戦後80年、「記憶の継承」を考察する番組を放送

戦後80年の今年、戦争体験をいかに継承していくかが各地で大きな課題となっています。
原爆を経験した広島・長崎、唯一の地上戦が展開された沖縄、大空襲によって焼け野原となった名古屋をはじめ日本中の都市だけではなく、当時を生きた人ひとりひとりの「戦争体験」がありました。

余りにも辛い記憶であるために長らく心の奥底に封印してきた方がいる一方、自身の年齢から「今伝えておかなければ」と重い口を開いてくれた方もいらっしゃいます。

岐阜県東白川村では1990年代前半、2つの”いくさ遺産”が作られました。
戦争資料館・平和祈念館と、戦記「平和への礎」です。


平和祈念館には召集令状、千人針、戦地で書かれた日記、228人の遺影など900点あまりの資料が展示されています。
費用の3分の2は村民たちの寄付によりまかなわれ、展示品は村内の家々に眠っていたものです。
そのうちの一つ、中国南部江蘇省で腹部に銃弾を受け戦死した今井龍一さん(享年22)が残した日記には「お母さん、お母さん、、」と、母への思いが手のひらに収まるほどの小さなノートに綴られています。

戦記「平和への礎」は350ページにわたって戦没者や帰還兵の顔写真、経歴、体験談が綴られています。
戦争で若い命を散らした仲間への痛恨の思い、戦後の平和な日本に抱く複雑な思い、戦争を知らない次の世代へ伝えたい思い…。

この「平和への礎」を手掛かりに取材した2015年当時は、戦争体験者にマイクを向け、一発の銃弾が貫通した話し、シベリアに3年間抑留された経験、満州からの引き上げ時に家族と引き離され炭鉱へ送られた話しなど、生々しい肉声を聴くことができました。

村の「戦争の記憶」を後世に伝える取り組みを続けているのが、読み聞かせボランティア「夢風船」。
戦後60年の節目2005年に、平和祈念館の資料に残る戦争の記憶を伝えようと企画されたのが始まりで、取材した2015年には村の戦争経験者の聞き取り会を開くなどして朗読会のシナリオを完成させました。

この貴重な戦争体験者の肉声を伝える『いくさ遺産 村の記憶~岐阜県東白川村・語り継がれる戦争の記憶~』は8月31日(日)14時からの再放送です。

村人の言葉を通して戦争の悲劇を伝える貴重な記録であり、体験者の多くがこの世を去って記憶の継承が課題となった今こそ聴いてください。

また、番組制作から10年が経った今年も続く「夢風船」による朗読会を中心に改めて取材した模様が、文化放送が全国33局ネットで放送している報道番組『ニュースパレード』(月~金 17:00~17:15)の夏企画「戦後80年の歩みから」で9月2日(火)に放送されます。
今年は読み手として初めて参加する30代や中学生の姿もあり、戦争を語り継ぐことの大切さ、難しさを、朗読会参加者へのインタビューなどを通して浮き彫りにします。
こちらも併せて是非お聴きください。

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