元ヤクルトコーチ・宮本慎也の育成論。尾崎世界観が聞く
TBSラジオ「ACTION」、11月26日(火)。パーソナリティの尾崎世界観は、スワローズが大好き!ゲストコーナーには、元ヤクルトコーチの宮本慎也さんにお越しいただきました!コーチとして選手を育成する力についてお聞きします。
尾崎:まず、今日発表の新人王が気になるところなんですが!やっぱりヤクルトファンとしては村上選手に獲ってもらいたいなと思うんですけど、宮本さんはどうお考えですか?(※放送直後、村上選手の受賞が発表されました)
宮本:ライバルが近本選手ということで一つ一つ見るとタイプが違います。近本選手は盗塁王も獲ってますし、一番打者でずっと定着していた。村上は最下位の6番バッターのホームラン。というところで、どういう評価をされるか。ただ、僕はやっぱり野球の花ってホームランだと思うんで、なんとか村上に票が集まってほしいと思いますね。
尾崎:宮本さんは村上選手を指導される際、どういった点に気を使っていましたか?
宮本:もろ最近の子なのでなかなか厳しくし過ぎると難しいんですけど、監督の方針で最初から村上を使うということだったので三振しようがエラーしようが絶対使ってました。なのでちょっと特別枠じゃないですけど、周りからそうやって見られる可能性があったので、他の選手よりも口うるさく指導しましたね。
尾崎:接する時間も多かったんですか?
宮本:何かにつけて指導してましたので、たぶん彼は僕のこと嫌いだと思います(笑)
幸坂:え~!(笑)
尾崎:村上選手を褒めることもあるんですか?
宮本:もちろんしますけど、どうしても経験がない分失敗のほうが多いんです。プレーでの失敗はあまり叱ったことはないですけど、試合前の練習の態度だったり、ミスした次の日にその練習を怠っていたりっていうときに叱ってましたね。
尾崎:なるほど。あと個人的に廣岡選手についても気になっているんですけど、廣岡選手がホームラン打ったあととか宮本さんがすごく嬉しそうにしてるのが印象的で。
宮本:こういうのはあんまりよくないんですけど、他の選手より思い入れが強くなってしまう分、厳しい反面嬉しさもあったと思います。他の選手がホームラン打っても嬉しいですけど、そういうところはファンの方も結構クローズアップしてくれて。廣岡がミスしたら宮本がベンチ裏呼んで叱ってるとか(笑)
尾崎:一回ショートフライでタッチアップされて犠牲フライになったときが…。
宮本:あれはめちゃくちゃ怒りました。
尾崎:試合中にですか?
宮本:はい。その場で叱ってあげないと覚えないと思うんです。終わってから叱って「そんなこともあったなぁ。」みたいなんで終わらされると本人のために良くないので。僕は野村さんにその場その場で言われて覚えていった。最近の子は委縮するから~って言いますけど、廣岡は大丈夫だと思って。そしたらその日に4安打打ちました。
尾崎:仕事などをしていても思わずミスをしてしまうことってみんなあると思うんですけど、そういうときにミスをどうすることが大事なんでしょうか?
宮本:まず認めることじゃないですかね。
尾崎:認めること。
宮本:どうしても言い訳してしまうじゃないですか、グローブ見たりとかピッチャーがマウンドを足で色々やったりとか、ああいう仕草が一番好きじゃないですね。これのせいなんですよってみんなにアピールしてるように見える。ミスは誰でもするので、逃げないで次に同じ失敗しないようにするとか、そういうところで成長できると思います。
尾崎:指導者としても選手がミスを認められるか見ていたところでもあるんですか?
宮本:そうですね。ミスとかでは怒ったりはしないですけど、なんでこうなったかっていうのは考えなきゃいけないことですよね。
このあと、宮本さんの育成論まだまだ続きます!若者への指導の難しさ、根性論、宮本さんの寮時代のお話など伺いました。