なぜ梅雨明けは遅れた?今年が猛暑になる理由【気象予報士・増田雅昭解説】

TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」月~金曜日の11時から放送中!

毎月最初の月曜日は、天気が好きすぎる気象予報士・増田雅昭さんがご出演!今日のテーマは、「今年の夏の暑さはどうなる?!」そして「この夏おすすめの自由研究」でした。

なぜ梅雨明けが遅れた?

梅雨明けは各地で遅れました。今年は統計史上初めて7月に1つも台風ができませんでしたが、それとも関連しているんです。台風ができるくらい熱帯の海で雲が次々発生すると、強い上昇気流が起きます。その上昇した空気は隣にある夏の太平洋高気圧に下降して、高気圧を強めるんです。ビニールプールをふくらます時のイメージですね。空気入れが台風で、ビニールプールが太平洋高気圧です。上空で台風から空気が太平洋高気圧に送られ、高気圧がどんどん大きくなって日本を覆い、梅雨明けに近づくのですが、今年はそれがなかったんです。

この夏は猛暑になる!その理由は・・・

月は不順でした。冷夏なのかと思いきや・・・8月は暑くなります!!まずは「西暦下一桁0(ゼロ)のジンクス」。下一桁が0の年は猛暑が続いてるんです。2010年・2000年・1990年と猛暑!なので、今年も猛暑が来る!あくまでもジンクスでしょ?!そう思う方もいらっしゃるかもしれませんが・・・ジンクスはひとまず横に置くとして、、、本当に猛暑になりそうなんです!梅雨明けと同時に、台風が3号・4号と発生し、夏の天気の形になってきたんです。今後は太平洋高気圧が強まって、晴れ続きで、日に日に気温が高くなっていきます。例年は7月の終わり~8月はじめが暑さのピークですが、今年は遅れてきます。お盆すぎまで厳しい暑さで、特に10日すぎは東京でも35℃前後の日が続きそうです。実は、今年と似ている年があるんです。2007年。この年の7月は雨の日が多く、冷夏傾向でした。関東地方の梅雨明けも、今年と同じ8月1日。ところが、8月は晴れ続きで、日に日に暑くなり、とうとうお盆過ぎの16日には、74年ぶりに当時の国内最高気温を更新!埼玉県の熊谷と岐阜県の多治見で40.9度!今年も8月なかばにかけて暑くなりそうです。しかも、マスクをしていますし、本当に危険だと思います。

暑さに関する情報「熱中症警戒アラート」

今年から「熱中症警戒アラート」というものが関東甲信地方でお試しスタート。気温・湿度・輻射熱(壁や地面などからの熱)から「暑さ指数(WBGT)」を計算。この暑さ指数が33℃を超えることが予想されると、アラートが発表されます。高温に関する警報のようなものですね。環境省と気象庁が共同で発表します。アラートが発表される時は、非常に危険な暑さです。室内にいても危険なので、冷房を使って身を守る必要があります。年配の方には、声かけをしたいですね。

2020年夏 お天気的自由研究のススメ!

今年の夏休みは、短い学校も多く、自由研究がないという学校もあるかもしれませんが、自由研究がある学校は、短い期間で済ませないといけません。そこで、短くできるおすすめをご紹介!

1つ目は星空観察です。毎年お盆の頃に現れる「ペルセウルス座流星群」
今年は8月11日〜13日がピークで、多い所だと1時間に30個ほど流れ星が見られるそう。多く見える条件は…「天気が良いところ」「暗いところ=都会から離れる」それと、「海から離れた場所」です。湿気が多いと、白っぽくぼんやりして、見えづらいんですね。海から離れた内陸で、標高の高い所が、湿気が少なく良いと言われます。観察とともに、流星について調べるなどの研究はいかがでしょうか。

もう1つのおすすめが、気象庁の「気象科学館」です。
港区虎ノ門に先月リニューアルオープンしました。天気や地震のこと防災に関することを体感できたり、学べたりします。「ウェザーミッション」、「大雨ヒヤリハット」、「ミニアメダス」など、興味をそそられる名前の展示がいろいろと!コロナ対策の一環として、電話による事前予約(先着順)が必要となりますので予約をしたうえで、ぜひ行ってみて、研究のヒントにしてみてください。

タグ

日本銀行が踏み切った大規模緩和解除の影響とは『町田徹のふかぼり!』

経済ジャーナリスト・町田徹が毎週注目すべき国内外のニュースを徹底解剖。日本経済が抱える問題の本質、激動の国際情勢の行方について、時に冷徹に、時に熱く、語ります。

Facebook

ページトップへ