'70~'90年代の日本の曲・日本語の曲を中心にノーカットで毎夜、約30曲を紹介している『MUSIC☆J』。ポプコン出身のシンガーソングライターで"選曲家"としても活躍する松崎真人が、その曲のエピソードを交えてお届けしています。12月3日(金)は、1枚のアルバムから3曲程度をじっくりと聴く「新日本アルバム紀行」。角松敏生のアルバム「ALL is VANITY」をピックアップします。(文中敬称略)
松崎:いまで言うシティポップの流れで、サウンド的にはとても王道のアルバムです。ただし、歌詞の内容がとても内省的な、角松敏生の活動凍結前のアルバムの1枚です。どんどん最後の何枚かは、内容が内省的になっていくわけです。「ALL IS VANITY」という(タイトルで)、すべてが幻影的というか虚栄の位置みたいな感じで、すべてがうつろだということですね。まず1曲めは…。
M23「夜離れ(よがれ)〜YOU'RE LEAVING MY HEART/角松敏生」
松崎:いま(アウトロで)聞こえているギター、ラリー・カールトン本物が弾いてます。で、ピアノはジョー・サンプル、ドラムはリック・マーロッタという、管(ブラス)のアレンジはジェリー・ヘイがやってまして、本当に何というのか「俺も1回、スティーリー・ダンやって見たいんだよ感」満載です。そういったサウンドの贅沢さに比べて、孤独感が漂う歌詞なんです。次は、アルバムの5曲目の…。
M24「ただ一度だけ〜IF ONLY ONCE/角松敏生」
松崎:ん~、聞き入りますね。これはドラムがカルロス・ベガー、パーカッションがレニー・カストロという、どちらも「TOTO」周辺のミュージシャンです。ギターはなんと、バージー・フェイドですね。このアルバムで、日本人がちゃんと、がっつり入っているのが小林信吾のシンセ、全部の曲に入ってます。ですので、これほどの完成度に、どれだけ小林信吾が陰で貢献しているかと言うことが、よくわかります。もう1曲、タイトル曲…。
M25「ALL IS VANITY/角松敏生」
松崎:(3曲で)お腹いっぱいという感じですが、この「ALL IS VANITY」はぜひ、アルバム単位で聴いてもらいたいなと思います。このあと、どんどん内省的になっていくんですが、このあとの3枚のアルバムは、どれも素晴らしいです。