「日本政策投資銀行」破綻企業を再生へ ゾンビ企業復活に必要な好景気

416日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、火曜コメンテーターで上武大学教授の田中秀臣氏番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが、日本政策投資銀行が立ち上げる中堅・中小企業向け投融資の専用ファンドついて意見を交わした。

ゾンビ企業が生き返る、経済状況全体を改善する金融と財政政策の組み合わせ

日本政策投資銀行は月内に、破綻した中堅・中小企業に投融資する専用ファンドを立ち上げる。スポンサー企業を見つけるまでの間のつなぎ資金の供給などで企業の再生を後押しする。 

投融資の対象は法的整理や私的整理を申請し、再建手続きを進める中堅・中小企業年間売上高が最大数百億円程度で、過剰債務を減らせば競争力を取り戻し、地域の活性化にも貢献できる企業などを想定する国内の倒産件数は9年ぶりの高水準にある。 

(寺島アナ)破綻した中小企業の再生を後押しする動きですが、これは田中さん、どうご覧になりますか?」

(田中氏)政策投資銀行さんが、自分の意義を高めるためにやってると思いますけど、よく“ゾンビ企業”って話あるじゃないですか? 追加融資を受けないとつぶれちゃう、過剰債務を持っている企業や、営業不振である企業。この三条件が合わさったゾンビ企業が、ゼロゼロ融資なんかで生きながらえていて今は金利が上がっているので倒産が増えている、と中小企業のなかのゾンビ企業比率は非常に高いという問題があるんです 

田中氏はゾンビ企業を再生させる方法を指摘する。 

(田中氏)でもゾンビ企業って景気が良くなるとすごい減るんですよ。統計でも明らかで、アベノミクスで積極的な金融緩和をしたときゾンビ企業の比率が先進国のなかで日本が最も低くなったんです。それまでは高かったのに、ゾンビ企業が生き返ったんです。素晴らしいものを作っても、買われなかったらだめじゃないですか?私がキレッキレのコメントをSNSでつぶやいていても、ラジオ局にお呼びがかからなければここで喋れないし売上ゼロなわけです。そういった違いですよ

(寺島アナ)企業からしてみれば売れなきゃしょうがないですよね」

(田中氏)日本政策投資銀行さんは、ゼロゼロ融資が打ち切られて苦しい中小企業を再生させる意気込みは素晴らしいですけど、経済状況全体を改善する金融と財政政策の組み合わせをやれば、ゾンビ企業が無くなって政策投資銀行さんの仕事はなくなるんです」

(寺島アナ)「政策投資銀行さんの仕事がなくなるのは良いこと?」

(田中氏)「良いことです。日本政策投資銀行さんは素晴らしいことをしたいわけですが、景気が良くなったらその仕事はいらなくなっちゃいます。公的な金融機関が本当にいる?っていう問題もあります」

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「何の努力もせんでも儲かりますよ、円安なんだから」上場企業の7割120社が増益

5月2日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、木曜コメンテーターで京都大学大学院教授の藤井聡氏と寺島尚正アナウンサーが、上場企業の増益に関するニュースについて意見を交わした。

藤井氏「可能な限り、トリクルダウンをしてもらいたい」

1日までに発表された2024年3月期決算を集計したところ、7割に当たる120社が増益となった。増益社数の比率は過去10年で2番目の水準で、好業績企業の裾野が広がっている。

純利益が増えた企業の比率は前の期比14ポイント増の69%と、22年3月期(73%)以来の高水準となった。行動制限や半導体不足といった新型コロナウイルス禍に伴う制約がなくなり、鉄道や空運、食品、機械など幅広い業種で増益企業が増えた。

寺島アナ「上場企業の業績が好調だというデータがでてきましたね」

藤井氏「上場企業って何社あるかっていったら約170社ですよ? 日本の企業どんだけあると思っとんのやと。こんな一部の話はどうでもええとは言わないが、大半の国民は無関係ですよ」

寺島アナ「そうですね、東証プライム上場する173社ですからね?」

藤井氏「そうですよぉ。何の努力もせんでも円安になっただけで。何度も言いますが、2割円安になったら2割総売りが上がるんですよ。総売りが上がる一方で、国内の物資の調達費は一定だからね? すぐには変わらないから、だから原価はほとんど一緒でしょ? で、総売りだけが伸びるでしょ? そしたら2割総売りが伸びたら、純利益は2倍とか3倍とか4倍とかになるんですよ。だからそりゃあ儲かりますよ、円安なんだから」

寺島アナ「だからここだけ見てちゃダメだっていうことなんですよね」

JR東日本、JR西日本、JR東海の3社の純利益合計は前の期比7割増えた。 JR東海はインバウンド収入が新型コロナ禍前を86%上回った。JR東海は「(今期も)この勢いは衰えない」と話す。

円安も輸出企業を中心に利益を押し上げた。日米金利差を背景に対ドルの平均レートは前の期比9円円安の145円と約34年ぶりの円安水準となった。輸出採算が改善したり、外貨建て取引の差益が膨らんだりした。値上げや訪日客需要の取り込み、為替の円安などが利益を押し上げている。

藤井氏「こうやって輸入企業だとかインバウンド企業が儲かってきてるんですから、まぁ起こらないですけど、可能な限りトリクルダウンなるものを若干だけでもしてもらいたいですね」

寺島アナ「滴り落ちるようにと?」

藤井氏「あんま落ちないんですけど、できるだけ落としてほしいですね」

寺島アナ「まぁ、だって滴り落ちなかったら価格転嫁もできやしないぞ、っていうような苦しい経営をずっと続けなくてはいけないっていう状況が続くわけですものね?」

藤井氏「これが上場企業の場合は株主資本主義なんて最近は言いますけど、株主の配当金の中にダァーッと流れていくんですよね。で、株主の配当金を出してるのは誰かといったら外国人の投資家だとか、要するに大金持ちだけですからね。この増えた分が大金持ちに回る構造があるんですよ。これをちゃんと賃金だとか取引先に対して豪気にお金を使っていくようにしてくりゃあいいんですけど、トリクルダウンさせないでトリクルアップさせている状況ですな」

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