ネコの耳あかの色が人間のと違うのはどうして?

TBSラジオ『パンサー向井の#ふらっと』毎週月曜日~木曜日 朝8時30分から放送中!

2023年3月22日放送

ふらっと こども電話相談室

TBSラジオで長年親しまれた名物企画「全国こども電話相談室」(1964年~2008年)のコンセプトを受け継いだコーナーです。パンサーの向井慧が「電話のお兄さん」となって、毎回、様々な質問に合わせた頼もしい先生をお呼びしています。今回の相談は・・・

Q.ネコの耳あかと人間の耳あかの色が違うのはどうしてですか?(千葉県 けんくん 8歳 小学2年生)

(回答した先生)草場宏之さん/獣医師

向井お兄さん:けんくん、ネコを飼ってるの?

― はい。

向井お兄さん:名前は?

― おかかとにしんです。

向井お兄さん:かわいいね(笑)。なんでその名前になったの?

― 色がそれっぽいからです。

向井お兄さん:ははは、かわいいねえ。ネコの耳あかを実際に見たの?

― はい。

向井お兄さん:どんな色だった?

― こしあんみたいな色です。

向井お兄さん:ちょっと濃い茶色って感じかな。

― はい。

向井お兄さん:人間の耳あかは・・・自分からも出るもんね。どんな色だった?

― 黄色です。

向井お兄さん:そうだよね。

草場先生:けんくん、こんにちは。ぼくも小さい頃から動物をいっぱい飼っててそのときから獣医さんになりたいって思ってたんだけど、ネコの耳あかと人間の耳あかの色が違うなんてこと全く気にならなかったんだよね。だからすごいなって思って話を聞いてたんだ。それで、おかかちゃんとにしんちゃんがいるんだね。

― はい。

草場先生:どっちの子が心配なの?

― にしん。

草場先生:にしんちゃんは耳がかゆいのかな?

― かゆいとは言ってない。

草場先生:かゆいとは言ってないか(笑)。

向井お兄さん:ネコちゃんだから「かゆ~い!」とは言えないもんね(笑)。

草場先生:そうか、しゃべってないか(笑)。ぼくね獣医さんの仕事をしてるんだけど、耳の中をよく見たりするのね。そうすると、耳の中に小さい生き物がいっぱいいるの。「細菌」って聞いたことある?

― ないです。

草場先生:細菌っていう目に見えない小さな生き物がいっぱいいてね、それが人間とおかかちゃんやにしんちゃんとでは結構違うんだよね。どんな細菌がどれくらいいるか、その違いで耳あかの色が変わったり、かゆくなったりするみたいよ。

― おー。

草場先生:あとは耳の脂(あぶら)があるんですけど、ベタベタの度合いでも結構色が変わったりするみたい。耳の中は汗や雨が入ってこないように脂がいっぱい出るんだよね。脂の量もおかかちゃんやにしんちゃんとけんくんでは違うから、脂の量でも耳あかのベタベタの度合いや色が違うんだって。

― はい。

草場先生:ネコちゃんは耳あかがいっぱいたまっちゃうと、かゆくなりすぎて引っかいてけがをしちゃったりするんだよね。けんくんもかゆくなったりしない?

― あー、たまにあります。

草場先生:たまにあるよね。おかかちゃんとしんちゃんの耳掃除はしてる?

― いえ、まだないです。

向井お兄さん:ネコの耳掃除はおうちでもできるものなんですか?

草場先生:実はワンちゃんよりネコちゃんのほうが難しいとも言われています。結構ネコちゃんは嫌がったりすることが多くて、嫌になるともう二度とやらせてくれなかったりする子もいるので、かゆみがひどくなる前に普段から耳の中をよく見てあげて、早めに動物病院に連れてきてくれるといいと思います。だから時々見てあげてよ。

― はい。

向井お兄さん:ネコちゃんは自分で「かゆい」とはもちろん言えないけど、様子を見たらわかるんですか?

草場先生:そうですね。後ろ足で耳を引っかいてみたり、顔を振ってみたり、耳をプルプル震わせてみたり、そういうのが「かゆいよ」っていうサインです。

― あー、なるほど。

向井お兄さん:そういうときは動物病院で掃除してもらったほうがいいということなんですね。けんくん、これからもにしんちゃんとおかかちゃんをかわいがってあげてね。

― はーい。

(回答者プロフィール)草場宏之さん。獣医師。神奈川県にある横浜戸塚プリモ動物病院の院長。小さいころは恐竜の研究者になるのが夢でしたが、小学生のときに動物行動学について書かれた本『ソロモンの指環』(コンラート・ローレンツ著)に出会って、獣医師の道に進みました。

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