ポプコン出身のシンガーソングライターで"選曲家"としても活躍する松崎真人が、'70~'90年代の日本の曲・日本語の曲を中心にイントロからアウトロまでノーカットでお届けするSTVラジオ『MUSIC☆J』。シングル曲のA面とB面(カップリング)の両方を聴きながら、その背景やエピソードをトークする「ところで、B面なんですが」。この日は、Mr.Childrenの1992年の大ヒット曲を取り上げます。(文中敬称略)
M14「抱きしめたい/Mr.Children」
松崎:1992年12月1日リリースのシングルですね。この前に「君がいた夏」というシングルを出していますけど、これが「もっと売れる」と思っていたと思います、いい曲だし。でも、思った通りの結果では無かった、もっと売れても良いはずだと本人たちも周りも思ってたと思うので、次に出すシングルはもう、ド直球で、桜井(和寿)の甘いマスクに似合うようなラブソングで行こうという、一丸となったアレンジと歌詞のコンセプトと歌唱。すべてがひとつの方向を向いているということで、ここはもうB面で遊んでいるヒマは無いわけです。なので、カップリングもド直球のラブソングで合わせてきているわけですね。
松崎:ミスチルがカップリングで色々と実験的なこととか遊びとかを始めるのは、もっともっと後でございます。「抱きしめたい」と組み合わされたのは、この曲です。
M15「君の事以外は何も考えられない/Mr.Children」
松崎:これも力が入っている曲ですね。グロッケン(編註:鉄琴)でサビをなぞって、印象的に耳に残る作り方をしていますね。1992年と言えば、サザンオールスターズの「世に万葉の花が咲くなり」で小林武史がサザンと一緒にアレンジをやっていた頃ですので、当時の小林武史の頭にあったアイデアが、僕の中にも思い入れとして残ってるので、もうその辺りを総動員して、このMr.Childrenというダイヤの原石を絶対に磨き上げて、スターダムにのし上げてやるという思い入れを感じますね。
松崎:僕自身の思い出としては、最初の「EVERYTHING」って言うアルバムを、(東京の)山手線の車内で、CDを家に持って帰るのが待ちきれなくて、タワーレコードの袋から出して「これ、買ったわぁ」って開いてジャケットを眺めてる女子が2人、いたの。その時にジャケットを見て「あ、Mr.Childrenっていう新しいバンドだ。これ、小林さんがやってるんだ」と思ってたけど、ああやってリアルで、売れて当時のティーンが夢中になっているのを目撃するとなんか「ザワザワ」ってしますね、「これ、来るんだな」っていう気がしまして。案の定、それから次のアルバムでドーンと売れたわけです。