世界を襲った激震Deepseekショック!これは米中AI戦争の引き金か?『町田徹のふかぼり!』

経済ジャーナリスト・町田徹が毎週注目すべき国内外のニュースを徹底解剖。日本経済が抱える問題の本質、激動の国際情勢の行方について、時に冷徹に、時に熱く、語ります。

経済ジャーナリスト町田徹が選んだ今週のニュース

番外 1月26日、コンゴ民主共和国の東部の都市ゴマで、反政府勢力のM23と政府軍の戦闘が勃発!
番外 28日、中国の春節=旧正月休暇に伴うヒトの大移動がスタート。日本ではインバウンド需要への期待と感染症流入への警戒感が混在。
番外 埼玉県八潮市で起きた道路の陥没で4日目となる救助活動が継続。上流で汲み上げた下水を塩素で消毒して川へ放出するなど混乱も拡大。
番外 30日、イスラエルが、UNRWA=アンルワ国連パレスチナ難民救済事業機関の活動を禁止。法律の施行で、ガザ地区での支援が困難に。先週土曜の段階で、アメリカのトランプ大統領は一方的に住民のヨルダンとエジプトへの移住を提案。
第5位 29日、アメリカ議会上院の指名承認公聴会で、厚生長官候補のケネディ氏が「反ワクチン」発言を撤回したものの、野党の民主党議員らが厳しく追及 。
第4位 29日、アメリカのFRBがFOMC連邦公開市場委員会で、利下げを見送り政策金利を据え置くことを決定。
第3位 29日、日銀が2014年後半6回分の金融政策決定会合の議事録を公表。異次元緩和の拡大を巡る黒田前総裁の強引な舵取りが鮮明に。
第2位 28日、トランプ政権がOMBに発出させた補助金の拠出停止命令を1日で撤回。
第1位 27日、Deepseekショックの激震が世界を揺らす!

今週のふかぼり「世界を襲った激震Deepseek(ディープシーク)ショック!これは米中AI戦争の引き金か?」

中国のベンチャー企業Deepseekが性能の劣るGPU=画像処理半導体を使って低コストで、遥か先を言っていると思われていたオープニングAIやグーグルといったアメリカ勢のものに匹敵するAIを開発したというニュースが、アメリカ政府が鳴り物入りで進めてきた半導体の輸出管理策が尻抜けになっているとか関連産業も含めて、アメリカのAI産業の成長性に疑問を投げかけています。

その一方で、当のDeepseekがアメリカにあるIPアドレスが発信元のサーバー攻撃を受けたと主張、中国も負けず劣らずアメリカへの反発を強めています。この分野を巡る米中対立が一気に燃え盛ってもおかしくない状況が生まれているのです。そこで今日はこの問題を緊急でふかぼりました。

町田徹のふかぼり!
放送局:ラジオNIKKEI第1
放送日時:毎週金曜 16時00分~16時30分
出演者:町田 徹(経済ジャーナリスト)、杉浦 舞(フリーアナウンサー)
番組ホームページ
公式X

再放送:毎週金曜 23:00~23:30

※該当回の聴取期間は終了しました。

幼少期の“愛読書”は『家庭の医学』!? 作家・小川洋子「人間に対する興味のスタートでした」

フリーアナウンサーの唐橋ユミがパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「NOEVIR Color of Life」(毎週土曜9:00~9:30)。“生きること、輝くこと、そして人生を楽しむこと”をテーマにした、トークと音楽が満載のプログラムです。各界を代表して活躍する女性ゲストが、自らの言葉でメッセージを伝えます。

今回の放送ゲストは、作家・小川洋子さんです。読書の原点や、社会人生活を経て得た視点などについて語ってくれました。


小川洋子さん



小川さんは岡山市生まれ、早稲田大学文学部卒。1988年「揚羽蝶が壊れる時」で海燕新人文学賞を受賞。1991年「妊娠カレンダー」で芥川賞、2004年「博士の愛した数式」で読売文学賞、本屋大賞を受賞するなど、数多くの小説・エッセイを執筆しています。

◆「家庭の医学」で人間の神秘に気づいた

唐橋:最初の読書体験が「家庭の医学」だったとお聞きしました。本当ですか?

小川:(笑)。我が家は両親ともにあまり本を読む家ではなく、家に文学書がなくて。「お菓子の焼き方」や「熱帯魚の飼い方」「家庭の医学」などしかなかったんです。仕方なく「家庭の医学」のページをめくりますと、いろいろと人体の不思議が載っていて、「人間とはなんて不思議な生き物なのだろう!」と。人間の内側には目には見えない神秘的な世界が隠れているのか……というのが、人間に対する興味のスタートでした。

唐橋:だからこそ、本のなかに身体の一部が強烈に残る描写があるんですね。

小川:そうですね。私も話していて自分で気が付きましたけど、確かに「家庭の医学」から事が始まっていたかもしれません(笑)。

唐橋:理解がどこまでできるかはわかりませんが、確かに子どもにとっては何時間でも読めるものですよね。

小川:児童文学も好きでしたが、まったく感情が入っていない植物図鑑や動物図鑑の説明文の、客観的な記述がとても想像力をかき立ててくれました。作家としても、図鑑的な文章と言うのでしょうか。書いている本人の主張とか、「私ってこんないい文章を書けるんだ」という自己顕示欲を消した、本来持っている書き方をそのまま差し出せたらな、と思って書いています。

唐橋:家に本があまりなかったということですが、本屋さんや図書館に行かれていたのですか?

小川:学校の図書室が一番好きな、心落ち着く空間でした。あまり友達がたくさんいるタイプではなかったのですが、図書室って1人でいて、じっと黙っていても変じゃないですよね。そういう自分を受け入れてくれる場所が図書室でした。

唐橋:図鑑のほかに、何か好きな作品はありましたか?

小川:小学校の図書館の図書カウンターのそばに、くるくる回る本棚があったんです。そこはすべて岩波少年文庫の棚で、それを「全部読みたい!」と思っていました。エーリッヒ・ケストナーとかフィリッパ・ピアスとか、岩波少年文庫にはずいぶんお世話になりましたね。今思い出しても、胸がキュンとするような作品と出会いました。

唐橋:「いつも岩波の本を借りている子だ」って、図書室の人も覚えているでしょうね。

小川:図書室の先生がストーブの上でパンを焼いて、半分分けてくれたこともありました(笑)。

唐橋:本以外で夢中になっていたことはありますか?

小川:1人で静かに本を読んでいるかと思えば、けっこうおてんばなところもあって。弟がいて、近所に年上の男の子のいとこが2人いたので、いつも男の子と一緒に泥だらけになっていました。家の裏の川に何度落ちたことかってくらい、身体を動かすのも好きでした。

唐橋:本も読みながら、ちょっとやんちゃなところもあったのですね。

2
作家・小川洋子 社会人生活で得た“視点”「小説を書くためには、自分の中に色々なものを溜め込んでおかないと」

唐橋:小川さんは大学卒業後、川崎医科大学中央教員秘書室に就職されたのですね。

小川:そうですね、よく秘書をやれたなと思います(笑)。お給料をもらいながら、世の中の常識を教えていただいた時期でした。コピーの取り方から電話の受け答え、自分は社会人として本当に何も知らない、なんてダメな人間なんだ……ということを教えていただきました。自分の人生には必要なことでした。

唐橋:そこで気づかされたのですね。

小川:小説を書くというのは、どうしても1人で完結してしまうので、みんなに協力してもらったり先輩に意見を伺ったり、医学部の先生方に、どう満足していただくかを考えたり。他者と関わることも必要な体験でした。やはり就職して社会に出て、だんだん視野を広げていく。小説を書くためには、自分のなかにいろいろなものを溜め込んでおかないと。自分がどれだけ人間として想像力を働かせることができるかどうか、それはいろいろな人と関わって蓄えておかないと、(小説は)書けないですね。

唐橋:お仕事をしながらも、ずっと筆は止めることなく小説は書かれていたのですか?

小川:それだけが楽しみでしたね。先輩に怒られてしゅんとして、トボトボ家に帰っても、小説の続きを書く。それがどんなに下手くそな小説であっても、「ようやく自分の場所に戻って来られたな」という感じでした。

3月のマンスリーゲストは庄野真代さんです。

<番組概要>
番組名:NOEVIR Color of Life
放送日時:毎週土曜 9:00~9:30
パーソナリティ:唐橋ユミ
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/color/

Facebook

ページトップへ