令和でも「フィルムカメラ」が愛されるわけ

毎週金曜日、皆さんのログ=レビューを集めて「あーでもない」「こーでもない」と語り合うゆる〜いトーク番組「金曜ボイスログ」(TBSラジオ・金曜あさ8時30分から)。

10月9日の特集テーマは「カメラ」。


自身もカメラ沼にどっぷりつかった番組MC・シンガーソングライターの臼井ミトンと、「そうだ 京都、行こう。」の撮影でも知られるトラベルフォトグラファーのもろんのんさんで、「フィルムカメラの持つ魅力(魔力)」について語り合いました。

スマホカメラ全盛…令和の時代になぜフィルムカメラを選ぶのか?

ミトン:もろんのんさんは基本お仕事になると、やっぱり今デジタルをお使いだと思うんですけれども、フィルムカメラも併用されてるんですか?

もろんのん:私は、仕事はデジタルカメラで、プライベートの旅行はフィルムを使ってます。


ミトン:お仕事ではやっぱりフィルムカメラを使うのは難しい?

もろんのん:そうですね〜、やっぱりフィルムだと、使ったことがある方はわかると思うんですけど、撮っている最中はモニターがないので、撮れてるのかわかんないんですよね。なので仕事だと、取り返しがつかないことになってしまう可能性もあるので、フィルムはプライベートの方で楽しんでます。

ミトン:現像してみないと何が撮れてるのかわからないし、フィルムもお金かかりますしね。

もろんのん:そうですね、1枚1枚、お金がかかります。

ミトン:そういう風に聞いていると、割とデメリットだらけ・・(笑)

もろんのん:(笑)


ミトン:それでもやっぱりプライベートで写真を撮るという行為を"楽しむ"時っていうのはやっぱりフィルムを使ってるんですよね。それってどういう理由からなんですか?

もろんのん:フィルムだとやっぱり、逆に、"今見えない"、"撮っているものが見えない"っていうのが良いですね。例えば旅行に、家族で行ってるのに、一人だけ自分が写真を撮ってたらつまんないじゃないですか。いつまで経ってもパシャパシャ撮ってる…。ってならないように、フィルムだと良くも悪くもお金がかかっちゃうから、1枚を集中してパシャ!以上!みたいな。旅行中とかでも気軽に使うことができるので、私はすごい楽しく使ってます。

ミトン:ある種、1枚入魂みたいな。

もろんのん:そうなんです。デジだと、もう何か色々レンズ変えてああだこうだと撮っちゃうけど、フィルムは良くも悪くもなんかこう、ラフなんですね。

ミトン:もう一回撮ったらもうそれでおしまい!はい次、みたいな。そうすると、写真を楽しみつつも、今という瞬間を、旅行なら旅行で一緒に行っている人と楽しむっていうコトにも繋がるっていう感じですね。


もろんのん:はい。あとはやっぱり色味とかも、フィルムとデジタルだと違うので、私はフィルムの優しい写りがすごい好きです。

ミトン:これはやっぱり、僕がミュージシャンなので音楽にも通じることなんですけど、同じ曲かけてもアナログレコードでかけるのと、CDなりサブスクなりで再生ボタンを押してかけるのとっていうのは、やっぱり肉体的な経験として圧倒的に別の種類のものだなっていうのはすごく感じていて。やっぱりカメラに関しても、そのデジタルとアナログの違いっていうのは、わりとこう似てるような所があるんじゃないかなと。

もろんのん:確かに。

トラベルフォトグラファー・もろんのん推しフィルムカメラは?

もろんのん:私はPENTAXのSPや、二眼レフだとMinolta AUTOCORDっていう、結構何か色々使ってます。最近買ったものだと、LOMOGRAPHYのアクションサンプラーっていう、1枚でこう4枚の写真が撮れるやつですね。

ミトン:ロモ!ありますね。僕が高校生のとき、トイカメラブームだったんですよ。その時もう20年前の話ですけど、ロモの最初のブームがバーっと来て。

もろんのん:ああ、そうですか!

ミトン:今日、もろんのんさんには、そのPENTAXを持ってきてもらって。もう、そのASAHI PENTAXというロゴがいいよね!

もろんのん:かわいいですよね!

ミトン:もうそのペンタプリズムの部分が、ボコボコに凹んでたりして、モノとしての質感みたいなのがやっぱ全然違うんだよな〜。二眼レフもお使いなんですね。


もろんのん:そっちは、メインでは使ってないんですけど、写真友達がプレゼントして下さったもので。

ミトン:今でもまだフィルムが手に入るんですか?

もろんのん:高くなってますが、手に入ります。

ミトン:正方形で、上から覗き込むようなカメラで、レンズが「見る用のレンズ」と「フィルムに記録する用のレンズ」ふたつが縦に並んでいる、すごく見るからにレトロな雰囲気のカメラですよね。

もろんのん:そうですね。

ミトン:僕もね、実はローライコードを持っていて。


もろんのん:あら、いいカメラ!

ミトン:まだ高校生の頃、すごい安いのをヤフオクで買って。撮っていましたが、やっぱり最近使ってないですねこれ。ちなみにちょっと、せっかく持ってきていただいてるんで、このPENTAX、シャッター音をちょっと聞かせていただいてもいいですか。


(シャッター音)

ミトン:ああ・・残響がいい・・。

もろんのん:(笑)やっぱりこのカシャって音が・・。

ミトン:筐体の中で、ちょっと響いている余韻があるんですよね〜。

カメラ好きがハマる”レンズ沼”

ミトン:ちなみにレンズ、このプライベートで使用されているレンズはどういったものですか?

もろんのん:SONY a7IIIには、ライカのズミルックス F1.4/50mmというレンズを付けてます。

ミトン:デジカメに、昔のライカのレンズを付けているってことですか。

もろんのん:そうです、昔フィルムカメラで使われていたものを、新しいカメラに。昔のレンズと今のカメラをつなげる役割のアダプターをつけて撮ってます。

ミトン:実はこのミラーレスっていうカメラ、一眼レフと違って内部にこのミラーが入っていないんで、かなり薄くなるんですよね。コンパクトに。その薄くなったことによって、今までって例えば、Nikonのカメラを使っているとNikonのレンズしか使えない。カメラがCanonだったらCanonのレンズしか使えない。要は何て言うか、一生そのメーカーに忠誠を誓わなければいけないという事があって、これは例えばじゃあ、やっぱりCanonの方がいいなってなった時は、もう今まで買い集めたNikonのレンズとかも全部売って乗り換えるみたいな、大変な騒ぎだったんですけれども、このミラーレスの、僕が思う一番の魅力って、薄くなった分アダプターが入る余裕があるというか、そのアダプターを付けることによって、そのメーカーの純正のものではないレンズも使えるようになったんですよ。


もろんのん:そうなんです。

ミトン:だから例えばNikonをずっと使ってた人で、Canonのミラーレス、SONYのミラーレスを使うって場合でも、アダプター、しかもオートフォーカス機能がなければ、ホント数千円で買えるものまである。オートフォーカス機能が付いてるアダプターだとやっぱ数万円しますけれども、でも今の手持ちのレンズ資産を生かせる、メーカーに関わらず生かせるし、あるいはもろんのんさんがおっしゃる、古いレンズの独特の描写っていうのを、ピント合わせは自分でやらなきゃならないにしても、ミラーレスのカメラだとそれを付け替えて楽しむことができるっていう、もう・・。

もろんのん:果てしのない"沼"ですね〜。(笑)

ミトン:しかもやっぱり、デジタルカメラに時代が移行してから、フィルムカメラ時代のレンズとかって本当に二束三文って言ったらちょっと言葉が悪いですけど・・。

もろんのん:そうですね、本当数千円で買えるオールドレンズもありますね。

ミトン:数千円で買えるようないい感じのレンズがあったりするんで、それこそ今お話に出たロモなんかもそうですけど、あえて状態の悪いレンズで、ちょっと曇っちゃってるっていうスタイルで撮るなんていう、トイカメラ的な楽しみ方もできちゃったりするんですよね。そんなところが、僕個人的にはミラーレスの一番深い何か楽しみなんじゃないかな〜。

もろんのん:おお〜、もう私より詳しいくらいです。(笑)


ミトン:あ、本当にすみません。これはゲストに喋らせないで、自分で喋るという・・。

もろんのん:いやいや。(笑)

ミトン:いやいやいや、ちょっと最悪なパターンですね・・。

もろんのん・スタッフ:(笑)

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