【前編】宇多丸『イコライザー THE FINAL』を語る!【映画評書き起こし 2023. 10.19放送】

TBSラジオ『アフター6ジャンクション2』月~木曜日の夜22時から放送中!

10月19日(木)放送後記

TBSラジオ『アフター6ジャンクション』のコーナー「週刊映画時評ムービーウォッチメン」。宇多丸が毎週ランダムに決まった映画を自腹で鑑賞して生放送で評論します。

今週評論した映画は、『イコライザー THE FINAL』(2023年10月6日公開)です。

宇多丸:さあ、ここからは私、宇多丸が、ランダムに決まった最新映画を自腹で鑑賞し評論する、週刊映画時評ムービーウォッチメン。今夜扱うのは、日本では10月6日から劇場公開されているこの作品、『イコライザー THE FINAL』。

デンゼル・ワシントン演じる「ロバート・マッコールさん」が、この世にはびこる悪を裁いてゆく、人気アクション『イコライザー』シリーズ、第三作。イタリアのシチリアで、とある仕事をこなしたマッコールさんだったが、その際に大怪我を負い、アマルフィの田舎町にたどり着く。街の人たちと親しくなっていくが、街の平和を脅かすイタリアンマフィアの存在を知る。やっと見つけた居場所を守るため、マッコールさんは再びイコライザーとなる……デンゼル・ワシントンの他、CIAエージェント・コリンズ役でダコタ・ファニングが、『マイ・ボディガード』以来のデンゼル・ワシントンとの共演、となっております。監督は、過去二作に引き続き、アントワン・フークアが務められました。

ということで、この『イコライザー THE FINAL』をもう観たよ、というリスナーのみなさま、<ウォッチメン>からの監視報告(感想)、メールでいただいております。ありがとうございます。メールの量は、「多い」。この番組でもね、特集をやったりしてますし。まあなんていうか、「みんな大好き『イコライザー』」というか、「みんな大好きロバート・マッコールさん」っていうのがありますんでね(笑)。この番組を聴いてるような方は、行かれる方が多かったんじゃないでしょうか?

賛否の比率は、褒める意見が8割強。まあ、ロバート・マッコールさん……ねえ。ロバート・マッコールさんが出ていれば、それでいい!(笑)っていうこともあるかもしれません。主な褒める意見は、「今回も相変わらず最高! マッコールさんの暴力がエスカレートしていて、ドン引きしつつも溜飲が下がった」「イタリアの景観も美しい」「続編がもっと見たい。でもこれで終わりというのも悪くない」などいろんな意見がありました。一方、否定的な意見は、「相手が弱すぎるし、殺し方のバリエーションが少なく物足りない」「前作までの良かったところが失われている」……まあその、マッコールさんの強さに対して、相対的にどこまでやれば「強い」か?っていうのはもう、わかんないですけどね(笑)。前回、「2」のあの同僚対決も、別に同僚はそんなに(マッコールさんを)脅かしてないからね。マッコールさんの強さの総量に対してはもう、強い・弱いはあまり関係ない気もしなくもないが(笑)。

「マッコールさんがスクリーンに帰ってきてくれただけで1億点!」(リスナーメール)

ということで皆さん、すごくいい感想をいただいていて。いっぱいご紹介したいんですよ。ラジオネーム「ゐーくら」さん。「『イコライザー THE FINAL』、ウォッチしました。賛の意見です。『イコライザー』シリーズは大胆な省略とDIYな戦術を見せる……」。つまり、「(その場に)あるものを使う」というね。「……戦術を見せる一作目、長屋ものとイコライザーの内情を描く続編、そして観光映画+スラッシャーホラーの本作と、アプローチを少しずつ変えているのが特徴です」。「1」「2」「3」と少しずつ違う、確かにそうかもしれない。

「特に本作でのホラー的演出は、ゴア表現はもちろん、シークエンス中は表情を映さない撮り方、マイケル・マイヤーズ的な瞬間移動……」。もう、ほとんど「ブギーマン」だっていうことですよね(笑)。「先に血液が滴り落ちてきてからのドーン! など、完全に被害者目線で描かれ、マッコールさんに容易に感情移入できる作りにはなっていません。

ただし彼の動機のベースには必ず人助けの心があることはシリーズを通じて一貫しています。一作目ではCIAの友人に殺戮の許可をもらいに行っていたマッコールさんですが、その友人を失った二作目以降、『人に親切にするという自分の良心に従うこと、そしてその為に自分の力を行使すること』の2点を遵守しています。この2点それぞれで行われることは、本作全編に用いられる光と闇の撮影の様に対照的です。しかし、彼はそこに疑問を持つこと自体を諦めているようにも見えます。劇中でマッコールさんが何度も眺める十字架は、彼が特殊工作員時代にやってきたことの贖罪としての人助けを意味するのか、あるいはこれから行う殺戮行為の赦しのためなのか分かりません。ただ、罪人には基本的に敵自身が向けた刃で反撃することや……」。彼らがこうやって(攻撃に使って)きたもの(武器)で、ガーッとやったりする、という。

「……罪の大きな者にはしっかりと苦しみと後悔の時間を与えることで、罪を贖うせようとしていることは間違いありません。原題は『The Equalizer 3』なので、まだまだ続きが見たいという気持ちもありますが、マッコールさんの心身の安寧を願い、あの地が終の住処となる様にと付けたのならば、『THE FINAL』という日本題もアリなのではとも思います」。マッコールさんに幸あれ!という気持ちですよね。

そしてラジオネーム「ニスイ」さんは、すごい褒めのメールをいっぱい書いていただいたんですけど……それもすごく面白かったんですが、この方はね、「以下は少し残念だった点です」っていう風に書いていただいていたことがすごい面白くて。「残念だった点」という……すごく全編、絶賛していただいているんですよ。その中で、残念だった点。「道に悩んでいる身近な人を、厳しくも暖かい言葉で励ますシーンが少なかったことと、殺すのではなく拷問して反省、立ち直らせる程度の悪人(マッコールさんの独断と偏見)がいなかったことです。私は心にイマジナリーマッコールさんを住まわせており、立ち直りたい時や気持ちを奮い立たせたい時に励ましてもらっていました。マッコールさんのカウンセリングやお説教シーン(場合により拷問付き)需要にもう少し応えて欲しかったなぁと思います。アクションが少なかった点は、あと100作作っていただければ解消しますので、これでfinalなんて言わずに是非続きをお願いします!」というね、ニスイさん。

あとですね、これもちょっと長くて、とてもちょっと全部は読めないんですけど、「気の利いたパス」さんからいただいたメール。これ、めちゃくちゃ面白いんで。気の利いたパスさんはこれ、どこかに上げた方がいいと思いますよ、ブログだかどこかに。たとえばね、マッコールさんが、敵のチンピラチームがみかじめ料を取ってバイクで走り去っていく時に、杖を肩で持っているんですけども。それの、なんと言うかな、キリスト教的な象徴性っていうか……全体にそのキリスト教的な象徴性っていうのが、場所柄もありまして、いっぱい入ってる本作ですけども、そこの読みとかもすごく面白いし。

マッコールさんが繰り返し、街を出ようとしているんだけど……やっぱりその出ようとしたタイミングでいろんなことが起こったり。ついには出きれない、という、その心情の描き方の繊細さであるとか。あと最後にね、マッコールさんがリンゴをかじる。それもやっぱりその、キリスト教的なメタファーの読みであるとか。めちゃくちゃ「気の利いたパス」さんのこの読みは面白いし、これを読むとすごく、やっぱり『イコライザー3』がさらに面白く感じると思うんで。本当にこれ、どこかに発表した方がいいと思います。見事な評論だと思います。

一方、ちょっとダメだったっていう方のもご紹介しますね。ラジオネーム「チンチン電車」さん。「賛否で言うなら、やや否です。『イコライザー』の中では、一作目が大好きです」というような方。「少しでもマッコールさんに近づきたくて、スント(腕時計)を買い、ニューバランスを履き、海外サイトでマッコールさんが読んでいるであろう文学100冊を調べて、ダイナー的なところ(近所のガスト)で読みながら人生を送ってきました。今作では一作目で素晴らしかった読書、説教、いろんなもので敵を倒すマーベラスなところが完全に後退しており、シリーズの新鮮さが失われていました。音楽もザック・ヘムゼイの『Vengeance』(一作目のクライマックスで流れる曲)のような脳汁が垂れてしまうようなものがなく、寂しく思いました。

魚屋で、魚を投げつけ粗末にしたギャングを見て、第一作が好きな私としては反射的に、マッコールさんに魚で殺害されそうだなと予想。ワインを開けるギャングを見れば、ワインオープナーで殺害されそうだなと予測。どうやって殺害されるかワクワクしてみていても、銃やナイフであっさり殺害で肩透かしをくらいました」。まあ、ワインオープナーはちゃんと使ってたよね。刺さっていましたね……「事後」でしたけどね(笑)。

「そこは、冷凍した魚で撲殺。瀕死のギャングに食べ物を粗末にするなと説教。これくらいはお願いしますよ! でも、やっぱりマッコールさんがスクリーンに帰ってきてくれただけで1億点です。フークアさん、続編を頼みます!」。やっぱりみんな、好きで好きでしょうがないんですね。「凍った魚で撲殺」って……(笑)。ということで皆さん、ありがとうございます。

「マッコールさん、もうちょっと早くやっちゃってよ!」(木曜パートナー熊崎風斗)

宇多丸:ということで熊崎さんもね、ご覧になりましたか?

熊崎:観ました、観ました。もう最高です。

宇多丸:いかがだったでしょうか?

熊崎:わかりやすい勧善懲悪でもう、いいですね。もう安心して……「やられようがないな」という安心感をもって観れるというか。あとはもうちょっと殺め方は全然かわいくないですけれども。なんていうんでしょう? まあ、その悩むシーンというか、そこに至るまでのシーンとかの悩みとかもよかったですし。個人的にはギャングに痛めつけられてる、あの子供がいる家族。もうあの人たちがかわいそうでかわいそうで致し方なかったので。「マッコールさん、もうちょっと早くやっちゃってよ!」みたいなことを思いながらも。「ただ、もうここでやっちゃったら時間も短くなっちゃうし……」みたいなところも思いながら。でも、2時間弱ぐらいですかね? 2時間弱ぐらい、あっという間に。一気に最後のグッと上がるシーンも含めて、楽しかったし、最高ですし、続編も観たい!

宇多丸:これだけ勧善懲悪がガシッとある作品って、今時のエンターテイメントの中では珍しいぐらいですよね、本当にね。

熊崎:ド直球の勧善懲悪というか。

宇多丸:で、これぞまさに監督のアントワン・フークア節!というところ、ありますね。熊崎さん、ありがとうございました。

ドラマ~映画化までの経緯を軽くおさらい

ということで、早速ですが『イコライザー THE FINAL』、私も番組での特集用のために試写で一足先に拝見したのと、TOHOシネマズ日比谷のIMAX、そしてT・ジョイ PRINCE 品川のIMAXでつい先ほど、計3回、観てまいりました。まあ本作は、別にIMAXカメラで撮影されたところがあったりするわけじゃないので……2.39:1の、普通のシネマスコープサイズの作品なんで。IMAXマスト、という作品ではないですけどね、別にね。私は時間が合うから、たまたまそれに行ったという感じです。

ということで、『イコライザー3』でございます。『アフター6ジャンクション2』、去る10月3日(火)に、多田遠志さん、てらさわホークさんをお迎えしての、「『イコライザー』サーガ」特集をお送りしました。詳しくはそちらもね、ポッドキャストでぜひ聴いていただきたいんですけども。

一応、この場でもざっくりおさらいしておくならば……元は、アメリカ本国では1985年から1989年にかけて、CBSで放送されていた人気テレビドラマシリーズ。主演は、カルト映画『ウィッカーマン』でおなじみエドワード・ウッドワードさん、という。で、日本でも90年代に、『ザ・シークレット・ハンター』という日本題で深夜に……多田さんたちによれば不定期に、ちょいちょい放送されていたってことで。僕はこれはちょっと観れてなかったんですが、それに先立つ89年に、『クライムシティ』という邦題で、スペシャル版がVHSで出ていて。これは私の家のソフトコレクション、「UTAYA」にあったりしますけども(笑)。

要はこの、一見非常におとなしい、穏やかな中年、初老の主人公が、世はびこる悪と、それに泣かされる罪なき人々、その間にある不正義というのを正すべく……すなわち「イコライズ」すべく、昔とった杵柄、CIAで培った特殊技能で、密かに悪人たちを抹殺していく、という。まあ「闇の仕置人」的な設定なわけですね。日本では『必殺』シリーズみたいな、そういう設定フォーマットがあって。

で、そのリブート映画化っていう……最初はラッセル・クロウ主演、ポール・ハギス監督で企画が進んでいたりしたこともあるらしいですが、結果デンゼル・ワシントンが主役に決定して。で、『16ブロック』とか『メカニック』など、どこか70年代の香りが漂う犯罪アクション物を手がけてきた、リチャード・ウェンクさんという方が、デンゼル・ワシントン主演前提で脚本を改めて書いて……という。

でね、監督も結構二転三転しまして。『ドライヴ』のニコラス・ウィンディング・レフンとか、『猿の惑星:創世記』のルパート・ワイアットなどが候補になって、二転三転した挙句、最終的には、デンゼル・ワシントンの代表作のひとつ『トレーニング デイ』を手がけた、アントワン・フークアさんが決まったという……ちなみにそのリチャード・ウェンクさん、今回の、デンゼル・ワシントン前提での脚本を書くにあたって、やっぱりあれでしょうね、イメージの源泉としては、『マイ・ボディガード』っていうね、2004年のトニー・スコットの作品がありますけども、そのデンゼルの主人公のイメージはあったはずだと思いますけど。とにかくそれで、アントワン・フークアさんになったという。

デンゼル版が作り上げた、魅力ある主人公像

アントワン・フークアさん、1998年チョウ・ユンファ主演の『リプレイスメント・キラー』で映画監督デビューする前までは、主にR&Bのミュージックビデオをいっぱい作っていて……昨日のね、コンバットRECを招いての、「秋の(化粧品CM)キャンペーンソング特集」の中で最後にかけた、松田聖子さん「ピンクのモーツァルト」。その松田聖子さんが90年代半ば、アメリカで活動されてた時のミュージックビデオも、アントワン・フークアさん、3本手がけています!

ともあれこのデンゼル・ワシントン&アントワン・フークアのコンビ、やはり抜群に相性が良かったのでありましょう。たとえばこの、ロバート・マッコールさんという主人公の造型ですね。オリジナルテレビシリーズとだいぶ変えている造型……普段は人当たりの良い、面倒見の良い初老の独身男性が、静かに静かに、ミニマルに暮らしている。なんだけども、ほとんど強迫性障害的にも見える、身の回りへの潔癖なこだわり……持参したスプーン、ナプキンなどを並べる、みたいなのもそうですし。トレードマーク、スントの時計を使っての時間計測、などなど、そういうちょっと強迫性障害的なところがあったりとか……あとは、ドアを5回バタンバタン!ってやる、みたいなね。

そういう強迫性障害的なところがあったりとか、あとは不眠症でもあるらしいことなど、その穏やかな人柄の内側に、なにかを必死で押さえつけようとしてる……内面では実は激しく葛藤している人だ、ということが、映画版第一作目『イコライザー』、僕のこの映画時評コーナーでは2014年11月1日に扱いましたが、その第一幕いっぱい、30分ぐらいかけて、ゆっくりじっくりと浮かび上がってくる、という作りになってるわけですね。

だから、そこではまだ何も起こっていないんだけど、デンゼル・ワシントンの、食器を洗ってる背中を見るだけで、なんか泣けてくる。「この人は何かを激しく我慢している……何かつらいことに耐えてるんだ」っていう感じがする。それがもう泣けてくる、という感じだったんですけど。

そして、そのようにですね、抑えて抑えて抑えて、溜めて溜めて溜めて……っていう作りだからこそ、ついに! やむにやまれず発動させられる、主人公の能力。その圧倒的な強さ、もっと言えば怖さ、そしてそれゆえのカタルシス、っていうのが、めちゃくちゃ際立つということにもなってるわけですよね。

今どき珍しい「勧善懲悪な娯楽作」、その切実な存在意義

同時にそれはですね、アントワン・フークアさんという監督、基本的には職人的にいろんな企画を手がけている人なんだけれども、でもアントワン・フークアさんのエンターテイメントのあり方として、私の表現で言うと、「ぶっ殺すしかない悪党」……今、エンターテイメントで勧善懲悪で、そこまではっきりした悪ってあんまり描かなくなって久しいんですけど、それでも「ぶっ殺すしかない悪党」ってのは、やっぱり世の中にはいるだろう?っていうのを、現在進行形のエンターテイメントの中に描く。その時に温度が上がる。それが得意なアントワン・フークアさんの作風と、この主人公のキャラクター像というのが、非常にぴったり合ってるわけですね。

はっきり言ってこのデンゼル版のマッコールさんは、こと強さという面に関して言えば、先ほどもちょっと言いましたけど、おそらく映画史上最強……なんせですね、どれだけ巨大な敵とか組織だろうと、彼の場合はですね、倒せるか倒せないか?は問題じゃないんですよね。問題は彼が「あいつらは殺(や)る」と決めるかどうか(笑)。「人生、やる・やらないで、やる!と決めた勇気ある人たちの物語」みたいな、その『ロッキー』のね、荻昌弘解説……こんな余計なことを言っている場合じゃないんだよ!(笑) ええと、殺ると決めるかどうかが問題。彼がそうと決めたら、結果は決まってるわけです。

なので、特に一作目で我々の度肝を抜いた作劇として、途中からはもうですね、主人公が敵を倒すことそのものはですね、「以下略」となっていくっていうね(笑)。全て「事後」ということになっていく、ということですね。

とにかくその、日頃の文句なしのナイスガイっぷり、というのに対して、一度「殺る」となれば、完全にスラッシャーホラーの殺人鬼キャラ級の、問答無用の殺戮マシーンと化す、そのギャップ。しかしそこに、やっぱり深い苦悩もしっかりと刻まれている。それが我々にも感じられる、ということ。だからこそ、特に私の番組ではやっぱり敬意を込めて、「ロバート・マッコールさん」。「さん」付けで呼ぶのが恒例化するような、愛されるキャラクターとなっていったわけですね。デンゼル・ワシントン&アントワン・フークア版の『イコライザー』シリーズは。

ちなみに劇場で売っているパンフに載せられた監督インタビューによれば、デンゼル・ワシントンさんは、実際にああいうマッコールさん的な行動を、普段から自然にする人なんですって! なんか道端にいるホームレスの人とか、そういう人にも、車から降りていって、こういう親切なことを自然にする人なんだって……だから、彼こそがやっぱり、ロバート・マッコールさんでもある、ということなんですね。

もっと言えばですね、こういうような、さっき言ったように「ものすごい悪い人が出てきて、それがやっつけられる」、勧善懲悪なエンターテイメントっていうのは、やっぱりこの世に、切実に必要ともされているんですよね。その、勧善懲悪なんてバカっぽいし、単純化だし、暴力的だし……特に今みたいに、世界がこういう情勢になってくると、こういう暴力を振るう映画、暴力で解決する映画っていうものに対して、「倫理的にどうなんだ?」っていうような問いも当然出てきて。それは当然だと思うんだけど……ただ、でもだからこそ、その暴力的な世の中で、暴力に泣き寝入りするしかない人たちって、我々の身の回りも含めていっぱい、やっぱり現実的にいるから。だからこそ切実に、こういう作品でひととき溜飲を下げる、というのも、それはそれでやっぱり必要なんだ、ってことだと思うんですよね。映画には、そういうものがあっていい。アントワン・フークアさんは、そこをやっぱりちゃんと、意識的にやってるんだと思うんです。

ガチャ当たらずの「2」もざっくり振り返り

ということで、そのままコンビを継続して、2016年にはね、『マグニフィセント・セブン』っていうね、『荒野の七人』のゆるいリブートというか……これは当コーナー2017年2月4日かな、当たったりとか。ただ、そこからさらにまたコンビ継続で、2018年の『イコライザー2』……こちらは結局、ガチャが当たらなかった。なのでちょっと一応、「2」の説明をしておきますけども。

ざっくり言えば、『ダーティハリー2』ばりに「同僚対決」となっていく後半と、多田さんも特集の中でおっしゃっていた通り、そして先ほどのメールにもあった通り、ちょっと人情物テイストというかね、人情長屋物テイストと言いましょうか、市井の人々との関わり合い……からの人助け的悪漢成敗!というのが、ポンポンと点描的に描かれていく前半、という感じで。非常に盛りだくさんなのが「2」でございました。

「2」でいうと、前半……特にですね、あのエリートビジネスマン風の、クソども! あいつらをね、いつも以上の問答無用ぶりで叩きのめすくだり。で、「評価は星五つだぞ? わかったか!」で、ポーン!(とスマートフォンに届くUberの評価通知)っていうね(笑)。あのくだりも含めてですね、これぞ!っていう感じでね、溜飲が下がりましたし。

後半はですね、番組でもちょっと言ってますけども、「敵の家族とにこやかに触れ合うマッコールさん」の、一枚上手な怖さ。これが印象的でございました。こっちの方が怖い!っていうね。また、嵐の中、無人となった街で同門対決というか、同僚対決をするんですけど、まるで亡霊のような神出鬼没っぷりというかね。ちょっと超人的なんですね、神出鬼没っぷりが。で、悪漢をどんどん倒していく感じっていうのは、僕はクリント・イーストウッドの『ペイルライダー』のクライマックスを連想させられたりしましたけどね。ということで、「2は2で最高!」というね(※宇多丸補足:この『アフター6ジャンクション』という番組自体が10月から「2」となったことを踏まえた、お約束的な盛り上げをしています)……2は2で最高!ということになっております(笑)。

『自由への道』で初めて組んだ、撮影監督ロバート・リチャードソンの画作り

で、この間もアントワン・フークアさん、基本的には職人監督的スタンスで、たとえばあの『ギルティ』のリメイク版とか、いろいろ撮っていたりしているんですけれども。ひとつ、ちょっと重要だなと思うのがですね、Apple TV+で配信している、ウィル・スミス主演の『自由への道』という、言っちゃえばですね、『それでも夜は明ける』というね、当コーナーでは2014年3月15日に扱った作品……『それでも夜は明ける』×『アポカリプト』×アントワン・フークアさんが大好きな黒澤明『七人の侍』クライマックス、みたいな。めちゃくちゃ味の濃い、逃亡奴隷が南北戦争に参加していく、という作品なんですね。当然そんな設定ですから、「ぶっ殺すしかない悪」だらけの作品です。もうなんていうの、「差別的な白人」みたいなのが出てくる作品、多いですけど、そんな作品多しといえど、こんなに本当に「即ぶっ殺すしかねえやつ」しか出てこない作品は珍しいかな、って感じがしますけども(笑)。

特にこの作品はですね、画作りが独特で。一見、白黒風なんです。なんだけど、炎とか緑とか、画面の一部にはうっすら色が見えたりもする、というちょっと独自の画作りで。撮影監督……これ、アントワン・フークアさんとはここで初めて組んだという、ベテランのロバート・リチャードソンさんという方がやっていて。スコセッシ作品とか、いろいろやってる人ですけど。今回の『イコライザー3』でも引き続き、この方が撮影を続投してるわけですね。

で、特に一作目、マウロ・フィオーレさんとのコンビがやっぱり、アントワン・フークア作品は非常に印象的なんですけれども。あの、ちょっとモダンな感じの画作り、マウロ・フィオーレさんとは、ちょっとまた感覚が違ってですね、どっしりした、クラシカルな重みを感じさせる、今回の画調……『自由への道』ほど極端ではないですけど、それでもやっぱりかなり彩度、色の感じを落として、モノトーン寄りな画に、今回はなっていますよね。かなり色を落としていると思います。

で、そのクラシカルなタッチというのは当然、今回の舞台がイタリア、それもメインとなるのは、「あの」アマルフィ海岸沿いの架空の街……ということゆえの、狙いでもあるかと思うんです。

「観光映画」としての必然的ダサさ込みで、あと100作お願いします

僕の番組でこの「アマルフィ」というワードを口にするとですね、どうしてもこれ、2009年8月1日、シネマハスラー時代に時評をいたしました、『アマルフィ 女神の報酬』──懐かしいですね(笑)。久しぶりに観返してみたい気もしますけどね──あれがね、即座に連想されたりするわけなんですが。ぶっちゃけ今回の『イコライザー3』にも、その『アマルフィ 女神の報酬』とも本質的には通じる、「観光映画」としての、ある種のヌルさ、ユルさ……もっと言っちゃえばダサさ(笑)、みたいなものが、含まれていないわけではないです、正直。必然的にちょいダサ、みたいな感じはあるんです。

ただ、マッコールさんのですね、日常における穏やかな佇まいには、むしろ……あるいは『イコライザー』シリーズの、非常に強い「ジャンル映画性」ですよね。先ほどから言っている、「古き良き」と言ってもよかろう、大衆向けの娯楽性、みたいなものにはむしろ、この観光映画としてのヌルさ、ユルさ、ダサさがよく似合う……というか、ある程度必要なものですらある、という感じがしますね、ちょっとね。だからこそ、先日の特集でも我々は、「この調子で世界一周、100話分ぐらいやって!」という風に希望をしたわけでございます。

実際、先ほどから言ってるように、世界中どの街にも、こういう悪徳というものははびこっているだろうし、それに泣かされ、泣き寝入りするしかない人々というのも、さらにさらにたくさんいるであろうわけなので……それに対して各地を回って、ちょっと溜飲を下げていく、っていうのもアリだろう、ナシではないだろう、って感じがするんです。ネタには困らないはずですね。はい。

マッコール役はね、そこまで動かなきゃいけないわけじゃないんで……全ては「事後」なんで(笑)。「デンゼルさん、(今後もシリーズ継続)どうっすか?」って感じはしますけどね。たしかにね。

視点からして、完全にスラッシャーホラーな導入部!

まあとにかく、今回の「3」、「イタリア編」ということですね。冒頭は、シシリアから始まります。で、今回はもう「1」「2」で、マッコールさんがどういう人なのか?っていうのは観客が知ってる前提、と言っていいと思います。そうじゃないとですね、もう……要するに、単純にマッコールさん、出だしから何も知らないで観ていたら、本当に本当に、モンスターにしか見えないわけですね(笑)。

最初に映るのは、車を運転する、非常になんか威厳を感じさせる男性と、その息子かな、っていう少年ですね。彼らの視点で始まるわけです。美しい葡萄畑を車が走っていくと、さっき言ったように、あらかた……既に「事後」の状態。すなわちマッコールさんが、おそらくは犯罪組織なのであろう一味を、ほぼ皆殺し済み状態、ですね。そんなワイナリーがあると。

で、そこにさっき言った、おそらくはその組織のボスなのであろう、ただこの時点ではどんな悪事を働いてるとかは観客も知らないですし、まあ単に見た目、なかなか威厳のある人だなっていう父親と、その息子。本当に少年ですよ。少年である息子。要するにこの時点では、別にこっちが悪役とは、思わない感じの登場の仕方をするわけですよね。で、当然その、死体が転がっていて。「なに? なに? あら、怖い……」ってなっているわけです。

で、そこからその父親が、ベレッタをこう持って、ワイナリーの中に入っていく。ここは長めのワンショットで、ひと続きの空間であることが強調されながら、次々と……今回はレーティング、年齢制限がちょい上げられたぐらい、ちょっとその暴力描写、なかなかに凄惨な、「ゴア」と表現していいほど残虐な、おそらくマッコールさん一人による皆殺しの様子というのを、わざとひと続きの空間で、丹念に丹念に、時には死体にわざわざちょっと寄ったりなんかして、見せていく。つまり今回の「3」、「1」のクライマックスもそうでしたけども、マッコールさんの殺し自体は、はっきりと、先ほどのメールにもあった通り、「スラッシャーホラー」として見せているわけですね。

登場早々、病的な振る舞いが際立つマッコールさん

あまつさえ、その死体の山の奥にですね、ちょこんと、銃を突きつけられているのに平然と、ずっと指輪を拭いているマッコールさん。まあ、明らかに様子がおかしいわけですよね。明らかに様子がおかしい人がいるわけですよ、ここにね……で、なんかブツブツと、「いや、入れてくれよ」とか「入れるべきでしたよ、入れればよかった」みたいなことを、ブツブツと言っているわけです。

で、トレードマークのスントの時計。今回はスマートウォッチになってるそうですけども、その時計による、カウントダウン。ここ何年かね、彼も殺し慣れてきてるのか、どんどん時間が短くなってる!という(笑)。あれは彼なりの向上心というか、それをモチベーション維持のあれにしてるんでしょうね……「もうちょっと早くできるんじゃないかな?」みたいなことを思っていると思うんですけどね(笑)。で、その瞬時での勝負の付け方も、今回はよりバイオレント……マジでギョッ!とするやり方をしますんで、皆さん、ちょっと楽しみにしていただきたいですけども。

一方で、事態の一番の責任者、ボスだけは、すぐに死なせない。たっぷりじっくり、恐怖と後悔を味わせる……言うまでもなくそれは、その悪党たちがこれまで、他の人たちに強いてきたことなんですね。それを味わせる。恐怖と後悔。さらに言えば、「お前、誰だ?」っていう、納得できなさ……なんか納得できない、「釈然としないまま」っていうのを味わせてから、殺る!というのも、マッコールさん流ですよね。

今回の「3」は特に、このラスボスへの……「ラスボスだけは死を引き延ばす」というのが、非常にねちっこいです!(笑) そして……言っちゃっていいね。2回、用意されています! ねえ。この冒頭部分で言えば、ズルズルと逃げようとしてるボスのお尻に、わざわざショットガンを……つまり、明らかに「より苦しめる」ためだけに、もう一回、撃っているんですよね。これがやっぱり、マッコールさん節ですよね。

で、この冒頭部のワイナリー皆殺し。なぜこんなことを?というその真相は、最後に明かされるんですが、それがまたマッコールさん節、というかですね……特に、一作目と通じる、弱き者への親切のために、強き者を大量に始末する(笑)というマッコールさんイズム。

で、事が済んで、もう一回、血で汚れてしまった指輪を拭いているわけです。この指輪というのはおそらく、その一作目に暗示される、暴力業から足を洗うきっかけとなった、妻の思い出……すなわち、彼にとっての「善」の象徴なんですね。それをもう一回、拭いていると。で、拭きながらこうやって……あの、陽が差し込んでいて、ちょっと埃が空気を舞っている、というあの空間も、非常に印象的ですけど。こうやってもう一回、(指輪を)拭き始めたところで、『イコライザー3』ってドーン!って(タイトルが)出て……怖いよ!っていうことなんですよね(笑)。

で、怖いと言えばですね、ワイナリーを出て行こうとして、マッコールさん、背後から撃たれて、ちょっと彼らしからぬ動転の仕方といいましょうか、とっさに四方八方に、めちゃくちゃにベレッタを発砲しまくる、という動きも、なんというかちょっと本当に、議論が分かれるところなんだけど……あれが何なのか?っていうのは。まあ、病的なものを本当に感じさせるし。

その直後、もうダメか?って感じで、スッと自然にこういうこと(銃口を自身のこめかみに当てる)をやる。これは『マイ・ボディガード』の役柄もああいう感じでしたし、もっと言えば『タクシードライバー』の、(主人公の)トラヴィスですよね。人を散々、もう全員皆殺しにしておいて、「はい、もうおしまい」みたいな……それもやっぱりちょっと、「もう心は死んでる人」感っていうか、その怖さもちょっと感じさせますよね。

「悩む人」は善の可能性がある、という真理

そんな、かなりホラーみ、サイコみ強めの冒頭部があればこそ、ですね。傷ついた彼が、これはレモ・ジローネさんっていう方……『フォードvsフェラーリ』のエンツォ・フェラーリ役ですね! そのレモ・ジローネさん演じる医師、その名もエンツォに助けられ、アマルフィ海岸沿いのその小さな街に次第に安らぎを見出していく、という、さっき言ったように観光映画的にユルいくだりも、作劇上必要な「溜め」として、これ、しっかり機能しているのだとと思います。

それと並行して、映画だと2008年の傑作『ゴモラ』でも描かれた、ナポリの犯罪組織「カモッラ」……そのカモッラの、非情なみかじめ料取り立て。そして、強引で暴力的な地上げ稼業……これ、さっきも言ったように、日本を含め世界中で共通する光景であり話なんだな、という風に思わざるを得ないあたりですか。そんな、誰もが「ああ、これ知ってるな」っていう悪行が、描写としてひとつひとつ、積み上がっていく。善と悪、両方が並行して積み上げられていく。

例えば「マッコールさんが(当初は見上げるばかりだった)山の上にある教会にたどり着く」という、こういう描写が、意味的なことももちろんそうですけど、彼の体力復活、言ってみればゆるいトレーニングシークエンスにもなっている、っていうことですよね。

で、ここでですね、今回の「3」で特徴的なのは、やはりイタリアが舞台ということで、宗教的、キリスト教モチーフの絡め方が、面白くて。わかりやすく言えば、マッコールさんは、「善行をするために、暴力・殺人という悪をなす」ことに、内面では大きな葛藤を抱えてる人なわけです。「やっていいのかな、こんなこと」って思ってる人なんですね。だからこそ強迫性障害的だし、かつては不眠症だった、今もどうやら自分の所業をフラッシュバックしてたりもする、と。ゆえに、エンツォに最初「君はいい人か? 悪い人か?」と聞かれて、「わからない」と答える。

しかし、そのエンツォ医師は、「いい人こそがそう言うんだ」って言うわけです。つまりですね、これは私の解釈ですけど、善をなそうとする中で、己の中にも確かにある悪とも向き合い、悩み、葛藤すること……それこそが唯一の善への道なのだ、っていう風にエンツォさんは言っているんですよ。平たく言えば、「悩む人」は善の可能性がある、って言ってるわけです。

で、それに対してカモッラのボス、ヴィンセント……これ、ヴィンセントを演じるアンドレア・スカルドゥッツィオさん。この方、この間の『ミッション:インポッシブル』シリーズで、「空港で間違われる人」っていう役をやっていたりしますけども(笑)。この人演じるヴィンセントというボスは、教会に一応行ってたりはするけど、「神はどうせ聞いてないよ」なんてことを言ったりする。つまり、彼をはじめ犯罪組織の面々は、「悩まない人」なわけです。

この、なんていうんですかね、救いようのないように見える世の中で、善と悪を分けるのは、この「悩む」かどうかの差だっていう、僕はこれは、すごい真理を突いた話をしているな、と思いました。

(後編へ続く)

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“くしゃみ”“目のかゆみ”が重大事故に…「花粉症」を持つドライバーが運転するときに気を付けるべきことは?

TOKYO FMのラジオ番組「ONE MORNING」内でお送りしている「JA共済 presents なるほど!交通安全」。2月7日(金)の放送テーマは「花粉症と安全運転」。自動車ライターの近藤暁史さんに花粉症による運転の影響と対処法について伺いました。


※写真はイメージです



スギの花粉が飛び始めるのは毎年だいたい2月頃からですが、今年は例年よりも早く観測されています。そして、花粉症の症状が車の運転に影響を与えて事故につながることもあります。今回は“花粉症と安全運転”について考えましょう。

◆“くしゃみ”で大事故を引き起こす可能性が…

花粉症の症状は、目のかゆみや鼻詰まりなどに加えて、くしゃみを連続ですることがあります。一般的に、くしゃみをするときにかかる時間は0.5秒ほどと言われており、車が時速60kmで走行しているときは、1秒間に約16m前進するので、そこでくしゃみをした場合、約8m走行していることになります。「くしゃみをすると、目をつむったり、手や足に変な力が入ってしまうこともあります。8m進んでいる状態でそういったことが起きるのは危険ということを頭に入れておいてください」と近藤さん。

実際に、花粉症によるくしゃみで死亡事故につながった実例もあります。2016年4月に愛媛県で起こったケースだと、ドライバーがくしゃみを連続したことでハンドル操作を誤って対向車線にはみ出てしまい、軽自動車と正面衝突。結果、軽自動車を運転した方が亡くなり、同乗者2名も重軽傷を負う事故となりました。くしゃみや目をこする時間は一瞬だと感じていても、取り返しのつかない事故が発生する可能性があります。


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◆薬の副作用には要注意

道路交通法の第66条には「過労、病気、薬物の影響、その他の理由により、正常な運転ができないおそれがある状態で運転してはならない」と記載されています。花粉症は病気の1つです。安全な運転ができない可能性があるのなら、ハンドルを握ってはいけません。

一方で、薬の服用にも注意が必要です。一部の薬は、飲むと眠くなったり、頭がぼーっとして集中が欠ける場合もあります。特に花粉症の薬は、抗ヒスタミン薬という眠くなる成分が入っており、服用後は眠気を感じやすくなります。

近藤さんは「どうしても用事があって車を運転しないといけない場合は、お医者さんに相談して、副作用が少なくあまり眠くならない薬を処方してもらうことで安全運転につながります」と助言します。

ほかの配慮としては“事前にマスクをする”“くしゃみが出ることを想定し、いつもよりスピードを出さずに車間距離を取ること”などが考えられます。同乗者がいるのであれば、運転を変わってもらうように相談してください。なるべく事故の危険を遠ざける行動を取るように心がけましょう。


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◆花粉を除去するカーエアコンを選ぼう

車内でくしゃみや目のかゆみなどに襲われないためには、花粉を持ち込まないことが大切です。身に着ける衣服の素材は、綿などの自然繊維だと花粉がつきやすいので、ナイロン製のパーカーなど、払ったときに花粉が落ちやすいものを選びましょう。

走行中に車内に花粉があると感じた場合は、外気を取り入れるために車内の空気を循環させてください。外に車内の空気が流れ出るのと一緒に、花粉も出すことができます。

最近のカーエアコンはエアコンフィルターがついているので、高機能の製品なら花粉の除去が可能です。さらに、除菌機能がプラスされている製品では、スイッチを入れておくと、エアコンのなかに取り込んだ花粉を破壊してくれます。花粉症に毎年苦しむ人は、高機能のエアコンが付いたの車を選ぶのも1つのポイントです。

花粉が多い季節は、花粉症の方にとって憂鬱な時期です。“なりたくてなっているわけじゃない”という気持ちはわかりますが、花粉症が影響して事故を起こしてしまったら悲劇です。そのためにも、事前のケアと運転中の注意を怠らず、安全にやり過ごしましょう。

<番組概要>
番組名:JA共済 presents なるほど!交通安全
放送日時:毎週金曜 7:20~7:27
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/koutsu/

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