【西武】平井克典投手インタビュー…中継ぎのしんどさを知っているから「もう1イニング」
8月4日のライオンズナイターは試合前、平井克典投手のインタビューをお届けした。前日の登板では6回1失点で勝利投手に。先発での活躍の源には、「中継ぎ投手のためにも」「しんどさをわかっているから」という思いがあるようだ。
――ゆうべ(8月3日)のピッチングを振り返っていただけますか?
平井「調子自体も悪くなく、ややいいほうかな、という感じでブルペンを終わって。(森)友哉がいい配球してくれて、いいところを引き出してくれて、いいスタートが切れたかなと。その流れのまま最後まで投げ切ることができたと思います」
――「いいリード」とはどういうものでしょう?
平井「僕といえばスライダーというのはバレていますし(笑)、どの球団も知っていることなので……。そのスライダーを活かすためのリードというか。(今回も)配球に偏りなく、僕のスタイルの『内・外を広く使っていく』というのをうまくやってくれたかなと」
――いろんな捕手と組んでいて、「次に投げたい球種はそれでいい。でもコースはそこじゃないんだよ」ということは?
平井「まあ……ありますけど、そこは捕手も意図をもって出してくれることなので。そこで瞬時に僕自身が納得できなければ変えることもありますし。僕にも責任があるところなので」
――瞬時に納得できるかどうか。
平井「そうですね。フィーリングというか、『ここだろうな』というところはやはり抑えられる確率が高いですし。逆に『ここでいいのかな』と半信半疑になって投げたときは、打たれる、意図しないところに行くことが多いですね」
――平井さんといえばスライダー。どうやって投げているのかとても興味があるんです。たとえば右打者のインコースからのスライダーだとすると、どこを目標にリリースするんですか?
平井「右打者のインコースは……『当て』にいっています」
――やっぱり! 打者を目がけて投げていますね。
平井「目がけて投げたらちょうどいい」
――そこにためらいはない。
平井「ためらったらいい結果が生まれないので」
――左打者へのアウトコースからのスライダーだとすると?
平井「右打者がいると想像して投げます。だいたいそこら辺にいるだろうな、と仮定して」
――どちらのほうが得意ですか?
平井「左の外のほうが、言い方は悪いですが『抜けてもいいや』と。ボールになるだけなので。そこは思い切って、加減することなく腕を振れるかなと」
――今年は開幕から16試合にリリーフで登板したあと、先発で8試合、起用されています。平然とした顔でお仕事されていますけど、シーズン中の先発転向は簡単なことではなかったですね?
平井「やることは同じなので。先発だから、中継ぎだからとスタイルを変えるつもりはない。先発になったらボールの使い方が変わるぐらいじゃないですかね」
――より多くの球種を使うということですか?
平井「そうですね、中継ぎだと自分の得意なボール、その日の調子がいいボール、というのを捕手も選んできますし。先発はふたまわり、三まわりと戦っていく。9人にどうボールを使っているかというのを相手ベンチも見ています。そこで的を絞らせない投球となると、全球種をまんべんなく使わないといけない」
――もっと投げたい、という願望はありますか?
平井「もちろん! できるのであれば。この時期、中継ぎがしんどい、しんどくなってくる、というのもわかっているので。中継ぎ投手のためにも『もう1イニング、もう1人』というのは常に思って投げています」
――監督やコーチから「そろそろ代わるか?」という言葉があったとき、「もっと投げます!」と返したこともあるんでしょうか?
平井「あります。『交代』と言われたら『はい』と答えますけど、『どうだ?』と聞かれたら『まだいけます!』。という感じですね」
※インタビュアー:文化放送・斉藤一美アナ