大阪城天守閣館長・北川央「現代の大阪城主」が最後に語った秘話

(左から)和田アナウンサー、北川さん(大阪城天守閣館長)、原田アナウンサー

『原田年晴 かぶりつきフライデー!』(ラジオ大阪 金曜11:00~)は原田年晴・和田麻実子両ラジオ大阪アナウンサーがお送りしている情報番組。3月25日12時台放送の「昼下がりのトーク」では3月31日に大阪城天守閣の館長を退任される北川央(ひろし)さんをお招きし大阪城にまつわる興味深いお話や北川さんの大阪城に対するお気持ちを伺いました。

 

「大阪城のことは北川さんに聞けば全てわかる」と以前から原田アナと交流のあった北川さん。昭和62年から大阪城の学芸員として働き始めました。学生時代は飛鳥・奈良時代の日本古代史を専攻していたものの、研究に行き詰まり、古代史が難しいと感じた頃、大阪市立美術館に就職した先輩からの誘いで展覧会の仕事を手伝った時、「文化財を扱う仕事がやりたかったんだ」と気付かされ、学芸員になろうと決意。たまたまその時期に募集していた大阪城へ就職しました。約35年務めた大阪城、北川さんにとって中でも印象に残っている仕事は、海外にも大きな影響をもたらしました。

2006年オーストリア・エッゲンブルグ城に「大坂城」を描いたと思われる屏風絵があるので、その写真を見てほしいと頼まれた北川さん。それは間違いなく、「秀吉が亡くなる前後の大坂城と城下町を描いた物」だとわかり、日本だけではなく、ヨーロッパでも大発見というニュースになりました。さらにエッゲンブルグ城のあるオーストリア第二の都市グラーツは、中世の古い街並みも残る中、屏風絵の発見もあり、世界遺産に登録されました。それを期にエッゲンブルグ城から大阪城と友好提携を結びたいと、オーストリアの大統領夫妻・大臣ら約70名の政府高官も来日し2009年に調印式が行われました。それがヨーロッパで大ニュースとなり、今度はフランスのブルターニュ大公城からもオファーがあり友好提携を結びました。

1枚の屏風絵をきっかけに、ヨーロッパでの公演会も多数行うなど、世界的な活動をすることになった北川さん。「日本の首相に会ったことはないが、海外に行く機会が増え、オーストリアの大統領、各国の首相など国家元首と会う機会があるので、なんだか自分がエラくなったような気持ちになってしまう」とも。

「ここでヨーロッパの話を聞くとは!」と驚く原田アナンサーは続いて、北川さんにとっての秀吉という人物について質問しました。

「秀吉は天才的で頭がよく、庶民からの成り上がりで庶民の気持ちもわかる。だから庶民の気持ちをうまくコントロールしながら、一方裏面は怖い人。冷血な支配者というイメージです」

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