山梨県でも新型コロナ感染拡大 わたしたちができることは

渡辺麻耶が木曜日のDJを担当するFM FUJIの番組『Bumpy』(毎週月曜~木曜、13:00~18:50)内のコーナー「CLOSE UP TODAY」(毎週木曜、17:35~)。8月18日のオンエアにフリージャーナリストの松田宗弘さんが出演し、山梨県の新型コロナウイルス感染者の急増について解説しました。

松田:昨日(8月17日)の新規感染者数は1595人と過去最多を更新しました。昨日夕、県の感染症対策センター(CDC)を取材、担当官から伺った話と、昨日午前の知事会見の議事録から、現状と課題をお話しします。

麻耶:過去最多ということですが、要因なども含めてどのような感染状況なのでしょうか。

松田:県CDCによると、ウイルスは感染力がBA2の1.3倍ともいわれるBA5が85%に達しているといい、新規感染が急増しています。この結果、15日(月)の病床使用率は54.9%、16日は51.4%と高止まりです。県は16日、山梨厚生病院で5床増やしてもらえることになり、県内全体で422床になったとしていますが、政府の分科会は対策強化の目安を病床使用率50%としていますから、県も病院も必死に頑張ってはいるものの、非常に厳しい状況にある、といえます。

麻耶:感染者の急増による、通常医療などへの影響も心配されます。この点はいかがですか。

松田:これは全国共通の問題ですが、山梨でも救急医療のひっ迫が起きていて、CDCによると、救急搬送件数は先月17日までの1週間は808件だったのが、直近1週間は25%増の1010件に急上昇。ただ、その半数以上の533件は自宅療養の軽症患者でした。また、救急搬送が困難な事案は直近1週間で62件と以前の3倍に急増。CDC担当者は「発熱などでコロナが疑われると、119番通報される。通報の基準がない中、気持ちは理解できるが、救急救命の医師が軽症者の対応に追われるので、通報は慎重にお願いしたい」ということでした。安易な救急車の要請は、脳梗塞や心筋梗塞など真に救急医療を要する事案の救急搬送の妨げとなりかねず、「救える命が救えなくなる」という最悪の事態をもたらす恐れもあるということなのです。

麻耶:それでは、私たちは普段、どのように感染に備え、実際に発熱などがあった場合、どういう手順で医療機関にアプローチしたらよいのでしょうか。

松田:あらかじめの備えとして、カロナールやロキソニンなどの市販の解熱剤を自宅に常備し、軽い発熱や咳、喉の痛みなどの軽度の人は、夜間、休日の救急外来の受診は避け、平日の日中に受診してほしい、とのことでした。さらに、コロナ感染が疑われ、救急車を呼ぶかどうか迷った場合、119番通報の前に、24時間対応の県の受診・相談センター(055・223・8896)に相談してほしい、としています。センターでは夜間に急な発熱があり、解熱剤の購入を希望する場合、夜間まで営業しているドラッグストアも案内しており、ぜひとも、処方を求めて救急車を呼ぶことは避けて下さいと強調していました。

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