コロナ禍で需要減の「機内食」あの手この手

新型コロナの影響で航空業界は運休・減便が続き大きな打撃を受けています。それに伴い大幅に需要が減っているのが「機内食」。そんな中で各社が知恵を絞って今の時代に合わせた対応を考えています。TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で中村友美ディレクターが取材報告しました。

★機内食をネット販売、10分で完売!

まずは、ANAが去年から新たに始めた取り組みとは?

ANAケータリングサービス・外販事業部・企画営業課・原木大地さん
「率直に申し上げるとかなりの打撃を受けている。大体9割減くらい。その中で何とかこの状況を打破したいというのは元々ANAグループ全体としてございました。お客様から元々「機内食を自宅で食べるようなサービスがあったらいい」というお声があったので、空弁じゃないですけれども、実際に機内で提供しているメインディッシュをそのままの形態で販売しているものです。今販売しているものであれば、アジア路線に提供しているセットのメニューや、シドニー路線・ホノルル路線に提供しているメニューのセットの組み合わせも販売しております」

実際に国際線のエコノミークラスで提供している機内食をANAの通販サイトから購入できるサービスを始めました。例えばシドニー路線、ホノルル路線で提供していたメニューを「南国波乗りセット」として販売「ビーフハンバーグステーキロコモコ風」「ポリネシアンチキンBBQオレンジ風味」「根菜入りチキンハンバーグ」の3種類×4食、計12食分で送料・税込み9000円です。

▼ビーフハンバーグステーキロコモコ風


毎週水曜日の午前10時からの販売で、早いときは開始10分で完売、去年の12月から累計3万セットが売れているという人気っぷりです。旅行に行きたくても行けない状況だけれど、機内食を自宅で食べてちょっとでも旅行気分を味わえるといった声や、テレワークをしている人のランチとしての需要もあるということです。

★使わなかった機内食の弁当箱を商店街に寄贈

スカイマーク株式会社では、機内食の中身ではなく外側の「お弁当箱」について新たな取り組みを始めました。一部路線の運休で余ってしまったものをある所に寄贈したということなんです。

スカイマーク株式会社・客室業務推進部・客室企画課・谷明憲さん
「昨年の春からサイパン線が長期運休となったことに伴い、機内食用機が使われなくなってしまったということで、どうにか有効活用できないかということで、いろいろと模索しておりました。その中で弊社の本社のある羽田空港の地元である大田区商店街連合会の方が地元の商店街の各店舗において、容器を弁当箱として有効活用できるのではないかということで、積極的に賛同していただきまして、このたびの取り組みが実現しました。」

▼スカイマークの弁当箱。厚紙製だけど見た目に重厚感


スカイマークの成田―サイパン線は去年3月末から1年以上の運休。それに伴い機内食で使われるはずのお弁当箱がずっと手をつけられないまま放置されていました。弁当箱は食品と違って保存がきくのでは?と思ったのですが、長年放置してしまうと若干の素材の劣化があり、食材を入れるので衛生管理上あまり良くないということで、できるだけ早い段階で有効活用したいと考えていました。そこで、ちょうどテイクアウト需要が高まっている地元大田区の商店街とつながり、およそ6500個を寄贈しました。

★弁当箱効果でテイクアウトが活況!

スカイマークからお弁当箱を受け取った大田区商店街連合会側の反応とは?

大田区商店街連合会・広報担当・田村恵未香さん
「50店舗ほどご協力頂きまして、徐々にではあるんですけれども、弁当の販売を進めております。パン屋さんとかは、個包装で販売していた所をお弁当箱今回2段あるのでそれを利用して、サンドイッチとかをつめてちょっと工夫を凝らしたランチボックスみたいな形で販売したりっていうようなことで実際今まで販売してなかったところも今回の寄贈を受けて販売している所もあります。お店に並べると、お声がけ頂いたりとかぜひ買いたいっていうことでお客様の方からご予約が殺到するっていうこともありましてお店の方もかなり喜んでいただいております。」


商店街のお蕎麦屋さん、カレー屋さん、フレンチのお店など多岐にわたる飲食店でこのスカイマークのお弁当箱が有効活用され、お店によっては予約だけで予定数を大幅に上回るなどかなり好調。スカイマークの谷さんは「航空業界も飲食業界もコロナで大変な状況だけれど業界の垣根を越えて一つのことを成し遂げることができて嬉しい」と言ってました。なお、お弁当を販売する店舗は「大田区商店街連合会」のホームページで随時告知していくということです。
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上通にあるオモケンパーク ©RKBラジオ

北部九州・山口災害情報パートナーシップを結ぶコミュニティFM各局とRKBによるコラボ番組『ローカる!』。地域密着のコミュニティFM局のパーソナリティにとっておきの街ネタを紹介してもらう。4月は熊本県熊本市にある「熊本シティエフエム」とのコラボでお送りする。20日の放送では、熊本市中心部のアーケード・上通にある建物「オモケンパーク」を紹介した。(報告:『ローカる!』ディレクター荒木風花)

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