11年ぶりの5連休となったシルバーウィーク。旅行に出かけた方も多かったと思いますが、帰りに困るのが「荷物」です。行きはちゃんと入ったのに、お土産が増えて、帰りはスーツケースが閉まらない。
そうした中でいま、旅行者の荷物を圧縮してぺちゃんこにするサービスが、ホテルで広がっています。HISホテルホールディングス、東日本事業部のエリアリーダー、伊藤史樹さんに聞きました。
HISホテルホールディングス 東日本事業部エリアリーダー・伊藤史樹さん
「スマートパック」という機械。簡単に言えば衣類圧縮機。市販のビニール袋に、例えば衣服やタオルを詰め込んで瞬間的に圧縮される機械。Tシャツであれば3~4枚まとめて、プシューっていう空気が抜けていくような音が。で、本当に1分以内には圧縮完成です。海外のお客様、連泊されるお客様が非常に多い。チェックアウトする前日の夜のタイミングが利用されてる方非常に多くいらっしゃって。深夜2時、3時とかでも、「うわ、入らない、どうしよう」っていうところが多分多いんじゃないかなと思うので、やはり夜が一番利用頻度としては高いですね。ここまで利用いただけるとは思っていなかったですね。
その名も「変なホテル」。ここをはじめ、いま全国の宿泊施設で広がっているのが、衣類の圧縮機「スマートパック」です。見た目は小さめの冷蔵庫。衣類やタオルを袋に入れて機械にセットすると、自動でプシューッと空気を抜いて圧縮してくれます。Tシャツなら3~4枚、バスタオルなら2枚ほどを一度に入れられて、1回3分で300円です。
実はこちら、もともとは食品などを真空パックする業務用の機械でした。コンビニで見かける真空パックの「鶏むね肉」、あの技術を衣類に応用したものだそうです。
そしてホテル以外にも、こうした圧縮機が重宝されているのが、空港です。今年、空港で実証実験を行ったアパレル会社「SJOY」の川口相美さんに聞きました。
SJOY・川口相美さん
私たちが想像している以上に、空港に到着してから「荷物どうしよう問題」に直面してる方がこんなにいらっしゃるんだ…。インバウンド・国内旅行者関係なく、「その空港限定のお土産品を買いたい」だったりとか、帰りの最後の最後のチャンスというところで購入される方が多いみたいで。そうするとせっかく整理してた荷物がまた増えちゃって。で、空港でスーツケースを広げて荷物整理をするお客様がいらっしゃるんですね。それで広げて、あげくの果てにインバウンドの方はスーツケースを買い換えていかれるので、スーツケースそのまま放置されたりとかもありますし。なのでそういった方々に対して、圧縮できて、手荷物の数を減らせますよっていうアプローチの仕方でご案内をさせていただいております。
こちらの会社の圧縮は、先ほどと一味違います。空気を抜くのではなく、物理的に押しつぶす。服は細い繊維の集まりで、糸の中にも細かな空気が含まれています。それを圧縮することで、体積は最大で7分の1になります。
去年12月から今年1月にかけて、国内4つの空港で実証実験を行ったそうですが、空港では、大きなスーツケースに買い替えて古い方をそのまま置き去りにする問題があったり、紙袋や手提げ袋が増えて機内の棚にしまうのに時間がかかったりと、「荷物が増えすぎる」こと自体が悩みの種でした。手荷物の数が減れば搭乗もスムーズになって、出発の遅れを防ぐことにもつながる。こちらの圧縮機は2027年以降の本格導入を目指しているそうです。
ホテル、空港ときましたが、こうした圧縮サービスはゲームセンターでも需要があるそうです。冒頭の「スマートパック」を開発する、エレクトロラックス・プロフェッショナルの高木さんに聞きました。
エレクトロラックス・プロフェッショナル・高木潤一さん
ゲームセンターのUFOキャッチャーとかですね、「ぬいぐるみ」を取るUFOキャッチャーのそばに置いて、取ったぬいぐるみ、大型のぬいぐるみをパックしてちっちゃくして持ち帰る。今、UFOキャッチャーのぬいぐるみって大きいじゃないですか。あのソファのクッションぐらい大きい。で、そのクッションが例えば2個とか3個とか取っちゃうとかさばるので、パックしてる。もうぺっちゃんこですね。ぺっちゃんこになっちゃいます。そのまま、はい。まあ半分面白いので、見てても。真空でちっちゃくなるとかですね。ゲームセンターでは有料でその真空パックしてるんですよ、それでもやっていかれる方はいらっしゃるので、500円とか、ゲーム機並みに稼いでると思いますよ。
袋を開ければ、ぬいぐるみはまた元の大きさに戻ります。「大きすぎて持って帰れない」という弱点を、逆に新しいサービスに変える動きが広がっていました。
(TBSラジオ『森本毅郎・スタンバイ!』より抜粋)