女の一生を地で行く女優~大竹しのぶ

TBSラジオ「コシノジュンコ MASACA」毎週日曜日夕方5時から放送。

2020年11月1日(日)放送
大竹しのぶさん(part 1)
1975年の映画『青春の門~筑豊編』の織江役で本格デビューし、以来映画・舞台・TVドラマで大活躍。菊田和夫演劇賞など数々の賞を受賞し、名実ともに日本を代表する女優です。

JK:2011年、紅白歌合戦のとき審査員でご一緒だったわね。お隣にマーくん(田中将大)がいて。楽しかったわね!

大竹:本当ですね、あれから9年経ってしまいました(^^)

JK:この前もオーチャードホールでちょっとお会いしましたね。加藤登紀子さんとエディット・ピアフ関係でつながってるの?

大竹:登紀子さんが訳詞をして、私がお芝居の中で歌っていて。それがご縁でコンサートを見に行ったり、お芝居を見に来てくださったり。6月のコンサートでまだ(経済活動再開が)始まったばかりで、えらいなーと思いました。批判もあるかもしれない中で。

JK:それもわかったうえでエイッ!とやりましたよね。それからなんとなく皆さんやるようになったんだけど。

出水:ピアフといえば、2018年の紅白では歌手として「愛の讃歌」を歌われました!

JK:今思い出しても鳥肌よ! 歌がうまい! なりきっちゃうのね。

大竹:だから怖いって言われて(笑)「しのぶちゃん怖いよ、貞子みたいにTVから飛び出きそうだった」って(笑)

JK:小さい身体なのにパワーがあって。エディット・ピアフってこういう人なのかなあって錯覚するぐらい! その気になっちゃうんですか?

大竹:ピアフも「小雀」って言われていた人なんでね。歌もどっちかっというとなりきり型の歌がすきで、中島みゆきさんとかお芝居っぽい歌が好き。その世界に入ることが好きなのかもしれないですね。音楽だったら、イントロが始まったら哀しい女とか怖い女になるっていうか。

JK:普段の自分とは違ってばーんと入っちゃうの? 大竹しのぶじゃなくて?

大竹:ピアフみたいな人が普段いたら、疲れちゃいますよね(^^;)でも必死に人を愛するとか、その時その時一生懸命やってるところは共感できます。

出水:もともとシャンソンはお好きだったんですか?

大竹:美輪明宏さんがピアフの物語をしてらして、「愛の賛歌」も歌ってらして、それを若い時に見たときに客席で号泣して(>m<)そこからピアフの歌を聞いたのが最初ですね。「愛の賛歌」に関しては、最初の旦那さんが亡くなっていて、そのどん底にあるときに自分で歌って這い上がる、というか。お風呂場でとか、車で運転しながらとか・・・

JK:オーバーラップしたのね。自分の人生に入って行っちゃった。

大竹:そうそう。泣きながら歌うことで救われてた、ということがあったんです。まさか自分がお芝居でやるとは思ってもいなかったです。

JK:でもお芝居で泣くっていうのは、悲しくもないのに涙を流すわけじゃないですか。どうなってるんだろう?と思って。目薬でも入れてるのかしら??とかね(笑)

大竹:いいですね、素朴な質問で(^^)まぁ、でも映画では入れる人は目薬を入れる人はいますよ。舞台ではできないですけど。私はどっちかっていうと、泣くのは好きなほうなので(笑)気持ちになれば涙は出てきます。

JK:役になり切ったら出ちゃう?

大竹:違うことを思い出して泣くっていう人もいますけど、私はその役が感じることで泣きます。本当にデビューの『青春の門』で悲しいシーンがあったときも、飲んでいるソーダ水を見ているだけで泣けてきちゃう。台本には書いてないんだけど、「織江ちゃんはここでソーダ水を頼んだんだ」と思っただけで泣けてきて。

大竹:それで小道具さんに「ソーダ水のチェリーを見てたら悲しくなったよ」ってお礼を言いに行ったら、「そう、よかった! 織江ちゃんが何を頼むかずーっと考えてたんだ」って。で、監督に言ったらOKをもらったって。本当、みんなで作るものだなってデビューの時から教えてもらいました。

JK:何にする?っていったら、監督も「ソーダ水? そーだ!」ってね(笑)

出水:だ、だじゃれですか、ジュンコさん!

大竹:一応いいお話をしたつもりだったのに(^^;)びっくりしました!

出水:明日から新橋演舞場で始まる舞台『女の一生』は、昭和20年4月に作家・森本薫さんが女優・杉村春子さんのために書き下ろし、杉村さんが主人公の布引けいを84歳まで947回演じたという演劇界に名を遺す作品です。最初にお話が来た時はどんな気持ちでしたか?

大竹:本当恥ずかしいんですけど、私一度も見たことがなくて・・・まさか自分がやるとは思ってもいなくてびっくりしたのが正直な気持ちで。森本薫さんが杉村さんのために書いたのがよく分かって、本当に素敵でしたね。私のセリフだけじゃなく、どのセリフも素敵なセリフが多くて。

JK:人生とオーバーラップするところはありますか?

大竹:明治・大正・昭和と激動の時代に、自由になれず天涯孤独の女の子が拾われて、息子さんと好きじゃないけど結婚させられて・・・というお話なんですが、「誰が選んでくれたのでもない、自分で選んだ道ですもの。間違いと知ったら、間違いでないようにしなくちゃ」っていう有名なセリフがあるんですけど・・・

JK:ご自身にぴったりじゃないですか! 自分の意志で、この世界に入ったんでしょう?

大竹:そう、その辺がまさにぴったりだなって今言おうとしてたところです(^^) たしかに、ダメだなと思ったら、ダメじゃないようにしようという気持ちで生きてます。

JK:杉村さんの947回を超えるのは大変だけど(笑)

大竹:それは無理です! だって最初の設定は16歳なんですよ! (高橋)克実さんもやるんですよ! もちろんかつら被ってですけど。そこで爆笑。爆笑覚悟でやってます(笑)


出水:今回台本をあらためて読んで、布引けいはどんな女性だと思いましたか?

大竹:どんな状態でも前を向いている。凛として、寂しさも苦しさも隠して、そこがカッコいい女性だなと思います。だから悲しいんですけど・・・最後には戦争が入って全部何もかもなくなってしまったというラストシーンなんですが、それでもまだ前を向く。「私の一生はまだまだこれからだ。新しい歴史のなかに自分の一生を入れていただきたい」 そこがすごいなと思います。大好きな新藤兼人監督は100歳で映画を撮ってたんですが、それでもまだ映画を撮りたいっていう、生きる希望を持ってくれたらいいなと思います。

出水:初演は1945年、戦時中ということですよね。

大竹:東京大空襲があった後すぐ、5日間の公演だったんですけど、すごいですよね。

JK:よくやりましたよね! 人が来るかどうかわからないのに。そういうときにやる勇気! いまのコロナに似てますよね!

大竹:それでも見たい!っていう。かぶりますよね。空襲警報が鳴ったら芝居は一時中断するとか、そういう状況だったそうですが、それでも上演したいという思いで。だから似てるかもしれません。

=OA楽曲=
M1. 群衆 / 大竹しのぶ

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伊東健人、石毛翔弥『クラシック★スターズ』に込めた想い!

声優の安元洋貴と白石晴香がパーソナリティ!週替わりで登場するゲストとのトーク!
リスナーのみなさんからのリクエストを中心に集計したアニメ、ゲーム、声優、特撮に関するナンバーのオリジナルチャートを発表していく1時間のミュージックプログラム、
「A&Gメディアステーション FUN MORE TUNE」!
3月29日はゲストに伊東健人さん、石毛翔弥さんをお迎えして、『クラシック★スターズ』特集をお送りしました。

『クラシック★スターズ』は偉大な音楽家たちの「ギフト(才能)」を体内に移植された少年が仲間たちと出会い、音楽の魅力に触れながら、コンテストでの優勝を目指す姿を描いたオリジナルアニメーション。伊東健人さんはモーツァルト、石毛翔弥さんはリストを演じています。

「主人公は内田雄馬さん演じるベートーヴェンなんですけど、目指している職業はボクサーなんですよ。ボクサーにとって致命的な怪我をしてしまう。その手術を受ける時に音楽のギフト・才能を見出されるんですね。第1話で彼にとってはベートーヴェンっていうギフトを与えられて音楽の方向に進まされようとするんです(伊東)」

メインキャラ4人についても教えてもらいます。「ベートーヴェン、モーツァルト、ショパン、リストなんですけれども。ショパンくんはビジュアルの特徴あります。この中だと1番可愛い担当。音楽は元々やっていたもののクラシック一辺倒ではないぞっていうところもあって、俯瞰で見られるタイプ。ベートーヴェンがパッション型でモーツァルトは冷静型。ベートーヴェンの逆で、モーツァルトは“才能があるのに音楽をやる気がないとはどういうことだ”と思ってる(伊東)」

「リストは伝統芸能の家の生まれで、女型とモデルとしても活躍中なんですけれども、全員をまとめるような感じ。リストがお調子者なのは家的なもの、生まれもあるんですけど、ちょっと重たい過去背負ってる。そういった意味で人との距離感を物凄く計りながらやっていて、柔らかくみんなに気を使える(石毛)」

『クラシック★スターズ』に登場するのはElements Gardenの手によってキャラクターソングに生まれ変わったクラシックの名曲。モーツァルト(Cv.伊東健人)『Kissとナハトムジーク』のレコーディングはどうだったかというと「あと5年ぐらいはずっと言い続けてると思うんですけど、オーディションの時に曲があって。その時、スタジオに行った男性声優陣で “こんな高いのか!”と、しばらくざわついた。僕も全然歌えた記憶はなくて落ちたなって思ったんすけど、受かったもんだから全責任を持たなきゃいけない曲になった。レコーディングまで半年ちょっとあったのかな。それぐらいの時間、キャラクターソングに対して考えるってあまりない経験。ほとんど歌詞を見なくても歌えるくらいになりました(伊東)」

リスト(Cv.石毛翔弥)「甘き羽音に乱れて…」の話も伺いました。「モーツァルトに比べたらキーはちょっと低いです。リストのキャラクターに寄せて少し和のテイストになってる。何より『ラ・カンパネラ』のリズムが凄く難しくて、滑らかに歌うのに苦労しました。僕にとって初めてのキャラクターソング、緊張しながら、ドキドキしながらレコーディングしました」

伊東さんによると「ショパンの曲はヒップホップの要素が入ってるんですよ。ベートーヴェンは彼のルーツのボクシングで厚めのロックの曲調。今風に聞きやすくなっているので、クラシックという意識をなくして聞いてみて欲しいです」

メインキャストの4人・Gran★MyStarが歌うエンディングテーマ「BEYOND★CLASSIC」についても伺いました。「Elements Gardenのファン的に“これこれこれ!”みたいなことが散りばめられていて、やっぱ熱いなって思いました。クラシック音楽をこう融合するんだみたいな(伊東)「Elements Gardenの曲は難しいっていうのは、いろんな人から聞いていました。「BEYOND★CLASSIC」もインパクトがあるから、是非みなさんに聞いて頂きたいです(石毛)」

改めて『クラシック★スターズ』について伊東さん、石毛さんに聞いたところ、こんな答えが返ってきました。「『クラシック★スターズ』というタイトルとキャラクターだけだと、ちょっと堅苦しい話みたいに思われた方もいると思うんですけど、面白いところは面白いし、笑っていいところは笑っていい、肩ひじ張らない作品。先行上映会に来てくださったみなさんの表情を見たら凄くにこやかでした。実は楽曲のシーンの映像が結構ぶっ飛んでいて、実況向きのシーンなんです。最終的には自然とみんな考えてるような話になると思うので、楽しみにして欲しいなと思います(伊東、石毛)」

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