木村拓哉は「変わりゆく変わらないキムタク」松尾潔の発言の真意は?

音楽プロデューサー・松尾潔氏

木村拓哉さんが織田信長に扮してパレードする「ぎふ信長まつり」の観覧申し込みに応募が殺到していると話題になっている。RKBラジオ『田畑竜介 Grooooow Up』に出演した音楽プロデューサー・松尾潔さんは、50歳を目前にした今なお、トップスターであり続ける「変わりゆく変わらないキムタク」を絶賛した。

キムタクの「信長まつり」に80万人以上の応募殺到

映画で織田信長の役を演じる木村拓哉さんが、岐阜県で毎年11月末に行われる「ぎふ信長まつり」の騎馬武者行列に共演する伊藤英明さんと一緒に参加するそうです。岐阜市の人口は約40万人ですが、一説には60万とも80万ともいわれる人たちが観覧申し込みに殺到しています。この話題で「(キムタクは)どれだけ長い間、人気を誇っているんだ」と、改めて痛感しますね。1990年代からずっと第一線を走り続けていますからね。

先週の番組で、エミネムが50歳という話をしましたが、木村拓哉さんは来月13日に50歳になります。つまりエミネムとキムタクは同級生ということですね。「人生50年」って言葉があります。それこそ信長が、言いだした張本人かもしれませんが。

もともと彼はSMAPのメンバーの中で、頭一つ抜けた存在でした。思い出されるのが、94年のドラマ『若者のすべて』とその前の年の『あすなろ白書』。このあたりから一つ抜けてきた感じはありました。

第2の裕次郎? いや、唯一無二の“キムタク”

94年に石原裕次郎新人賞を木村拓哉さんが受賞したときに「彼こそ第2の石原裕次郎だ」といろんなメディアが言いました。そのとき木村さんは20代前半。当時の彼にそれを言うのは、この先の長い芸能人生において、重荷になるんじゃないかなと思ったんです。でも、その木村さんが50歳になるわけで。こんな“長期政権”って、日本の芸能界にはありませんでした。

考えてもみてください、石原裕次郎さんが50歳のときは、ブランデーグラス回して10年以上経っていますよ(笑)。適当に言っていますが、そういうイメージです。もう大の大人ってことで。石原プロモーションという芸能事務所の事業家でもあり、今でいえばLDHのHIROさんのような側面が強かった。

一方で木村さんの場合は、かつての野村克也さんの「生涯一捕手」のような、ずっと現役にこだわり続けているっていう意味で、アスリートで言うならば、カズ(三浦知良)さんに近い。しかも未だに“日本代表”で活躍している。エンターテイメントという言葉の定義を、日本の中で拡大した方じゃないかなって思いますね。

「変わりゆく変わらないキムタク」

やっぱり人を喜ばせながら、勇気づけながら、元気づけながら、それを生業にしている方は尊いなと僕は思うんですね。同時に、それを長きにわたって続けている木村さんが背負っている重みというものは、彼にしか分からないし、彼にしか見えない景色もあるんだろうなって思います。

「変わらないためには、少しずつ変わらなきゃ駄目だ」っていう、ヴィスコンティ監督の映画の中でそういう台詞が出てくるんですけど、「変わりゆく変わらないキムタク」つまり少しずつ変わっているんですよね。定番であるための努力っていうのがね。

ブルックスブラザーズのボタンダウンシャツとか、リーバイスの501のように、定番であり続ける難しさを、生身の人間で体現しているキムタク。われわれは彼の50歳のタイミングで、今一度注目して評価をやり直すべきなのかもしれません。

田畑竜介 Grooooow Up
放送局:RKBラジオ
放送日時:毎週月曜~木曜 6時30分~9時00分
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※放送情報は変更となる場合があります。

発売1週で10万部超え!話題の本『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』作者に問題の原因を聞く

お笑いタレント、大竹まことが同世代や全世代の男女に向けてお送りしているラジオ番組『大竹まことゴールデンラジオ』(文化放送・毎週月〜金曜13:00~15:30)が5月17日に放送され、
集英社新書から発売中の『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』を著した、文芸評論家の三宅香帆がゲストに出演。番組パートナーの室井佑月とともに、本の内容について伺った。

大竹「三宅さんが『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』という本を書いたら、この本は売れたんですね」

三宅「(笑)たくさんの人に、「働いてるから『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』が読めない」って言われます」

大竹「三宅さんは、社会人になって1年目にずいぶんショックを受けられたとお書きになってますね」

三宅「私は昔からすごく本が好きで、本とかマンガに囲まれて暮らしていきたいみたいな人間で、文学部にずっと居たんです。大学院でも文学研究を勉強していて本当に本漬けの生活だったので、こんな本好きの自分が、働いたぐらいで読めなくなる日が来るとは全然思っていなかったんです」

大竹「どんな職場で働いていたんですか?」

三宅「IT企業のいわゆる大企業って感じで」

室井佑月「めっちゃ忙しいの?」

三宅「メールのやり取りがずっとあったりとか。長時間労働ではないんですけど、ずっと仕事のこと考えちゃうみたいな感じはちょっとありましたね」

大竹「週に5日間、毎日9時半から20時過ぎまで会社にいる。そのハードさで驚いたそうですね」

三宅「でも多分世の中の人からしたら、そこまでめっちゃ激務ってわけでもないと思うんですよ。私の友達とかも朝7時から夜の11時まで働いてますみたいな人も結構いるし。別に過労ってわけでは全然ないのに、でもやっぱりそれでもすっごく疲れて本が読めなくなるっていうのが、日本の会社って何なんだろうって思うようになったきっかけです」

大竹「本が読みたいのに読めない社会が今広がっていて、なんでだろうとお考えになった」

三宅「明治時代から現代に至るまで、日本の労働と読書史みたいなものを並べて、昔の人は本を読んでたのか調べると、意外と昔の人も例えば立身出世を語る自己啓発書っぽい本だったら読んでいたりします。あとバブル期ぐらいだと新聞や雑誌連載の小説だったり日常に溶け込む本が、すごく多かったと思います。明治とか戦後ぐらいのベストセラーは新聞連載が多かったりとか、その後は雑誌からベストセラー小説が生み出されてたりしたのに、今ってベストセラー小説ってだいたい書き下ろしとかじゃないですか」

大竹「その上で、本が読めない状況について三宅さんは、新しい文脈を作ることができない、とおっしゃってます。これはどういうことですか?」

三宅「今、なかなか本が読めないと、特に忙しいサラリーマンの人が思っている理由の一つに、何を読んでも仕事にひっつけちゃうっていう問題があります。仕事のためになる本だったら読めるけど、仕事のためにならない本は読めないっていうような状況です」

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