作詞家・松井五郎、60年代・70年代は「事件」だった

TBSラジオ「コシノジュンコ MASACA」毎週日曜夕方5時から放送中!

2021年5月9日(日)放送
松井五郎さん(part 1)
1957年岐阜県生まれ、横浜育ち。1981年、チャゲ&飛鳥の「熱風」で作詞家としてデビューし、その後安全地帯、氷室京介、坂本冬美、工藤静香、光GENJI、V6、その他アニメや特撮、韓流アーティストまで幅広いアーティストの作詞を手がけています。

出水:手がけた作品が3,000曲以上あるそうですね!

JK:覚えてます?! その3,000曲なんて強烈!

松井:そうですね、同じもの書いちゃマズいんで(笑)一応チェックして覚えてます。やっぱり時代時代によってオーダーも違ったりしますけど、あとは自分でバランスを取りながら偏らないようにしてるんですけどね。

JK:やっぱり歌い手の個性とか、時代とか、ウケるっていうのはタイミングですよね。

出水:たくさんある楽曲をどう管理しているんですか?

松井:今はデジタルで管理できるので、自分でリスト作って、自分ではわかってるつもりではいます。始まったころはアナログの時代だったんで・・・正確には3,200曲は超えてると思うんですけど、去年今年の部分はまだ数えていないので、まだわからないです。

出水:40年くらい活動して3,200曲以上ですから、単純に計算して1年に100曲以上・・・?

JK:1か月でどのぐらい?

松井:一番たくさん書いてたときは年間で250曲。毎日書いても足りないぐらいで・・・1日7作ぐらいが最高かな?

出水:ええ~

松井:最近はあまりないんですけど、昔はアルバムごとの作品作りがあったので、そうすると12~13曲を一度にバランスを考えて書く機会が多かったんです。1曲だけ集中して書くっていうよりは、いくつかの作品を同時に書く、みたいな。

JK:でも全然タイプの違う人のもたくさんやってらっしゃるでしょ? 頭の切り替えが大変ね!

松井:まぁ飽き性なんで(^^) 同じことばっかりやってるより、演歌やったりアイドルやったり、そういうのが楽しいです。

出水:起きてる瞬間はずっと詞が下りてくるのを待ってる状態ですか?

松井:結局、作詞だけを考えるより、楽しいことや自分が刺激になるものをただ受け入れてるだけで、単純にそれが歌詞になっていく。作詞だけ考えてるってことはないですね。

JK:先に歌詞があって作曲ですか? 作曲あって歌詞ですか?

松井:それはまちまちですね。曲が先にある場合もあるし、詞から先に書く場合もあるし。

出水:どちらがやりやすいとかあるんですか?

松井:それはタイプによります。例えば玉置浩二君なんかはたくさんやってきてるんで、やりやすさもある反面、次に何を新しくやるかで悩んだりもしますし、新しい方はその人の感性を感じるまで多少時間がかかったりもします。

JK:感性をのばすっていうか、引き出すっていう感じ?

松井:そうですね。やっぱり同じ目的に向かっていくときに、どういう音楽を育ってきてるかとか、どういう食べ物を食べて育ってきたかとか、そういう時代感があると思うんですよね。僕と同じ1970~80年代に映画を見たり音楽を聴いたりしてる人たちと仕事をするときは説明はいらないんですけど、今の若い人たちとやるときは全然文化が違いますから。

JK:今の若い人と70年代の人では全然違いますよね。70年代ってビートルズで育ったり、インターナショナルほやほやで、新しいことの始まりでしたよね。だから何をやってもOKだった。

松井:あのころ、もうちょっとさかのぼって60年代はファッションも音楽もそうだし、今までに前例がないものが生まれてきた時代だったと思うんです。だから冒険もあったでしょうし。今はその意味で、良し悪しではなく、いろんなものが出尽くした中で新しいことを考えていかなきゃいけないので、今の若い人たちはかわいそうな面もあると思うんですけど、逆にデジタルになった分コンピュータで音楽が作れちゃったりするんで・・・そういう変化はあると思います。

JK:ファッションもそうで、あのころはファッションと音楽が一体化して、やっと目覚めた時代だったわよね。

松井:70年代、僕はまだアマチュアでしたけど、音楽もファッションも「事件」のような感じがあったんですよね。ビートルズが日本にくる!とか、ローリングストーンズが日本にくる!とか。

JK:毎日がショック!っていうかね。専門家だけじゃなく、一般にみんなが目覚めた時代だったんじゃないですかね。だから流行るんですよ。

松井:いまはネットで普及のスピードは速いかもしれないんですけど、人づてに生身の人間から伝わって増殖していく感じっていうのは、あの頃のほうがリアリティがある気がします。

出水:松井さんの中で、一番印象に残っている「事件」は?

松井:世代的には遅いですけど、ぎりぎりローリングストーンズが初めて日本にきたとか、マイケル・ジャクソンぐらいまでは「事件」の匂いはありましたね。

出水:時代時代の匂いをかぎつけて、ヒットを作る秘訣って何かあるんですか?

松井:あったら教えていただきたいぐらい(笑) ある程度その時代に流行ってるものとか、リクエストされるものに応えていくやり方と、そこから一番遠いものを作り続けていくやり方。メジャーで仕事をしていると同時に、インディーズであるっていうか、それはバランス感覚として大事だと思っていて。いま売れてるものを追いかけるんじゃ遅いと思うんですよね。いまないものを同時に考えていく、そこに興味を持てるかどうか。

JK:いま「事件」っぽいのはないんですか?

松井:ん~・・・変な事件はいっぱいありますけどね。

出水:造形作家の駒形克己さんとコラボレーションした本『時と夢』というのがあるんですよね。

JK:すごくチャーミング! 作詞家と造形作家と新しいコラボって、言葉が立体的になった感じ。すごい新鮮じゃないですか?

松井:駒形さんはもともと安全地帯のアルバムジャケットをデザインされた方なんですね。80年代でしたかその時にお会いして、僕が詩集を出した時にも表紙をデザインしていただいて。20年ぐらいお会いしてなかったんですけど、たまたま再会して話が弾んで、一緒に何かやりたいって話で作った本なんです。駒形さんのデザインって平面であっても空間を感じさせる方なんです。

JK:そう、すごく余白がいっぱい。

松井:僕もそれがすごくすきで、詞を書く時も行間とか考える方なんですけど・・・今回も本に穴が開いていて、そこに「時と夢」という言葉だけが書いてあって・・・

JK:すっごいちっちゃい、1cmぐらいの穴! もう少し大きくてもよかったんじゃない?でもね、1ページ1ページ感動があります。同じ言葉なのに意味が違って、対照的。それが作詞家だなあって。見る言葉。

松井:っていうか気づきだと思うんですよね。言葉とか表現自体は誰もが同じものを見てるわけじゃないですか。色とか形もそうなんでしょうけど、それぞれの経験やそれぞれの見方によって、それぞれの中にあるものに気付いていく。そういうきっかけになるといいなって。

JK:この中で私が好きなのは、「時には限りがあって、夢には限りがない」。本当だなあって。たとえば「間を取る」ってあるでしょ。人は「人間」、空は「空間」、時は「時間」。「間」っていう言葉はすごく立体的な表現ができる。だからすごくイメージができる! その辺を思い出しちゃった。

出水:この本はどこで手に入るんですか?

松井:今度Gallery 5610で個展をやるんですがそこで売ってます。SNSもチェックしていただければと思います。

=OA楽曲=
M1. 悲しみにさよなら / 安全地帯

M2. 明日が聴こえる / J-FRIENDS

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(監修者:東京・池袋占い館セレーネ所属 小林みなみさん)





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■監修者プロフィール:小林みなみ(こばやし・みなみ)
編集・ライター。出版社、大手占いコンテンツ会社勤務を経て、フリーランスに。会社員時代に占いに初めてふれ、その世界にはまる。現在は、雑誌・Webで占い記事をメインに執筆している。

■協力:東京・池袋占い館セレーネ
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