新型コロナ経済政策~次の課題はいかに消費を活性化させるか

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月20日放送)にジャーナリストの佐々木俊尚が出演。日銀が金融政策決定会合の開催を発表したニュースについて解説した。

【新型コロナウイルス】営業を再開した店舗も目立つ千日前商店街=2020年5月17日午前、大阪市中央区 ©産経新聞社

日銀が22日に臨時の金融政策決定会合を開催

日本銀行は19日、臨時の金融政策決定会合を22日に開催すると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大で中小企業の資金繰りが悪化している現状を踏まえ、新たな資金供給制度について話し合う。

飯田)22日の午前9時からと発表されております。臨時の金融政策決定会合の開催を、事前に公表するのは異例だということです。

佐々木)それだけメッセージを発信しなくてはならない状況になっているのです。知り合いの広告系の会社経営者と数日前に話したのですが、広告の案件が落ちて売り上げが立たず、7月には倒産するかと思ったけれども、日本政策金融公庫の実質無利子の特別貸付に申し込んだら、速攻で下りたということです。政策金融公庫以外の民間の金融機関からも、無利子でお金を借りる仕組みができています。後は融資だけではなく、自民党のプロジェクトチームが間接金融ではない、直接金融で出資するファンドをつくるということもしています。

飯田)きょう(20日)の日本経済新聞が1面で伝えていますが、官民ファンドを立ち上げて中小企業にも資本注入するということです。結局はスピード感ですよね。

【新型コロナ】人々が帰路につくJR新宿駅前=2020年5月8日午後、東京都新宿区 ©産経新聞社

金融政策にも限界がある~次の課題はいかに消費を活性させるか

佐々木)いまの状況だと直接金融、間接金融でどんどんお金を送り込むことが重要だと思います。ただ、これは緊急の輸血でしかありません。売り上げが立たない状況の会社がたくさんあって、いくらお金を注入しても延命されているだけで、その先の見通しが立たない状況でもあります。金融政策にも限界があるので、この先どうやって財政出動なり消費減税のような政策で景気浮揚、消費を稼がせるか、という課題が次にやって来るのではないでしょうか。そこが日本政府、安倍政権の対応でいちばん足りないところです。どうしたら消費が活性化するかを麻生さんに聞いてみたいところですよね。

飯田)景気を浮揚させると言う話になると、「いや財源が」というようなことがすぐに出て来て、中途半端で財政の規模も大きなものではなくなってしまう。これが繰り返されて来ましたよね。

【新型コロナウイルス 通勤風景】桃山台駅付近で渋滞する新御堂筋(左側の車線が大阪市内向き)=2020年5月11日午前、大阪府吹田市 ©産経新聞社

政治の中心はあくまでも経済である

佐々木)今回のことで安倍政権の内閣支持率も落ちています。一部では、検察庁法の改正案のせいではないかと言っている人もいますが、どちらかというと、一連の財政政策への不満が大きいのではないかと思います。

飯田)いままで消極的であっても支持をしていたのは、経済、雇用がよかったからですが、その裏返しが来ているわけですよね。

佐々木)憲法とか安全保障とか検察庁とか、そういう話ではなく明日の生活、経済が政治の中心であることを、もう1度我々は捉えなおした方がいいと思います。

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