救急搬送時間を短縮! 救えるアプリ
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急な体調不良、火事、事故などの際に救急隊員が駆けつけてくれる「救急現場」において、近年大きな課題があると言うことで詳しく伺いました。
栃木県にある小山市消防本部 菅原 康一さんのお話しです。
救急搬送の増加
救急出動自体が増加をしているところがあって、新型コロナウイルスであったり、最近で言えばインフルエンザということで、感染症の流行というのがすごく発生することもありますし、搬送されている方の半数以上は高齢者の方ですので、高齢化社会っていうところに関連して、救急搬送の方も影響が出ているのかなというふうには考えてます。
その増加と関連するように、なかなかあの病院が決まらないというような形で、搬送がうまくいかないケースが増えてきてたっていうのがありました。
1病院に対して電話をして症状を伝えて、初めて受けていただけるかいただけないかっていうことを、電話連絡の中でやっていたんですけれどもそれは一件連絡をして収容できなければまた次の1件ということで、近年の状況で言うと、紹介回数が10回を超えるとかもあって、時間がどんどん経過していってしまうので、大きな課題でした。
・救急出動、搬送自体が増えていて、こちらの管轄で言うと、直近の令和6年は、1万3件の出動で、搬送が8817人。5年前の令和元年が、8744件の出動、搬送が8026人なので、搬送人員で見ると9.9%の増、およそ1割増えている。さらに10年前と比較をすると、6908人が搬送人員だったので、27.6%、およそ3割程度の数が増えている状況。
・そんな中、一件一件病院に電話をして、搬送先を探すアナログなやり方だと、どんどん時間が経過してしまって、それだと、まず第一に苦しんでいる患者さんにとっては大きなデメリット。更に、救急隊員の労務管理において見ても、スムーズに搬送できるに越したことはないと。
こういった課題解決のために、小山市消防本部は、あるアプリを今年からトライアルで運用し始めたとのこと。
その名もスクエル(「SQ‐L」)。
どんなものなのか、LINE WORKS株式会社 小野田 卓さんのお話しです。
救える!?アプリ
LINE WORKS株式会社 小野田 卓さんのお話しです。
スクエルについてはですね、まず救急隊の方が傷病者を搬送する際に医療機関を一斉に紹介する。アプリとなってます。
LINEWorksのですねWebアプリを活用をしておりますので普段皆さんがお使いいただいているLINEの感覚で活用することができます。
今まで救急隊の方が電話で医療機関へ問い合わせをしていたところが、LINEと同じようなイメージでですねテキストベースで医療機関に傷病者情報をお送りをして一斉に照会をすることが可能になりましたので受け入れ先の選定っていうものが迅速にできるような形になったっていうところとあとはもうLINEWorksのあの基本機能を活用することによってですね、現場の状況やあとは写真であったり動画、ビデオ通話なども活用することができますので救急隊の方と医療機関が密にコミュニケーションができるようになると考えています。
・我々も使い慣れているLINEのLINE WORKSをベースにしたものであって、そこに消防署側の意見を取り入れ、救急業務に合わせた形で、システム会社にカスタマイズを依頼をして、それを形にしたアプリ。
・導入予定の医療機関はいま15機関あると言うことなので、それだけの数に、テキストベースで一斉に送信することが出来る。先ほどの小山市消防本部の菅原さんにも伺ったところ、試算を出したところ、令和5年の時の平均の現場滞在時間が19.9分だったところ、このアプリを使うと一現場16.9分まで短縮できる見込みと。
・それだけではなく、ベースがLINE WORKSなので、写真や動画、ビデオ通話が可能な点も 大きな利点だと言う事なんです。
どんな利点があるのか、再び菅原さんに伺いました。
やはり交通事故現場とか得意な事案、あとは労働災害事故と言って、機械に手が挟まれているとか、そういうのもどの部分まで挟まれていてどれだけの患者さんに影響があるのかとかっていうのも、言葉よりも、実際に写真で見て先生の方に見ていただいた方が、それだったらこういう処置をする必要があるから、この病院に運んだ方がいいねとか、そういうところの部分のアドバイスにも繋がるかなと思ってます。
今、救急出動件数、救急搬送人員は増えてるんですけども、それと同じように救急に対応する病院が増えてるかというとそんなことはなくて、その救急に対応する医療機関自体の数っていうのは、それほど増えてはいないんですね。
なので、もう病院はもう、限りあるもの、救急車も限られるものなので、そこでうまくどれだけ効率よく、いま運べる病院を探すかっていうのがこれからの時代になると思います。
単に時間が短縮するだけでなく、現場の状況や患者さんの状態をより分かり易く伝えられる。それによって、より適した搬送先に送る事が出来たり、現場での対応をより適したものに出来るかもしれないとのこと。
このトライアル期間で良い結果が出れば全国的に広まるかもしれない!
(TBSラジオ『森本毅郎・スタンバイ!』取材:竹内紫麻)