【赤坂9F7Q】質問者:杉山真也アナ/回答者:小笠原亘アナ編

TBSラジオがある“9F”で働く縁のあるふたりに、お互い“7つ”の質問を投げかけてもらう企画「赤坂9F7Q」。


今回登場していただいたのは、生活情報や人生の知恵を届ける番組「ジェーン・スー 生活は踊る」のパートナーを担当している小笠原亘アナウンサーと、杉山真也アナウンサー。

 

「ラジオの放送前にやっていることは?」「ファッションのこだわりは?」「入社1年目のときのアドバイスの真意は?」など後輩の杉山アナからの質問に、先輩の小笠原アナが答えます。

 

杉山アナ 亘さん(※小笠原アナ)は、約5年に渡って「生活は踊る」の月曜パートナーを担当されていますよね。もし、オンエア前に毎回やっていることがあればお聞きしたいです。

小笠原アナ これ、たぶん聞きたい回答とは少し違うと思うんだけど……(笑)ポテトチップスが大好きで。「生活は踊る」の放送前には、ほぼ毎回食べてるね。

杉山アナ へえええ! 打ち合わせって、朝10時ぐらいですよね?

小笠原アナ そう、10時くらい。ディレクターが毎週違うポテトチップスを僕のために用意してくれてるんだよね。だから、そこでポテトチップスを食べながらスーさんを待つのが毎週のルーティンです。

杉山アナ そしたら、月曜日の朝はスタジオに行くのが楽しみですね(笑)

小笠原アナ そうだね。ディレクターも好みをわかって選んでくれるから、「ポテチ、バリバリ食べて、今日もバリバリがんばる!」って感じで毎週スタートする。……いきなりこんな回答で大丈夫かな(笑)

 

杉山アナ 月曜日の放送では、スーさんと小笠原さんの同世代ならではの軽やかなテンポ感を楽しめるのが魅力だと思っています。おふたりは同い年ですが、小笠原さんにとって、スーさんはどんな人ですか?

小笠原アナ 僕はあんまり女性の友達って少ないんだけど、彼女はなんでも話せるようなところがあって。そこには、同じ時代に同じものを共有してきたからこその何かがあるのかな。

杉山アナ 月曜日の放送では、お互いが素の状態でいきいきと話されている印象です。スーさんが「小笠原さん」じゃなく「亘(わたる)」と呼ぶ場面もあったりとか。

小笠原アナ スーさんはズバリ「自分を正してくれる人!」。ときには、打ち合わせでスーさんに叱られて気づかされることもある。そんな風に、自分を正しい道へ引っ張っていってくれる人かな。

杉山アナ そうだったんですね。

小笠原アナ ちなみに、妻も似たところがあって。妻とスーさんはたまに連絡を取り合ってるみたいだし、ある意味両輪で引っ張ってもらっている感じだね(笑)。

杉山アナ これまで「生活は踊る」の月曜パートナーを担当してきて、印象深い出来事はありましたか?

小笠原アナ まさについ最近、ヒグチアイさんと会えたのは嬉しかったですね。というのも、ヒグチアイさんとは10年ほど前に「Kakiiin(カキーン)」というラジオ番組で注目のアーティストとして取り上げていて、それから密かにファンというか、ずっと気にしてたんです。そんななか、今放送中のスーさん原作のドラマのエンディング曲に起用されたということで、番組に来てくれて。

杉山アナ 10年ぶりというのは、嬉しいですよね。

小笠原アナ そうそう。しかもその曲が「縁」と書いて「ゆかり」っていう歌なんですよね。だからすごく嬉しかった。

杉山アナ まさに「縁」を感じますね。

小笠原アナ スーさんと俺とヒグチアイさん、それぞれに縁があったわけで、「(長い間活動を)続けてきて良かったね」って3人でほっこりしました。しかも、その日はスーさんの誕生日ということで、吉田羊さんもひょっこり来てくれて。本当にスペシャルな日だったね。

 

杉山アナ 亘さんがスポーツ実況で活躍されていることは多くの方がご存知かと思いますが、そもそもなぜスポーツの実況を主戦場として選んだのか、その理由をお聞ききしたいです。

小笠原アナ これは、正直に言えば会社の方針かな。実は、入社試験では「スポーツ実況をやりたい」なんてことは一言も言ってなくて。当時は「ラジオパーソナリティーをやりたいです」と言ってたと思う。

杉山アナ ええっ! そうだったんですか?

小笠原アナ うん。入社後は、スポーツアナウンサーが足りないからスポーツ中継の勉強をすることになったんだけど、最初は全然うまくできなくて。出来が悪いのが悔しくて「なにくそ」って気持ちでやっていましたね。野球経験がほぼなかったから、最初は野球のルールを知らなくて怒られたくらい。

杉山アナ そのお話は初めて聞きました。「もっと他の仕事をしたい」という気持ちにはならなかったんですか?

小笠原アナ 当時は、「この仕事がしたい」って選べる感じではあまりなかったからね。それに、苦手なことでもやっていくうちに面白くなるじゃない? それを続けて、今に至った感じです。

杉山アナ これまで「実況をやっててよかった」と思えた瞬間や、思い出に残っているシーンはありますか?

小笠原アナ 特に印象深かったのは、今年4月の松山選手のマスターズ優勝、そしてロンドンオリンピックのボクシング・村田諒太選手の金メダルかな。この2つは本当に「スポーツ実況をやっててよかった」と思いました。

杉山アナ いずれも日本のスポーツ史に残る、長く語り継がれるであろう場面ですね。

小笠原アナ そう、2012年のロンドンオリンピック。村田選手は自分と同じ東洋大学出身というのもあって、かねてより親交があったんだよね。現地で彼に取材したときに、「絶対に小笠原さんに金メダルの実況をさせますから、準備しておいてくださいよ」って言われて。そのあとに金メダルを獲ったからね。

杉山アナ かっこいい。有言実行ですね。

小笠原アナ そういうシーンに立ち会えるのが、やっぱりスポーツ実況の醍醐味だね。とはいえ、実況に大きい小さいはなくて、どんな競技や試合も面白いよ。

 

杉山アナ いつもお洒落な小笠原さんに、ファッションで意識しているポイントを教えていただきたいです。

小笠原アナ 服については、全て妻のおかげですね。昔は本当にひどかったと思います。ファッションが変わったのは妻と結婚してから。だから服を褒められたときは、いつもアドバイスをくれる妻にちゃんと報告します(笑)

杉山アナ スーさんもよく「小笠原さんのファッションは妻のおかげだ」なんて話をしていましたが、まさに奥様がいいアドバイザーでいらっしゃったんですね(笑)

小笠原アナ 本当にそう。スーさんもそれをわかってるから、「今日のコーディネートも妻ね?」って(笑)。ただ個人的なポイントでいうと、服に着られないようにと思って、身体は意識的に鍛えています。

杉山アナ トレーニングの背景には、服をお洒落に着る目的もあったんですね。普段はどんなトレーニングをされてるんですか?

小笠原アナ スーツやTシャツを綺麗に着こなせるように、肩や背中を中心に鍛えています。自粛中のトレーニングはビリーズブートキャンプ。随分昔にファンの方がくださったのをきっかけに始めて、いまでも定期的にやっています。

 

杉山アナ 私が入社1〜2年目ぐらいのときに、亘さんからいただいた「アナウンサーとしてのキャラクターを作れ」というアドバイスが今も印象に残っています。この言葉の真意と、入社15年目になった私の達成度をお聞きしたいです!

小笠原アナ そんな失礼なことを言ったっけ(笑)!

小笠原アナ きっと当時の意図としては、杉山にもっとオリジナル性が加われば、番組やコーナーを任せてもらいやすいと思ったんだよね。「この番組は杉山以外でもできるな」だと困るわけだから。それが今や「杉ちゃん」と呼ばれるキャラクターがあるし、バラエティ番組でも自分を出して勝負してる。素晴らしいよ。

杉山アナ ありがとうございます……! 当初は、言葉の意味はわかっても実践がすごく難しくて。「自分の色は何なんだろう?」と試行錯誤を繰り返して今があるので、すごく嬉しいです。

小笠原アナ 東大王の実況でも、自分なりのコメントを差し込むとか、かなり勝負してるよね。

杉山アナ オリジナル性を出すことは、すごく意識していますね。「生活は踊る」でも亘さんの存在があるからこそ「火曜日はどんな色だろう?」と意識するようになりました。

小笠原アナ うんうん。この仕事は「自分なりに何かやってやろう」という心意気がなければつまらないだろうし、声もかからないだろうし。すごくいいと思うよ。

杉山アナ 「何かアドバイスください」という若手アナウンサーがいたら、私もこの言葉を伝えたいです。

小笠原亘/TBSアナウンサー。1973年生まれ、岩手県出身。『ジェーン・スー 生活は踊る(月)』『ひるおび!(火)』といった番組のほか、マスターズゴルフのメイン実況などを担当。
杉山真也/TBSアナウンサー。1983年生まれ、東京都出身。『ジェーン・スー 生活は踊る(火)』『安住紳一郎の日曜天国』『東大王』『ジョブチューン』などの番組を担当。

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