とりあえず生はNG!?お酒好きの肝臓専門医が教える”健康にお酒と付き合う方法”

お酒は楽しみたいけれど、翌日の二日酔いや健康診断の数値が気になる……そんな悩みを持つ方は多いはず。「とりあえずビール」で乾杯し、ついつい飲み過ぎてしまう夜を過ごしていませんか?

肝臓専門医の浅部伸一さんによると、肝臓を守りながらお酒と上手に付き合うには、いくつかの重要なポイントがあります。医師が実践する最新の飲み方テクニックをご紹介します。

休肝日翌日にドカ飲みは意味ナシ!重要なのは「純アルコール量」

昔から休肝日を作りましょうと言われますが、休肝日があればどんな飲み方をしてもいいわけではありません。「休肝日を作ったから翌日はたくさん飲んでも大丈夫」という考え方は間違いです。大切なのは頻度よりも、体に取り入れる純アルコールの総量です。

1日の適正な純アルコール量は約20gとされています。これをお酒に換算すると以下のようになります。

お酒の種類 1日の適正量(純アルコール20g) 危険ライン(60g=脂肪肝リスク)
ビール

中ジョッキ 1杯

3杯

日本酒

1合

3合

ワイン

グラス 1杯強

4~5杯

1日60gを超えて飲み続けると「アルコール性脂肪肝」のリスクが急上昇します。自分がどれくらいのアルコール量を摂取しているか、一度計算してみるのがおすすめです。

スタートダッシュは厳禁!「とりあえずビール」を回避するコツ

喉がカラカラの状態で「とりあえず生!」と駆けつける1杯は最高ですが、実はこれが飲み過ぎの引き金になります。最初に早いピッチでお酒を流し込むと、その日一晩で飲む総量が増えがちになってしまうのです。

飲み始めの工夫として、以下の対策が有効です。

最初の1杯は「ノンアル・低アル」にする:人が最初に求めているのはアルコールではなく「爽快感や喉ごし」です。最近のノンアルコール飲料はクオリティが高いため、一口目で喉を潤す目的なら十分代用できます。

ゆっくりスタートする:お酒の量を抑えるためには、スタート時のピッチを意識的に落とすことが大切です。

空腹で飲まない:胃が空のままだとアルコールの吸収が早まってしまいます。お酒を飲む直前や初期の段階で、胃に滞留しやすい「タンパク質・脂質・食物繊維」を含むおつまみを入れましょう。

おすすめの初期段階おつまみ

■枝豆(タンパク質・油分・繊維が揃った万能スタートメニュー)
■魚のカルパッチョ
■チーズ(少量)

※唐揚げなども効果的ですが、1個を食べ切ってしまうとカロリーが高いので注意が必要です。

二日酔い・悪酔いを防ぐ「お水」の力と種類選び

お酒の種類によって酔いやすい・酔いづらいはあるのでしょうか。「ウイスキーや焼酎などの蒸留酒は残りにくく、ワインや日本酒などの醸造酒は残りやすい」と言われることがあります。醸造酒の製造過程でごく微量に含まれる成分(メタノールなどの不純物)に敏感な人は、翌日に残る感覚を持つ場合があります。ただし基本的には「どれだけアルコールの総量を飲んだか」が最も影響します。なお、度数の高い蒸留酒をストレートで飲むと胃や食道を傷める原因になるため注意してください。

また、悪酔い・二日酔いを防ぐ最大の鍵は水分補給です。

アルコールには強い利尿作用があり、例えばビールを1リットル飲むと、体内からは1.1リットルの水分が失われて脱水症状を引き起こします。水分が不足すると肝臓の代謝能力が落ち、毒素であるアセトアルデヒドの排泄が遅れて頭痛や吐き気を引き起こします。

お酒を飲むときは、「同量以上のお水やお茶を合間に挟む」ことを徹底し、体内の水分を保ちながら楽しみましょう。自分に合ったペースを守ることが、長く健康にお酒を楽しむ一番の近道です。

(TBSラジオ『BRAND-NEW MORNING』より抜粋)

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