろ向いてゴミ箱にポイっと捨てる、昭和の小説家がやってるようなことをしてて、残り半分の人は紙を置いてたので、パッと何かを投げつけると、それですっきりしたということも考えられるわけですね。
つまり、怒ってる気持ちを書いても書かなくても何か投げつければ、それだけですっきりするという可能性も考えられますから、実験2では、この箱に入れてくださいと言って、透明な箱に入れる人とシュレッダーにシュッと入れる人、ですから、動作が全く同じになるようにしたわけですね。
で、そうすると、シュレッダーでジャジャジャジャジャジャと切れてるのを見た人は怒りがスッと無くなったんですけども、ストンと入れただけで紙がそこにあるっていう人は、まだ怒りが高いままだったということになりますので、モノを投げつけたとか、そういう動作は全く関係なくて、自分の気持ちを書きつけた紙が捨てられた、あるいは裁断されたということの意味の方が大きい、ということになります。(自分で破いても同じですか?)あ、そうだと思います。むしろ気持ちいいかもしれませんね。」
動作でスッキリして怒りが収まったわけではない、というのも確認しました。
同じ動作になるように、机の前に透明の箱を持って行って入れてもらう人と、机の前にシュレッダーを持って行って入れてもらう人、という実験もしましたが、その結果は、動作は同じでもシュレッダーに入れた人だけ怒りが収まるということになりました。
自分の感情を客観的に書いて、それをしっかり見てもらって投影して、それを捨てる、とで、怒りを収めることが出来る、とデータでも裏付けられました。
自分で紙を破いてもいい、と川合先生がおっしゃっていましたが、なぜ、それを聞いたかと言うと、怒りを収めるのにもってこいの、あるノートを、思い出したからなのです。
どんなノートなのか。有限会社エディット代表取締役の水谷一生さんに聞きました。
有限会社エディット代表取締役 水谷一生さん
「『スカッとノート』というものなんですけれども、イヤなことがあった時に、その思いとか情景を書いて、破って捨ててもらう、っていうことを趣旨にしたノートです。
色んな紙で試したんですけれども、まず破り心地がいい物と、破った時の音がいい物と、あとは文字を書いてもらうために白い紙にするっていうその三つにこだわりました。
もうほとんど冗談に近いノートですね。いやあ、ありがたいですね。あの私ども、勘で、破ったら気持ちいいんじゃないかな、と思って作ったものですから、ホントにこういう研究がなされるとは思ってなかったので、嬉しい限りです。
10年ちょっと経ちます。最初は色々テレビとかラジオに取り上げられたので、結構売れたんですけど、最近はもうポツポツくらいですね。(出番では?)そうですね、だんだん在庫も少なくなってきてるんですけども、喜ばしい限りです。」
破り心地がとっても良いノート。破って捨ててもらうために開発されたノートです!
(こちらが、破り心地のいいノート「スカッとノート」です!!)
川合先生の今回の実証に従って、この「スカッとノート」に怒りを書いて、そして、サイコーの破り心地で破って捨てたら、もう完璧じゃありませんか?
実は川合先生に、破り心地を最優先で作られたノートがあるんです、と話したところ、興味津々。それは非常に効果がありそうですね、早速探してみます、と。
「スカッとノート」注文が殺到したら、ちょっと大変ですね、と言うと、いやあ、殺到はしないんじゃないですか?とあくまでも控えめな水谷さんでしたが、今後、川合先生のさらなる研究で、「スカッとノート」の実力と効果が明かされるかもしれませんよね。