劇場で見逃すな!映画「ソウルフル・ワールド」

クリエイティブプロデューサー・三好剛平氏

本日ご紹介するのは4/12(金)よりシネコンほか各劇場で上映されているディズニー×ピクサー制作による『ソウルフル・ワールド』という映画です。先月にも一度この番組でご紹介したように、3月15日より「ディズニー&ピクサー“泣ける名作”3作品」という企画で、コロナ禍によって惜しくも劇場未公開となっていたディズニー×ピクサー制作の『私ときどきレッサーパンダ』『あの夏のルカ』『ソウルフル・ワールド』という傑作3本が、2週間ずつ順番に劇場で「初公開」されていくプログラム、その最後を飾るのが今日紹介する『ソウルフル・ワールド』です。これ、あらゆる角度からも、ついに劇場で見られるこの機会を絶対逃すべきでない映画であるのに加え、僕の人生の転機をも大きく左右してしまった特別な映画なもので、ここからその魅力についてご紹介していきたいと思います。

 

どんな物語?

まずはあらすじから。主人公はニューヨークでジャズピアニストを夢見ながら中学校の音楽教師を続ける黒人男性ジョー・ガードナー。毎日心のどこかで「いつか叶える夢」としてジャズピアニストになる機会を伺いつつも、生活のためもあってしょうがなく教師生活を続けています。

 

そんな折、ジョーが「彼女と共演できたら死んでも良い」というほど憧れていたジャズ・サキソフォニストであるドロシア・ウィリアムズのライブで、ピアニストとして彼女と共演できるかもしれない機会がめぐってきます。オーディションがわりのセッションで実力を存分に披露した彼に、ドロシアは「今夜9時、良いスーツを準備して」と、見事その日の夜のライブ共演のお声がかかることに。いよいよ人生の転機!とばかりに浮き足立つ彼でしたが、その道すがらで、工事中のマンホールから落下する事故に見舞われてしまいます。

 

目覚めた彼がいたのは、すべての魂が集まる「生まれる前の世界」。彼は仮死状態のまま、この世界に魂だけ迷い込んでしまいます。

 

この「生まれる前の世界」=ユーセミナーは、地球上の生命になる前の魂(ソウル)が、どんな個性や才能、興味を持つのかを決める場所。子どもみたいな生まれたての魂たちが、色んなアクティビティを経験しながら、胸元に貼られた7つのスタンプシールを埋めていきながら、自分だけの「性格」を形成していきます。

 

なかでも一番大切なのが、そのスタンプシールの一つである「一人ひとりの“きらめき(spark)”」と呼ばれるもの。「自分のやりたいこと」が見つかった瞬間にそのスタンプが埋まれば、地上の生命になる準備が完了ということで、魂たちが地上へ飛び立っていく、という仕組みです。

 

この世界で、何百年も地上の生命になることを拒み、居座り続けているのが、22番と呼ばれる“こじらせ”ソウルさん。彼女は自分のやりたいことや好きなことを見つけられず、「人間に生まれたくない」とずっと思っています。

 

かたやこの世界に迷い込んでしまったジョーの魂は、このこじらせ22番に「自分のやりたいこと」を見つけて地上の生命になることを決意させてあげられたら、彼ももういちど人間界に生き返ることが出来そうだと知ったことから、ジョーと22番は、彼女の人生の“きらめき”を一緒に探すことになるのだが——、というお話です。

劇場で見た方が良い3つの理由

ここからこの映画をまず劇場で観た方が良い3つの理由をかけあしでご紹介します。

 

まず一つ目は観たことのない「生まれる前の世界」の描写です。マンホールから落ちて彼が目覚めてたどり着いた世界の世界観は、おそらく誰もがちょっと見たことない「あの世」観がすごいです。語弊のないようにお伝えすると、不思議な穏やかさと、ちょっとヤバいとこに来てしまった、と直感で理解できる異様な迫力が両立する、これまでどの映画でも観たことのないような描写になっています。これ、絶対に映画館で見たら圧倒される描写ですから、、まずはここを一つ目のポイントとして推しておきたいと思います。

 

続いて2つ目は、ジャズ演奏にまつわる場面です。映画の主人公のジョーが会話の最中に披露するジャズピアノや、憧れのドロシア・ウィリアムズ・バンドとのセッションシーンなど、この映画では音楽がもうひとつの主役になっています。天下のピクサーがそのような音楽の映画をつくるとあらば、迎える才能もさすが超一流とあって、まず主人公のジョーのピアノ演奏、および全体のジャズ監修には2022年にグラミー賞を独占したジャズ畑出身〜今ではソウル・ミュージシャンとして大活躍するジョン・バティステが起用されています。

 

そしてドロシア・ウィリアムズ・バンドの演奏シーンについても、ビヨンセのツアーバンドでサックスを務める女性サキソフォニストのティア・フラーをはじめ、現代ジャズシーン注目のドラマーのひとりであるマーカス・ギルモアなどの名前が並ぶ超本格仕様。映画の中でも、ジャズ演奏の場面ではちょっと音が前に出てくるような音響設計で「ガチで聴かせにくる」場面となっていて、これを劇場の音響で聴けるのはもはやジャズライブを楽しむのも同然。間違いなく「音楽映画」としても楽しめる贅沢さになっています。

 

そして最後が、やはりこの物語を映画館で見られること自体の特別さです。
これまでご紹介した通り、この映画で描かれるのは、「死にたくない魂」としてのジョーと、「生きたくない魂」である22番の出会いと葛藤。その先にあるメインテーマは、世界中であらゆる哲学や宗教が問い続けてきた人類最大の問いである「人生の意味」=なぜ私たちはここにいて、生きるのか。そしてその間に何をすべきか、といった問いになっていきます。

 

22番が抱く、怯えからくる皮肉な視点。経験したことのない転機を前に恐れを覚え、自分は「取るに足らない存在」だと感じてしまう感覚。自分だけが持つ才能を自分自身が信じられないし、そもそも夢中になれることが見つからない「何かが欠けている存在」という感覚。そして、そんな自分でも「人生の意味」がないとだめなのか?という問い。

 

彼女と対になるのがジョーです。彼はジャズ・ミュージシャンになるという、それだけで生きる意味になるだけの「人生の目的」が明確になっている。確かに彼のその情熱は彼自身を成長させもするけど、しかし一方で、1つのことしか目に入らないせいで、他の大切な瞬間を見逃す可能性もある。そんな二人の出会いが、最後にどういう場所に行き着くのか?ここをどうか見届けてほしいと思います。

 

映画の終盤はもう涙・涙で画面が見えなくなるほどだし、私たちが最後にたどり着くひとつの結論は、ほとんど禅の境地などにも近いような、圧倒的にシンプルで究極なものです。そこへ至るまでの旅を、どうか楽しんでもらいたい。ちなみに僕はこの映画を数年前に見たことで、ようやく自分の人生をどう生きていきたいか決断することが出来、今の仕事を始めました。そんなふうに、ひとりの人生を変えてしまうくらいの影響力を持つ、本当に特別な映画です。

 

最後に、本作の制作者たちが語ったひとつのメッセージを紹介して、この紹介を締めくくりたい思います。「誰もがみんな、心の奥深くで人生の目的を探しています。そしてこの作品を見た人は、私たちの人生は贈り物なのだと感じてもらえるはずです」。

 

「ソウルフル・ワールド」は明日、4月12日(金)から2週間限定で、シネコン各劇場で上映です。どうかお見逃しなく!


 

映画「ソウルフル・ワールド」

田畑竜介 Grooooow Up
放送局:RKBラジオ
放送日時:毎週月曜~木曜 6時30分~9時00分
出演者:田畑竜介、田中みずき、三好剛平
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※放送情報は変更となる場合があります。

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(監修:東京・池袋占い館セレーネ所属・石川白藍(いしかわ・はくらん)さん)





■射手座(いて座)
カード:死神(逆位置)


変化や終焉(しゅうえん)を恐れ、過去に執着している可能性があります。新たな始まりを受け入れることに抵抗を感じているかもしれません。しかし、変化は成長のチャンスでもあります。恐れを乗り越え、未知の可能性を探ることが大切です。1つの扉が閉じれば、別の扉が開くことを信じましょう。

■監修者プロフィール:石川白藍(いしかわ・はくらん)
天の後押しがあって、2018年、2019年のスキルシェアサイト「ココナラ」にて、高いリピート率で2万以上あるサービスのなかでランキング1位となる。第六感の精度・占いの技術だけではなく、SNSマーケティング、子どもたちに生き方を教える塾の経営、コミュニティ運営、資産の作り方、行動心理学の知識など、幅広く培った経験を活かして、抽象的なメッセージだけでなく具体的な指針を伝えることができる。
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