国際ジャーナリスト・小西克哉が懸念「日本はもっと教育にお金をかけるべき」

5月1日放送の「くにまる食堂」(文化放送)は、5月2日に岸田総理がパリで経済協力開発機構(OECD)閣僚理事会の関連行事に出席するというニュースを受けて、国際ジャーナリストの小西克哉さんが、「日本はもっと教育にお金をかけるべき」だとコメントした。

小西克哉「OECDは38か国あるんですけど、かつて日本は優等生だったんですけど、今や貧乏人の数は一番多いんです。知らない間に日本は貧乏国になっているということです。そのビリの貧乏国が議長国を務める」

野村邦丸「経済的な問題もそうですし、教育のほうも問題となっていますよね」

小西「アジアの大学ランキングでも東大は5位。まだ上がったほうですよ。GDPの中に占める政府がどれだけ教育に使っているか(の割合)も最低です。日本は早く発展途上国だという認識を持たなきゃいけない。」

邦丸「なぜそうなっているのですか?」

小西「文部科学省が教育にお金を使わないから、そういったことになっているわけです。ヨーロッパのように国がかけてくれたら全然違うわけです。出来るだけお金をかけて、将来の人材を作っていくというのが、長期的な本来の政治のやるべきものだと思います。例えば、防衛費は倍になるけど、教育費は倍になったためしがないじゃないですか。そこですよ」

邦丸「明確な方針が立てられればいいんですけどね」

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薬剤師が街に出て、お茶をふるまう屋台「調剤喫茶」

4月20日(土)、台東区三ノ輪の同善会クリニックの中や駐車場で、地域の住民が誰でも参加できる「あおぞらカフェ」というイベントが開かれていて、「調剤喫茶 Farmateria」という小さな屋台が出ていました。屋台の店主は、都内の薬局に勤める薬剤師の石丸勝之さん。石丸さんは休日、街角や「あおぞらカフェ」のようなイベントに屋台を出し、季節に合わせて、漢方やハーブを自分でブレンドしたお茶を無料で提供しています。

調剤喫茶」の屋台には、透明の容器に入れたお茶の材料が数種類並び、お湯を沸かして、お茶を入れ、小さな紙コップで提供します。入れ替わり立ち替わり訪れる人に屋台のことを聞かれたり、お茶の材料の話で盛り上がったり。「なんで薬剤師さんがお茶を?」と聞いてきた方に石丸さんは「病院とか薬局って入りづらいじゃないですか。本当に相談したいことがあっても、なかなか行けない。じゃ、僕から行こうということで、商店街とかでこうやって、お茶配りながら、お話して、何か役に立てることがあったらお話してもらうっていう活動をしてるんです」と答えていました。

屋台の周りに出した看板には「誰より身近な薬剤師になる!」と書いてあります。さらに、子供の頃、お母さんがいわゆる「近所のおせっかい焼きおばちゃん」で、その姿を見て、自分も「近所の頼れるおっさん」になりたかったと書いてあります。薬剤師になり、病院や薬局に勤めましたが、病気や薬のことを気軽に話してもらえない、患者が壁を感じて話せない状況があることを痛感したということです。垣根を超え、「悩みごと、困りごとを、ふとこぼせるような、何か相談があれば、専門家として答えられる場所」にと始めたのが「調剤喫茶」です。

「あおぞらカフェ」でも「飲んでた神経痛の薬をやめたら、なんか眠れなくなった」とポロっと話した人から普段の生活の状況を聞いて、「それは気にしなくてよいのでは」と答えていました。
平日は、在宅特化型の「まんまる薬局 RWG青砥」に勤め、在宅の患者、主に高齢者に薬を届けながら、休日に様々な場所で屋台を出して2年半ほど経ちますが、石丸さんは「役に立とうとしすぎるよりは、ちょっと待ちの姿勢で僕からの発信を抑えた方が、実際に僕が聞きたかったような悩み事とか困りごとに言及されることが多かったので、最初と比べると、スタンスがかなり変わったなとは思ってます。困り事ありませんかって聞くよりも、聞かない方が、実際は困りごとをこぼしてもらえるんだってことは大きな発見でした」と振り返って話します。

4月21日(日)は、石丸さんが勤務する薬局がある、葛飾区の「青戸サンロード」商店会の春祭り。歩行者天国の中、クレープや居酒屋の屋台と並んだ「調剤喫茶」には、地元の様々な人が立ち寄ってゆきました。一人の男性は「引っ越しをして、1月から青砥に来たんです。ちょっと気分の切り替えに、勧められたので、飲んでみようと思いました」と話し、一人の女性は「普段薬局のそばは通るだけですが、いまの時代に必要なことをやってらっしゃるんだということがわかってとてもうれしかったです」と話し、ルイボスティーとしそを合わせたお茶を飲んでいました。家族連れ4人は、ひとり一人違ったお茶を飲み、父親は「ミントのお茶が、さわやかな感じで、飲みやすかったです。普段、中で仕事をされていることが多いと思うので、逆に、新鮮です」と話していました。

相談に乗ると、「何かお返しをしたい」という人もいるので、最近は、パックに詰めたお茶を販売しています。屋台だけでなく、練馬区のバー「Neriba」の一日店長も。屋台や薬局では接点があまりない、働き盛りの世代や学生さんとお酒を飲みながら話し、相談があれば、受けています。

将来は、気軽に薬や医療、健康について話せる喫茶店を開くのが目標という石丸さんは「薬局にカフェを併設するんでしょって言われることがかなりあるんですけども、喫茶店に頼れるおやじがいた方がいいよね、という考えです。薬局の人が誰かの役に立てるのはある意味当たり前だと思っていて、ただそこをうまく活用できない今の仕組みとか、世間のイメージを払拭したいところから考えると、あくまで喫茶店で、中に頼れる人がいるんだよ、というイメージが僕のイメージにすごい近いです」と説明します。石丸さんが子供の頃からなりたかった「頼れる人」は薬剤師、と喫茶店のマスターでした。
喫茶店の目標に向け、共感した多くの人が応援したり、仲間になっています。屋台を購入した時のクラウドファンディングの参加者や、同じ薬剤師で、色々なつながりを持つ福井彩香さんをプロデューサーにして、出店場所を提案してもらったり、兵庫県豊岡市でも同じような試みがあることを教わりました。青戸の商店街では、薬局の同僚が、お茶のパック詰めの準備を手伝い、屋台の店番もしていました。
石丸さんの「調剤喫茶」のような「悩みを自然と話せたり、相談したい時、頼れる人がいる日常の場」は、街づくりに欠かせない試みだと感じています。

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