水球日本代表・キャプテン 鈴木透生選手のどこまでも真っすぐな生き方とは?

アスリートの真っすぐな生き方は格好いい。水球日本代表キャプテン・鈴木透生選手も小学校1年生の時に地元山形の水球クラブで競技を始めてから水球一筋。好きな水球の高みを目指し続けている。そこに迷いはない。
小学校6年生で水球日本代表になりたいと思い、中学生の時に東京オリンピック開催が決まり、高校は「日本代表に入る目標をかなえるには、ここしかない」と水球の強豪、埼玉の秀明英光高校に進学する。「僕が進路を決めないといけないっていう時期に、ちょうど東京オリンピック出場という指標が出来たので、強いチームに行って目標達成のために親とも話して、県外に行った。」その後、やはり水球の名門日体大に進み、遂には目標の東京オリンピック出場を果たした。
その過程でのことは、聞く人にとっては衝撃的でも、本人にはごくごく当たり前の経験でしかない。「僕が高校3年生の時の世界ジュニアの試合で、相手選手に沈められて、膝で顔をけられて鼻が骨折してしまったこともあります。本当は駄目なんですけど、ちょっと水中だと見えないっていうのもあるので、グレーなところではあります。今も少し、鼻の通りが片側少し悪いんです。」。屈託なく笑う鈴木選手を見ていると、鼻のケガも、水中の格闘技、水球選手ならではの勲章だと思えてくる。
練習のハードさも同じ。「ほぼメンバーは固定で、点数が入ったら攻守交替。試合では点が入るとセンターからプレーが再開されるんですけども、それなしに、常にゴールインしたら、バスケットボールのように敵ボール。はい、また敵ボール。ただひたすら水球のラリーを続ける練習を20分×3セット。こんな練習してるのは日本だけです。」聞いているだけで疲れそうな話を鈴木選手はずっと笑顔で話すのだ。
根底にはマイナースポーツ水球を日本に根付かせたい。後進のために道を作りたいという責任感がある。鈴木選手が初出場した東京オリンピック、日本代表の闘いは1勝4敗、目標である決勝トーナメント進出は果たせなかった。体格で劣る欧米に戦うために作り上げた超攻撃的なパスライン・ディフェンスからの速攻は、欧米のチームに研究され、対戦相手はファールしてでも止めて、体格がものをいうセットプレーに持ち込んだ。対策を講じた欧米を凌駕するために、日本はさらに機動力と運動量に磨きをかける。その為にやることはただ一つ。限界を超えるトレーニングだ。相手の何倍も練習する水球日本代表、その姿勢は潔さすら感じる。
まっすぐに進む者の先に道があることを、彼らの努力が報われることを願いたい。
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- 放送局:FMヨコハマ
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