森田恭通、奥様・大地真央のハートを射止めたコラーゲン攻め

TBSラジオ「コシノジュンコ MASACA」毎週日曜夕方5時から放送!

2021年1月24日(日)放送

森田恭通さん(part 2)
1967年大阪府茨木市生まれ。10代のころからウィンドウディスプレイのアルバイトにかかわるとともに、大学在学中に神戸・三宮のバー「COOL」のインテリアを手がけたのをきっかけにデザイナーデビュー。大阪のデザイン会社に勤務した後、1996年に独立し、時代の寵児となります。2000年に株式会社グラマラスを設立し、現在も国内外を問わず、インテリアデザインやプロダクトなど幅広い創作活動を行っています。

出水:森田さんは大阪府の茨木市出身。そこには何歳までいらしたんですか?

森田:2歳ぐらいまでですね。ほとんど記憶はなかったんですが、そのあと父親の転勤で北九州に行くんです。

JK:お父様はどんなお仕事だったの?

森田:資生堂です。今はもうないんでしょうけど、資生堂を買ったお客様にいろいろグッズが配られるんですね。それがそうそうたるデザイナーの方がやっているんですよ。父はそれをもらって帰ってきて、それが家にいっぱいあったり、ポスターがいっぱいあったり・・・今思えば、そのセンスが入っていたのかなあって。

JK:資生堂の宣伝部は日本一でしたから!

森田:ですよね、だから資生堂で大きくしていただいたみたいな。子どものころはいろいろな刺激を吸収する人だったんだと思います。そういう中で、姉もいないのに自然とファッションが好きになって。僕は四人兄弟の長男なんですよ。

JK:仕事はみんな違うの?

森田:全然違いますね。下の弟は行政書士やったり、長女はバーとかネイルサロンを経営したり、一番下はカメラをやったり。

JK:森田さんも最近写真も撮ってらっしゃるんでしょ?

森田:あっ、よくぞ聞いてくれました! 写真は趣味でずっと撮ってたんですけど、仕事にしちゃいけない趣味だと思ってたんです。と思ったら、5~6年ぐらいですかね、僕が建築した白い壁に彫刻のようなモノクロームのような写真が欲しくて。他の方の写真で気に入っていたのもあったんですけど、高かったり、枚数が高かったり。だったら自分で撮ろうと思ったのがきっかけ。まぁ評価がよかったんで、結局それをやろうと。でも日本でやると「デザイナーの森田君が撮った写真」ってなっちゃうんで、一番厳しい場所でやろうと思ってパリでスタートしたんです。一番最初はめちゃめちゃ気合いれていったんですけど、次の日がテロだったねです。

JK:ああ、その時!

森田:そのとき警察の方が来て、撤収しろと・・・本当は1週間から10日やる予定だったんですが、レセプションだけで終わりました。でもレセプションを見てくださった方々の評価もあって、2年目3年目も続けることになって。

JK:写真の内容は?

森田:ほとんどモノクロームなんですが、最初は女性の身体を撮りました。世の中で美しいもの人間の身体だと思っていて、車のデザインにもなってるし、コカコーラの瓶もそうだし、いろんなデザインの源だと思ってるんです。僕は寄って取るので、よく見ないと女性の身体だとわからない。背中だとか胸元とか足元だとか。「これ砂丘ですか」っていう人もいるんです。

JK:ああそうか、なだらかなカーブが!

森田:モノクロで撮ることにも意味があって、僕は照明の仕事も大切だと思ってるんですけど、いかに美しい影を作るか。空間でも、明るいところを作るかじゃなく、いかに美しいシャドウを作るかを考えるんです。そうすると空間にメリハリがでる。写真もそうで、どう美しい影をつくるか。洋服も影があると立体感がでますよね。それで奥行きが出たり、幅が出たりする。

JK:ご本人の「これはマサカだった!」っていうのは?

森田:いっぱいあるんですけどねえ、どれから話していいか・・・最初はやっぱり衝撃だったのは神戸の震災。あれで人生変わったと言っていいか。当日、僕寝坊したんですよ。寝坊しなかったら高速の上だったんで・・・たまたま景色が見えるところに住んでいて、灯りが消えたなと思ったら炎が見えた。あの時は本当に怖かったです。

JK:すっごい経験しましたね。

森田:人生1回きりしかないな、と思ったんですね。そのためには悔いがないように、今やっているデザインの仕事も世界一を取ってやる!って自分の心が決まったところがあって。亡くなった方も含めて、自分が面白くやらなきゃと思いました。ハッピーなところでいうと、まさか今の奥さんと結婚すると思わなかった。それはマサカでしたね。

JK:どこで出会ったんですか?

森田:僕の友人が名古屋の時計屋さんで、大地真央さんと共通の友人だったんです。昔からみんなでお茶でもしましょうよ、って言ってたんですが、「できるわけないじゃん」って言われたり(笑)その友人が九州の舞台を見に行ったときに、「そういえば森田君って子がいて、みんなでご飯食べようって言ってるんだけど」「あらいいわよ」ってなったんです。それで僕がお店を段取りすることになって、友人の東山紀之君に電話して、「真央さんの好きなものなんだろう?」って訊いたら、「コラーゲンじゃない?」って(笑)

JK:(笑)

森田:それで友人がフグ屋さんをやっていたので、みんなでご飯を食べたんです。それがきっかけで、次は2人で会うことになって、また東山君に電話したら「やっぱりコラーゲンじゃない?」って(笑)で、東山君のいきつけのスッポン屋さんを紹介してもらって。お土産は何だろう?って訊いたら、「BABIってチョコレートがあるから、それがいいよ」って。彼女からしてみれば、なんで私の好きなものいっぱい知ってるのかなって。だいぶ経ってから種明かしするんですけれど。

JK:あらそう、じゃあ東山君のおかげね!

森田:でもそのコラーゲンは今でも続いていて、もう14年経つんですけど、舞台で疲れてるかなと思うと、ふかひれの姿煮を中華料理屋さんでテイクアウトして持って帰る。

出水:優しいですね~!

森田:それをすると、多少僕が仕事で遅くなっても笑っていただけるので(笑)

出水:著書の中にも、大地真央さんが尊敬されている1人だと書かれていますね。

森田:やっぱりリスペクトしてるというか、全然違う業界ですが、早い時期から業界に入って、独立して、ずっと主役しかやってない。それで第一線を走り続けて、引っ張っていく「魔力」というか・・・コメディエンヌとして面白いところもありますし。あの方も関西ですから、家では2人も関西弁です。

出水:どっちがツッコミですか?

森田:僕がボケてますね(笑)

出水:書著にある「仕事で必要な妄想術」をお聞かせいただけますか?

森田:デザインを考えるときって、世の中にないものを考えるわけじゃないですか。あったらいいなとか、持ちやすいグラスがあったらとか、こういうレストランに行ってみたいとか。世の中にないものを想像するんで、妄想から始まるんですよ。やっぱり現状に満足しない人が多いと思うんです、デザイナーって。

JK:人がやってるようなことは嫌だしね。

森田:そうなんです。二番煎じやコピーは嫌いで、オリジナリティなものをやりたい。となると、妄想に入っていくんです。禅みたいじゃなくて、楽しく妄想。たとえば、高級なレストランの仕事が入ったりすると、妄想の中で世界的なスーパーモデルと何人もデートするんです(^^)それこそナオミ・キャベルからクリスティン・ターリントンから・・・自由ですから! その人が座ったときに、トイレのドアが近くにあったらダメだなとか、高級なバッグを持ってたら、床に置くのはダメだからバッグ用の椅子がいるなとか。それで2軒目どこかに行く?ってなったときに、こんなバーがあるよ、ってバーの妄想に入っていく。ヒールを履いてたら、ここは段差があるから転ばないようにしなくちゃとか。現実のところと妄想をうまくミックスして考えてるんですね。

出水:昨年、12月から始めたのがオンライン・サロン『森田商考会議所』。

森田:大阪っぽいネーミングなんですけど(笑)僕自身がわりとメディアとかSNSとか苦手なんですけど、クリエイターっていろんな人とコミュニケーションをとりながらアイデアが生まれていくので、コロナ禍になったときに苦手でもやらなきゃいけないなと思って。 商いを考えるってことはクリエイティブだと思うんです。いろんな業界の人が集まって、コミュニケーションをとって・・・まだ始まったばかりなんですけど。

JK:結果的に商売になる。塾みたいなもんですか?

森田:そうですね、森田塾ですね。会員制なんですけど、毎月の月謝があって、月謝に耐えることを僕が頑張って、PRしたり、いろいろ考えてみたり。サークルと塾の間みたいな感じです。軽い面接はあるらしいんですが、基本的にはどなたでも参加できる。だからいろんな業界の方が集まってます。

JK:いいですね! 異業種でね。そういうところで誰と出会えるかわからないから。

森田:人数は限られたんですが、12月にちょうど個展をやってたので、その時に皆さんで集まったりとか。そういうことをやっています。SNSとか苦手なんですよ。超アナログなんです! 今でもデザイン画は手でやってますから。

JK:でもデザインって手が動いて始めてデザインよね。私も飛行機乗ったり新幹線に乗ったりすると何かやりたくなるの。

森田:僕なんか、ふつうの紙ナプキンに書いたりします。それがデザインになったりするんですよ。

出水:たしかロブションをデザインしたときにも紙ナプキンが活躍したんですよね?

森田:キッチンペーパーでした。ロウが塗ってある。僕がいつも持ってるロールの紙を忘れたんですよ。でロブションから修正を頼まれて、ロールペーパーを忘れたのに気が付いて、そしたらロブションが「似たようなものがあるぞ」って。たしかに似たようなものなんですが、ロウが塗ってあって全然かけない(笑)それをペンで、削りながら書いたものが一発OKいただいて、できたものが日本橋高島屋のロブションのカフェです(笑)それがきっかけでシャトーに続くんです。

出水:そうですか! そう思って見ると、また味わいも増しそうですね。その必死に書いてる姿がロブションさんの胸に響いたんでしょうね。

森田:僕の人生を変えた人がジョエル・ロブションでしたね。世界一のシェフとやるのは、自分の中でも戦いでした。こないだ世界中のロブションのレストランで配られるハウス・シャンパンのエチケットをデザインさせていただいて。亡くなっても縁が続くんだなと思うとうれしいですね。

JK:これからまだやりたいことあるでしょ?

森田:いままで個人的なオーナーとか会社とか多かったんですが、やっぱりパブリックなもの、例えば公園とか、公共のデザインをやりたいですね。

JK:ニーマイヤーとか好きでしょ。永遠に地球上に残るから。

森田:オスカー・ニーマイヤーも好きですね。ブラジルは最高です。彼も国の仕事をやってたんですが、僕も53歳として、何か後世に残していく公共の仕事をしたいですね。公園でも建物でもトイレでも、町に残るものをやりたいです。

出水:その時にどんな妄想をしたのか、また聴かせてください!


=OA楽曲=
M1. A Hard Day's Night / Quincy Jones

 

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