ゲストは、株式会社ティア代表取締役社長の冨安徳久(とみやす のりひさ)さんです。ティアは、葬儀施行からアフターフォローや生前相談まで、幅広くサポートする葬祭企業です。悲しむひとに寄り添い、それぞれの希望を叶えていく仕事だからこそ、創業当初から大事にしつづけてきたのは「ひと」でした。
冨安 株式会社ティアは、1997年に名古屋で創業し、現在は北海道から関西まで、200店舗以上の葬儀会館を展開する葬祭企業です。葬儀施行や法要、アフターフォロー、生前相談まで、葬儀とその前後を含めたサポートを行ったり、50万人以上の会員様からのご要望を受けて、生活関連の事業をビジネスとして立ち上げ、お届けしています。
西田 どんなサービスの特徴があるんですか?
冨安 創業当初から、ひとの教育を大切にしています。葬祭プランナーとして葬儀のことを覚えるのは当たり前のことですが、それ以上に、一人ひとりの悲しみにきちんと寄り添い、それぞれの人生に合った葬儀を執り行うことを考えなければなりません。
西田 例えば、どのような努力が必要なのでしょう?
冨安 まずはご遺族とちゃんとお話しをすること。ただ受注表を埋めるだけの葬儀社には、なりたくないんです。生前の故人とは一度もお会いしたことがありません。ご遺族との会話から故人のことを知り、して欲しかったであろうことを拾い上げ、それを具現化していく、ということをやっています。
西田 ティアを立ち上げた背景には、葬儀業界の慣習や不透明さに対する疑問があったとうかがいました。おかしいと思われていたのは、どんな部分ですか?
冨安 値札のある商品がひとつもないこと。消費者の感覚で価格が決められているのではなく、言い値で価格が決まるということ。また、五倍も十倍も上乗せされた価格を、消費者に押し付けていたということです。
西田 ティアでは、価格をきちんと提示しているんですね。
冨安 はい。30年前にインターネットで見積もりを出せるようにしたのは、おそらく葬儀業界ではティアがはじめてだったと思います。
西田 お話をうかがっていると、ひとへの熱い思いがありそうですね。
冨安 ひとは宝なんです。葬儀は、ひとによって最大の差別化を図れるビジネスだと考えていて。教育を徹底的にやっているところが、ティアのいちばんの強みだと思います。
西田 現在、従業員は何人くらいいらっしゃるんですか?
冨安 子会社を含めると1,300人の社員がいます。
西田 その1,300人に対して、毎日教育がおこなわれているということでしょうか?
冨安 はい。20年前にティアアカデミーという教育制度を設けました。ティア・ヒューマンリソース・センターという研修センターを数年前に設置して、そこで新人やフランチャイズの教育を行っています。これは業界初のことでした。
西田 冨安さんの半生をもとにしたショートドラマがあるんですよね?
冨安 『最期の、ありがとう。』という作品です。もともと葬儀ビジネスのすばらしさを伝えたくて、みなさんが知らないような葬儀業界のリアルな部分を書き連ねていたんです。すると、たまたま出版社からお声がけいただいて。わたし自身、葬儀業界から死生観・人生観・仕事観などたくさんのことを学ばせていただいたので、「ちゃんと生きる」ということを伝えたくて本にしました。
『最期の、ありがとう。』公式サイトより引用
西田 今回それがドラマ化されたとのことで、主演は永田崇人(ながた たかと)さん。さらに、市原隼人(いちはら はやと)さんも出演されています。
冨安 18歳から現在に至るまでの出会いや経験を通して、葬儀という仕事がどんな意味をもつのかが描かれています。このすばらしい俳優さんたちに演じていただけて、ほんとうによかったです。
西田 ショートドラマは全50話で、YouTube・TikTokで視聴できます。今日は、株式会社ティアの冨安徳久さんにお話をうかがいました。ありがとうございました!
冨安 ありがとうございました!
(TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』より抜粋)