村上春樹「自分のカヌーは自分で漕げ」学生時代にカート・ヴォネガットの小説で出会った言葉

作家・村上春樹さんがディスクジョッキーをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「村上RADIO」(毎月最終日曜 19:00~19:55)。4月28日(日)の放送は「村上RADIO~村上の世間話4~」をオンエア。好評の「村上の世間話」シリーズ第4弾は、クスッと笑える“世間話”を、村上DJが選曲したグッドミュージックとともにお届けしました。
この記事では「今日の言葉」について語ったパートを紹介します。



◆The Sandpipers「Chotto Matte Kudasai」
サンドパイパーズが歌います。「ちょっと待ってください」というのが曲のオリジナル・タイトルなんです。マジで。

◆TSF「Salade de Fruits」
TSFというフランスのボーカル・グループが「フルーツ・サラダの歌」を歌います。

トマト・サラダも好きだけど、フルーツ・サラダもいいですよね。マンゴー入りのサラダが僕の好物です。



◆<クロージング曲>
Barney Wilen「As Time Goes By」

今日のクロージング音楽、フランス人のベテランテナーサックス奏者バルネ・ウィランが「As Time Goes By」を演奏します。いいですねえ。決めの歌詞、「月の光とラブソングが、時代遅れになることはない」。本当にそのとおりです。

ちなみに今日おかけした音楽は、すべて僕が最近中古屋さんのバーゲンで買い込んできたCDです。値段は100円か200円か、高くて300円。そんなものです。バーゲン・コーナー、こまめに探すとけっこう素敵なものに巡り会えますよ。

さて、今日の言葉は、
「Paddle Your Own Canoe(自分のカヌーは自分で漕げ)」です。

これはボーイスカウトのモットーにもなっていますが、もともとは英国の古い格言です。でも僕がこの言葉を初めて知ったのは、学生時代にカート・ヴォネガットの小説『スラップスティック』を読んだときです。その中でこの言葉はとても印象的に使われていて、今でもよく覚えています。『スラップスティック』、愉快な小説ですよね。先日久しぶりに読み返して、あらためて感心しました。

「自分のカヌーは自分で漕げ」。要するに自分のことは人に頼らずに、自分でしっかりやれということですよね。

でも「自分のことは自分でやれ」と言うと、身も蓋もないというか、ごく当たり前の「ご教訓」になってしまいます。でも「自分のカヌーは自分で漕げ」って言われると、そのシチュエーションが目の前に浮かんできますよね。実際にカヌーに乗って、パドルを手にして、1人で急流を乗り切っているような、そんな具体的な気持ちになります。「がんばらなくちゃ」、みたいな。

言葉の力って、表現の力って、結局そういうことなんですよね。生きた具体的な共通イメージを、送り手と受け手の間に起ち上げること。僕はいつもそのことを頭に置いて文章を書いています。それって大事なことです。

「自分のカヌーは自分で漕げ」

漕いでください。



番組では他にも、ほとんど夢を見ないという村上さんが鮮明に覚えているという“夢の話”から、近所をジョギングしているときにある動物に遭遇したときのエピソード、学生時代の夏休みに一人旅をしたときの思い出などについて語る場面もありました。

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4月28日(日)放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 5月6日(月・祝)AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。

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<番組概要>
番組名:村上RADIO~村上の世間話4~
放送日時:4月28日(日)19:00~19:55
パーソナリティ:村上春樹
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/murakamiradio/
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お笑いコンビ、TOKYO COOLは移籍回数で現役最強!?

大竹まことがパーソナリティを務める「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送・月曜日~金曜日13時~15時30分)、5月16日の放送にお笑いコンビのTOKYO COOL(カンカン、前すすむ)が出演。ともに芸歴29年目というベテランの二人が、経歴や近況を語った。

前すすむ「現役でやっている中で、売れていなくて29年は、ほぼ僕らぐらいしかいないと言われています」

大竹まこと「貴重だね! でも錦鯉の年上(長谷川雅紀)が、けっこう歳とってから売れた」

カンカン「僕らはいまグレープカンパニーに移籍しましたけど、その前が錦鯉と同じ事務所でした」

大竹「錦鯉が売れたとき、ビックリしただろう?」

カンカン「ビックリしましたよ。長谷川さんと僕、同期なので。おもしろいけど絶対売れないだろうと思っていたのに来ました(売れました)から、僕らも焦っちゃって」

「エンジンかかりましたよ」

ヒコロヒー「やっぱり錦鯉さんが与えた影響が……!」

「雅紀さんが売れたのが50歳ぐらい。僕まだ48なので2年ぐらい余裕です」

ヒコロヒー「50で売れれば御の字だと(笑)」

大竹「でももう29年だろう?」

「うっすい29年だったんですよ。一生懸命にがんばった29年かというとそうでもなかった」

カンカン「なら自分が悪い(笑)」

「あと2年、濃い目にいけば間に合うんじゃないかな、という」

大竹「でも前すすむくんだけが売れなかったわけじゃない」

カンカン「そうなんですよ。僕もピン芸人時代などがあって。今回、グレープカンパニーになって5社目なんですよ。なかなか5社っていないんですけど、その上がいるんです」

「その上の6社という偉業を成し遂げたのが私、前すすむでございます」

ヒコロヒー「5社と6社のコンビでいらっしゃって!?」

カンカン「なかなかいないでしょう?」

「現役で最強ですよ(笑)」

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