菅内閣が発足……田崎史郎氏「安倍前総理は『菅さんがなってくれるのがいい』と本人と話していた」裏側を明かす

自民党の菅義偉総裁は9月16日午後、衆参両院本会議の首相指名選挙で第99代首相に選出された。そして新内閣の陣容を決定し「菅内閣」がスタートし、夜9時からは就任記者会見に臨んだ。

こうしたなか、政治ジャーナリストの田崎史郎氏は、この前日9月15日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に電話出演し、菅総理が自民党総裁に“立候補”するまでの裏側について明かした。

菅内閣が発足  記者会見する菅義偉首相=2020年9月16日午後9時2分、首相官邸

辛坊)ご本人は本音のところで総理大臣になれると思っていなかったですよね。

田崎)思っていなかったと思います。一般的な議員なら誰でも総理大臣になりたいと思って議員になりますので、そういう意味での小さな野心はずっと持ち続けられていると思うのですけれども、総理大臣になろうと思って勉強して、人脈をつくって、お金を集めて、着々と歩を進めてきたというタイプではないのですよ。もしそういう姿が見えたら、安倍総理は危なくて使わないです。

辛坊)そうですよね。官房長官に寝首をかきそうな人をこんなに長く置いておかないですよね。

田崎)そうです。だから、完璧に信頼して、自分の寝首はかかないという安心感があって、菅さんの方も忠誠心で貫き通しましたから。そしてやはり、そこで安倍さんがやめると言ったときに、そこから自分でどうするか考えた。

辛坊)なるほど。

田崎)実はそのとき新聞報道されていないし、僕も言わないでおこうといままできたのですけれども、せっかく辛坊さんの番組なので申し上げておくと、8月28日の午前11時ごろに菅さんは安倍総理に呼ばれたのです。

辛坊)夕方に安倍さんがやめるという記者会見をした日の午前中ですね。

田崎)ええ。そのとき「去っていく人間が『誰がいい』とは言えないのだ」と。「だけど、菅さんがなってくれるのがいいのだけれどな……」という話をされたのですよ。

辛坊)では、実質的にその段階で、安倍さんは菅さんという認識があったということですね。

田崎)そうです。菅さんもその言葉を受けていろいろ考えて、ここで立つべきだと。そして翌日の29日の午後8時ごろに二階(幹事長)さんと会って、その意思を固めたと。「応援お願いします」というふうに菅さんの方から頭を下げているのです。

辛坊)なるほど。

田崎)二階さんの力が強まるのは、すぐに「応援しよう」と言って、翌日にはもう派閥で意思決定しているのです。

辛坊)いまの流れは正確というか、私がもし安倍さんなら「自分が(菅さんを)推しているということが表に出るとマイナスにしかならない」と。だから「もう自分は中立を保ち、禅譲ということをしないのだ」ということで、菅さんの流れを自然に敷いていく。おそらくそのような流れだったのだろうと思うのです。

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旧統一教会に解散命令、地下鉄サリン事件から30年。いまカルト教団はどうなっている?

ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日~金曜日15時30分~17時)、3月31日の放送にジャーナリストの二木啓孝が出演。旧統一教会への解散命令や地下鉄サリン事件から30年経ったことを受け、「カルト教団のいま」について語った。

鈴木純子(文化放送アナウンサー)「旧統一教会(世界平和家庭連合)は3月25日、地裁判決で解散命令を受けました。東京高裁に即時抗告しましたが、今後どうなるのでしょうか」

二木啓孝「宗教法人としての解散命令が出たことでどうなるか。それと、ものすごい被害者がいる、ということがあります。損害賠償請求から何から、その保証はどうなるのか」

長野智子「はい」

二木「まず解散命令でどうなるかというと、旧統一教会はすぐ高裁に即時抗告というのを出したんですね。即時抗告が出て高裁でも地裁の判断が維持されると解散手続きが入ります。ただし旧統一教会はさらに最高裁に特別抗告、ということになるのですが、高裁になった段階で解散手続きがとられます。ただし1年ぐらいかかるかな、というようなことです」

長野「はい」

二木「解散命令が出ても宗教法人としての税制上の優遇といったものはなくなる。でも宗教の自由があるから、そのまま信じる、ということはできます、と」

長野「宗教活動はできる、と」

二木「賠償の問題はどうなるか。賠償の原資をどうやら旧統一教会は隠すんじゃないか、という話があるんですね」

長野「ここがいま、いちばん心配なところですね」

二木「旧統一教会に対して被害者だったり迷惑を受けたり、ということでいうと、まず1つ、全国統一協会(教会)被害者家族の会としてだいたい20年で6000件ぐらいの相談がある、といった状況です。もう1つ、被害者が損害賠償を求めるときに全国各地の旧統一教会の被害者弁護団ってあるんです。僕らは被害者弁連と呼んでいて。ここの人たちもやはりお金は『賠償しなさい』と。訴えと裁判を起こしている段階でいうと、被害者の弁護団でだいたい被害総額1340億円なんです。旧統一教会が報告している純資産が1200億円なんですね」

長野「おおよそ払える、と」

二木「ところがいま、被害者弁護団が言っていることは解散命令が確定するまでこの不動産の名義を変更したり韓国への送金をさせないようにしたり。いまある教団の財産保全を特別措置法でかっちり押さえておいてほしい、という話なんです」

長野「うん……」

二木「なんでそういうことを言うのか。じつは旧統一教会は財産隠しを行うための準備をしていた、ということですね」

このあとは、その「準備」について具体的な解説が展開した。さらに「ああ言えば上祐」の言葉を生んだ二木が、オウム真理教や地下鉄サリン事件に関しても語った。

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